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『earth music&ecology』(アースミュージック&エコロジー)などグループで20のブランドを、日本・海外28ヶ国を合わせて約1000店舗展開しているクロスカンパニーが、新たに国際戦略ブランドと位置づけて岡山に第一号店をオープンさせた『KOE』(コエ)。クロスカンパニーの石川康晴社長は「本格的にアメリカ・ヨーロッパを意識している」と話し、3年以内に東京・関東への出店、4~5年で「ニューヨーク・パリ・ロンドン・上海・北京のどこかに出店したい」という壮大な計画のもと、1兆円規模を目指すといいます。

モードを意識した洋服・雑貨をメンズ・レディース・キッズ・ジュニア・マタニティとファミリー全てにラインナップするという商品数の多さが特徴となっている『KOE』のカギを握ることになりそうなのが、RFID(Radio Frequency Identifier)を活用した新商品管理システム。富士通と共同構築したものを『KOE』で本格導入し、セキュリティ強化と店舗業務の効率化を図るとしています。

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ID情報を埋め込んだタグから、近距離無線通信により情報のやり取りをするRFID。タグやラベルにアンテナ付ICチップを付与することにより、専用のリーダーで複数の商品を一括で情報を読み取ることが可能で、商品が吊るして重なっている状態でも一枚一枚をいちいち動かすことがなくても読み取りできるといいます。とはいえ、見た目は普通のタグ・ラベルと変わらないため、「タグの中に(セキュリティ)センサーが入っています。防犯用のプラスティック製センサーよりも見た目美しく陳列できます」(石川社長)と、ビジュアルがすっきりすることが大きなポイントで、会計時に専用の解除器で外して回収する手間が省けることもメリットだといいます。

店舗業務の効率化で特に威力を発揮することが期待されるのが棚卸し。石川社長は「2万点の商品を社員ひとりで行うと400時間かかる。それをRFIDを導入してセンサーを持つと約4時間。アナログで商品を数えるよりも作業効率が100倍違う」と話し、バックヤード業務の負担軽減により接客の時間を増やすことができるため、顧客満足度の向上や販売機会損失を防ぐことに繋がるとしています。

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また、データを管理・蓄積していくことにより、MD(マーチャンダイジング)の構築やプロモーションに活かせるためにも新システムは有用。「『KOE』は40日で在庫回転数を回していこうと考えているので、高い在庫分析をしたい。タグにデータを付与することで、何が売れたかリアルでわかるようになります」と石川社長は話しますが、それだけにはとどまらず「最終的には天井に装置をつけて、ICタグにお客様が触ったことが分かるようにして、それを分析できるようにしたい」と、購買だけでないデータを収集できるシステムの構想があることを示唆します。

この新商品管理システム、今後出店予定の『KOE』の店舗で導入されるほか、2015年春には『earth music&ecology』の全店舗、2015年中にその他のブランドでも導入予定とのこと。

クロスカンパニーでは、2013年に通販サイト『クロスコレクション』をオープンし、全ブランドの会員とポイントカードの統合を実施。そのデータは商品開発やプロモーションにも活かされているといいます。RFIDタグによりショップに訪れた客の行動を分析できようになると、より”生きた”マーケティングや店舗運営が可能となるため、ブランド展開の大きな武器になることは間違いないのではないでしょうか。『KOE』が都市部や海外への進出に当っては、このデータ解析のクオリティーが成否を握ることになりそうです。

株式会社クロスカンパニー
http://www.crosscompany.co.jp/

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