9月26日、自民党総裁選挙が行われた。40年ぶりとなる決選投票にもつれ込む接戦の末、安倍晋三元首相が石破茂氏を破って自民党総裁に返り咲いた。安倍総裁といえば、2006年に小泉内閣を引き継ぐ形で戦後最年少の当時52歳で首相の座についた人物である。「美しい国づくり」「戦後レジームからの脱却」といったスローガンを記憶している方も多いだろう。総理大臣としては06年の9月から07年の9月という1年ほどの任期であった。そんな安倍元首相が退陣するきっかけとなったのは“潰瘍性大腸炎”という病気を患ってしまったからであった。
●厚生省指定の難病“潰瘍性大腸炎”とは?
“潰瘍性大腸炎”は、日本で10万人を超える患者が発症している厚生労働省指定の特定疾患である。特定疾患とは、単に難病とも呼ばれる病気のことを指す。原因不明で治療方法が確立しておらず、後遺症を残す可能性のある病気や、症状によって患者や家族に経済的・精神的負担が大きくかかる疾病を難病と呼んでいる。
今回安倍総裁が苦しめられた“潰瘍性大腸炎”は、大腸に潰瘍ができる炎症性疾患である。発症する原因は不明とされているが、過度なストレスが原因なのではないかとも言われている。症状は、出血を伴うこともある下痢、頻繁に起こる腹痛など。結膜炎、虹彩炎など目の病気との合併症も多く報告され、重症の潰瘍性大腸炎になると肝炎や肝硬変といった内臓の病気を併発することもあるようだ。水や栄養を取り込むために必要な大腸に潰瘍ができてしまうので、栄養を取り込むことが難しくなる。ただでさえ体力が低下している時に食事による栄養補給が困難なため、点滴による栄養の投与も多い。食事制限も多く、おかゆや煮込みうどん、火を通した芋類や野菜類、赤みの多い肉、白身魚あたりはOK。逆に脂っぽいもの、乳製品、果物、お菓子類はNG。
話題の高額カツカレー問題だが、本当に3500円も出して脂たっぷりのカツが乗ったカレーを食べることができていたら、病気の完治を祝うべきであり叩く対象ではないことがわかるだろう。
●新薬を投与の結果 安倍氏「もう大丈夫」
「2年前に画期的な新薬が登場し、すっかり難病を克服した」という安倍総裁。この新薬だが、ウワサではゼリヤ製薬のアサコールという薬なのではないかといわれている。日本では新薬という扱いだが、海外ではよく使われている薬だそうだ。ただし、潰瘍性大腸炎は原因がはっきりしていないため同じ薬で万人に効果が現れるかというとそうでもないらしく、やはり難病であることには変わりない。
この難病をフジテレビ『とくダネ!』のコメンテーター田中雅子氏が「1年でお腹が痛くてやめちゃった」と言うと、メインキャスターの小倉智昭氏もこれに合わせて「子どもみたいだったもんね」と発言するなど、病気の実情に対して認識の甘さが見受けられた。また田中氏は「病気でやめるなんて二度と言ってもらいたくない」と続けた。自分がいつ病気になるかもわからないのによくそのようなことが言えたものである。
日本に10万人以上もいる難病“潰瘍性大腸炎”。あなたはただの腹痛と呼べるだろうか。
(画像は衆議院議員 安倍晋三 公式サイトより引用)
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