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チラシのデザイン(メカAG)
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チラシのデザイン(メカAG)

2014-07-15 14:00
    チラシのデザイン(メカAG)

    今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

    ■チラシのデザイン(メカAG)
    俺はデザインというのはよく分からないので、わからない人間が下手に口を出すのも百害あって一利なしだと思ってるので、むしろ関わらないようにしている。

    俺とデザイナーとの関わりはせいぜい以前書いた下記のエントリぐらい。それとて純粋なデザインというよりもソフトウェアの機能(操作性)の話。

    「デザイナーがデザインする"もの"」 2007年10月03日 『メカAG』

    http://mechag.asks.jp/115795.html

       *   *   *

    さてちまたではチラシを自動的に作ってくれるサービスが話題になっているようだ。まあ便利なサービスかもしれないが、そこから一足飛びにデザイナーはもう不要とか言い出すのはいかがなものかと。ワードやパワーポイントのテンプレがデザイナーの代わりになるのか?と。

    出来合いの洋服を買うか、オーダーメイドで注文するかの違いだと思うんだよね。デパートに行って適当な服を選んで買うのもよし、特注するもよし。出来合いの服で十分満足できることもあるだろう。その意味で大量生産のメリットというのは大きい。

    デザイナーが設計しているものというのは、「意味」だと思うんだよね。これはソフト開発も同じで、ユーザーがなにを求めているかをプロの視点で読み取り、それを実現する。チラシだったら、そのチラシでユーザーは何を伝えたいか?を読み取り、それをどう表現すればいいかについて心を砕くのではなかろうか。

    これまで何度か述べてきたけれど、機械化というのは、ようは職人が使う道具が変わっただけだ。ノミとトンカチの代わりにCPUがモーターを動かし素材を加工する。どう加工すればいいか考えているのは依然として人間。

       *   *   *

    むろんそこまで必要ないという客も多いだろう。正直俺にはデザインというものがわからない。話してると「いろいろ考えてるんだな」とは思うけど、はたしてそれが良いデザインなのかは、俺にはセンスがないので。

    つまりコーヒーの味が分からない客にはインスタントコーヒーで十分ということなのだろう。それで用が足りる場合も多いだろう。俺にとってコーヒーは「なんとなくそれっぽい味がすればいい」のであって、微妙な味わいとか、豆がどこ産のもので、その特徴はこうで、それをうまく活かしているかどうかなんて、特に必要ない。

    ようはいままでそういうユーザーも、こだわりのコーヒーの職人が入れたコーヒーを飲んでいたわけだ。インスタントコーヒーがなかったから。いわばオーバースペックだった。

       *   *   *

    いままで出来合いのもので十分な客が、いちいちオーダーメイドの特注品を注文していたのが、住み分けができるようになったということなのだろう。それをどう見るか?仕事が減ると受け止めるか、アホな客を相手にしなくてよくなったと見るか。

    それなりのこだわりをもち、デザインの価値をわかる人間だけが、オーダーメイドを求めるようになるわけで、それはそれで幸せかもしれない。

    ただ底辺というかすそ野は減るかもしれない。つまり入り口の敷居が高くなるかも。すそ野がやせ細るとそのジャンル全体が衰退してしまう危険性はある。やっぱ栄えている分野というのは広大なすそ野を馬鹿が支えてるんだよね(苦笑)。

    でもツールはそのすそ野を逆に広げる可能性もある。出来合いのテンプレすら自分では選びたくないエンドユーザーは少なくない。それこそ「無線LANの設定を有料でやってあげます」という商売があるように、どんなに簡単なことでも、金を出してやってもらいたがる人はいるものだ。そういう商売が新たに生まれるだろう。

    まあようするに常にあらゆる産業は「変化」しているというだけで、マクロ的には特別なことではない。

       *   *   *

    道具の発達は人類の文明全体を押し上げることは確か。たとえば政府が発表する統計データをExcelにコピペして、適当に演算してグラフを描く、なんてことが個人でも簡単にできるようになった。

    もしExcelがなかったら、人間の手で計算しなければならない。専門家に依頼しないと無理だよね。当然個人のブログのためにできる作業じゃない。

    「専業主婦の推移」 2014年06月22日 『メカAG』

    http://nebula3.asks.jp/210098.html

    こういうグラフだってコンピュータがない時代は、気軽に作れるものじゃないだろう。でもだからといってデータの分析とかする専門家が不要になったわけではない。電卓やソロバンでパチパチ計算し、ロットリングでグラフを書くというのは、もともと本質的な作業ではなかったのだ。

    製図だってT型定規とかのドラフターで書いてたのが、CADに主流が置き換わって久しい。ドラフターを駆使してなにか図面を書いてる光景って、なんかカッコよくて子供の頃憧れてたんだけどね(苦笑)。

    「ドラフター」 『Wikipedia』

    http://ja.wikipedia.org/wiki/ドラフター

    執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

    寄稿いただいた記事は2014年07月14日時点のものです。

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