ソニーから発売されているミラーレス一眼カメラ『α7S』は、フルサイズセンサーを搭載しながら「拡張ISO感度409600」という常識外れの感度を誇る点でも、発売時から話題となっている。
他社フルサイズ機のISO感度はこれまでも決して低くなかった。
Canon 1DX:ISO2048005DIII/6D:ISO102400
Nikon D4S:ISO25600
D750/810:ISO12800
しかしながら『α7S』のそれは異常ともいえる値だ。
思えばソニー初のフルサイズセンサー搭載のデジタル一眼レフとして登場した『α900』を初めて触った時、筆者が唯一気になったのが、まさしく高感度撮影時のノイズだった。(2008年発売。通常ISO100-3200、拡張で6400までの撮影が可能であった)
そんな『α』シリーズが美しくも広いダイナミックレンジのセンサーを携えたというのは非常に感慨深い。
もちろん、ISO感度はやみくもに高ければいいというわけではなく、写真機は美しく写せてこそ。けれども、今回『α7S』特設サイトで公開された水中写真・動画の出来栄えを見ると、「本当に高感度で撮影したのだろうか」と思うほどの仕上がりとなっているのだ。
想像を超える、光と闇の表現へ。 Explore the new world of light with α7S | ソニー
http://www.sony.jp/ichigan/project/
言うまでもなく、人間の眼は非常に良くできている。
しかし人間の眼よりも制約のあるカメラの場合、“イメージに近い画”を作り上げるためにはストロボやレフ版などを使って光を集めてあげる必要も出てくるだろう。しかしカメラが高性能になればなるほど、自然の光だけでの撮影が可能となることが、この“海中写真”からもうかがえてしまう。
F11やF16の絞り値、500分の1から800分の1という高速シャッターでも、「Exmor(エクスモア)」CMOSセンサーと新世代の高速画像処理エンジン「BIONZ X(ビオンズ エックス)」の組み合わせで、ハイダイナミックレンジの確保に成功している。
見たままの印象の画が記録できるカメラがあるとすれば、それは本当に魅力的だ。
『α7S』は今、その願望に最も近い一台なのかもしれない。
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