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7月26日、ドキュメンタリー映画『VHSテープを巻き戻せ!』が公開となった。

やたらかさばる上に劣化の激しいVHS……しかし今なおそれに強く惹きつけられてしまうのはなぜなのか? この映画では“映像を手にすることを可能にした”VHSが、映画界に与えてきた「えっ、それも!?」な革新の数々を、映画関係者らとビデオ愛好家らが証言する。

<ホラー関係者もいっぱい出てます>・名監督フランク・ヘネンロッター先生が超ハイテンションでビデオの歴史を語る! 『バスケット・ケース』ビデオリリースの裏話も……。
・トロマの社長、ロイド・カウフマンもラベンダー色のおしゃれセーターで登場
・『ホーボー・ウィズ・ショットガン』『V/H/S ネクストレベル』のジェイソン・アイズナーもビデオ好きを告白
・『リング』脚本の高橋洋、『吐きだめの悪魔』プロデューサー、ロイ・フランケスらの証言も

数々の証言は、彼らがVHS時代に味わった映画のときめきや興奮を追体験させてくれる。VHSコレクターの人々が、棚にびっちりと隙間なく並べられた圧巻のVHSコレクションの前でインタビューを受けているのもなんとも微笑ましい。VHSってかさばるよね……。

そして、映画関係者だからこそ語ることのできる、セルビデオやレンタルビデオなどが映画界に与えた大きな革新については、きっと多くの人が目からウロコであろう。やはりVHSは偉大だったのだ……。

“巻き戻し”を知らないDVD世代でも映画好きならば是非とも観てほしい。きっとビデオデッキがほしくなるはず。あぁ~、巻き戻したくなってきた!

ここで個人的な思い出話をひとつ。

筆者は、レンタルビデオ店に並ぶVHSがDVDへと移行していくのを学生時代に体験した世代である。

ビデオ店の端に突如現れたDVDコーナーが徐々にスペースを拡大し、いつの間にかそれは逆転。VHSのほうが端へと追いやられていった。VHSコーナーには自然とカルトな作品が残り、そこは宝の山だった。

そしてあるとき、そこの商品のすべてに“レンタル落ち”の値札がつけられた。すべて100円や200円だ。「やった!!!」と心のなかで絶叫しながら、誰にもとられないように急いで確保し、うきうきしながら買って帰った『悪魔の毒々モンスター』のVHSは今でも宝物である。廃盤になっていたDVDが無事に再販された今でもだ(もちろん買った)。

それは、手に入れた時のあのときめきを忘れられないから。『VHSテープを巻き戻せ!』はそんな想い出が鮮やかに蘇ってくるようなきらきらとした作品だった。

dokudoku

映画『VHSテープを巻き戻せ!』は渋谷アップリンクほかにて現在公開中。ツー・テイプス・タイターニック!(タイタニック二本組)

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