すっかり恒例になったつもりで毎週進めております。今週は、ガケ書房の絵本棚から一部を紹介します。
上にチラッと写っているのは(ふつうって何?という帯の本)、不時着するような世界を持つイラストレーター・ひろせべにさんの絵本です。文章は、作家の松田青子さん。どちらも元々は京都にゆかりのある人たちです。
本編にいきましょう!
まず、一番左は、荒井良二さんの最新刊『イノチダモン』です。この本は、何年か前に京都に越してきた出版社・FOILから出ています。荒井さんの摩訶不思議な夢世界のような画風でいろんなものの命について描かれています。
その隣。『日本伝承のあそび読本』。レトロな風合いが可愛いです。それもそのはず、これは1967年の復刻版なのです。挿絵は、『からすのパンやさん』などでもおなじみ、加古里子さん。輪ゴムや植物を使った遊びや、指遊びに、絵描き歌など<お金のかからない遊び>がたくさん載っています。
その隣。『そよかぜさん』。コロボックルなどのユニットでも活躍するたちもとみちこさんの作品です。どうぶつたちの間を流れるそよかぜをめぐるお話。ページをめくる仕掛けの多い楽しい一冊です。
その隣。CDです。『サザエさん音楽大全』。そのタイトル通り、アニメ・サザエさんのテーマ曲から本編で流れるBGM、エンディングテーマなどすべてを網羅したお得な1枚。これを聴けば、いつでも日曜の夕方の気分になれます。「あ~、明日からまた学校か~」。
その隣。『くるくるかわるねこのひげ』。なぜかネコ好きの女性というのは多いです。この本はそんな女性たちが反応しそうな1冊。アメリカの作家が描いたおしゃれな絵本。ねこのひげが自由自在に伸びて、女の子とじゃれあいます。裏表紙もメチャ可愛い。
その隣。『クジラにあいたいときは』。これも外国の作家の絵本です。全編を通して、青水色の水平線が印象的な作品です。いやー、舶来の作家はおしゃれですなー。上の本もそうでしたが、絵本というよりアート作品の趣きもあります。部屋に飾るだけでも、本としての役目を果たしそう。
がらっと変わって、その隣。『うんこしりとり』! みんな大好きですね。よく売れてます。どこかニヤニヤしながら皆さん買っていきます。内容は、もちろん、いろんなうんこの呼び名をしりとりで紹介していく絵本です。平和の象徴のような1冊。
その隣。『本日のコトリ』。絵描きのはとさん(女性)が毎日1体ずつ各地で作ったあみぐるみを1年分掲載した入魂の1冊。実は、ガケ書房で作った僕モデルのコトリも出てきます。どの日にどんなコトリを作ったか一目瞭然なので、自分の誕生日のコトリを見つける楽しみがあります。あんまりかわいくないコトリが該当していたショックもまた楽し。
はい、その下! 僕の好きな絵本作家のひとり、長谷川修平さんの名作を復刊したものです。『とんぼとりの日々』。長谷川さんの描く物語はいつも関西の少年のナイーブな心を絶妙に表現しています。冒険心・臆病・興奮・反省・etc・・・。忘れていた感情を思い出してしまって泣けてきます。
その左! これも古い作品です。でもまだ現役バリバリの絵本です。『もりたろうさんのじどうしゃ』。昭和44年に最初に出た絵本です。当たり前ですが、画風がその当時のまんま。そして、昔も今も小さい男の子はブーブーが大好きなので、この絵本はずっと売れ続けているのです。
その左! 『武井武雄絵本コレクション』! 5冊組! 知ってる人はもちろん知ってる童画家、版画家、童話作家、造本作家である武井武雄。こけしにも造詣が深い方です。その彼が残した貴重な絵本が復刊。文字ひとつとっても味わい深い彼の丁寧な世界をぜひ覗いてみてください。
その左! 『おやすみのあお』植田真。青は青でも、さわやかではない。明るくもない。でもなぜか心地いい。そんな青があるということ。知ってますか? この絵本は、そんな言葉で伝えきれない感情のあお色で全編描かれています。深くて淡い青。
その左! 『たべるトンちゃん』初山滋。いやー、すみませんね。なんか昔の絵本が多いですね。これも復刻ものです。昭和12年の作品。いわゆる戦前の作風なのでシュールでチクッと刺すような毒のある作品です。今の表現の倫理感がいかにヌルいかよくわかる絵本。
その左! 『アボカド日記』。人気イラストレーター、多田玲子さんの自費本。今のところ、4巻まで出ています。アボカドくんを主人公に漫画形式で展開する日常ストーリー。クスクスするような展開がやみつきになります。
その左! 『しきぶとんさんかけぶとんさんまくらさん』。大好きな漫画家・高野文子さんの絵本です。眠れないとき、この絵本を枕元に置いてください。最初は面白くて余計に眠れないかもしれませんがそのうち、疲れて眠れます。
最後! 『A TO ZOO』。色のない動物園の絵本です。つ・ま・り、これはぬりえ絵本です。自分色の動物園を作ろうじゃないか!
またいつか!
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