今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
■「ゴーマニズム宣言SPECIAL 脱原発論」(小林よしのり) ~原発がなくても江戸時代にはならないか~
小林よしのりの「ゴーマニズム宣言SPECIAL 脱原発論」では、冒頭で小林よしのり自身の少年時代や青年時代を振り返り、当時原発はなかったが、江戸時代ではなかったと述べている。
「原発がなくなると江戸時代に戻ってしまう」と主張する知識人への反論のようだ。1970年の大阪万博の時に美浜原発が稼働し、1973年のオイルショックを乗り越えて小林よしのりが大学4年の時に地元の玄海原発が稼働。
その年の暮れにマンガ家デビューをしたそうだ。それまで原発はなかったがそれなりの文明社会であり、クーラーもあったという。
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まあ話はわかるんだけどね。大事な点を忘れてるんだよね。日本は燃料を海外から買っているという点。燃料を輸入できるのは、日本が金をもっているからだ。なぜ金を持っているかというと日本製品を海外に輸出しているからだ。
つまり製品を輸出しているから燃料を輸入できる。1970年代とは日本を取り巻く状況が違う。むかしは日本がアジアの稼ぎ頭だったが、現在では中国やインドなどライバルがいる。
それでもかろうじて持ちこたえているのは、原発による安価な電力の貢献もあるだろう。原発を廃止してしまったがために電力の価格が上昇し、日本製品の競争力がさらに低下すれば、輸入が減少。お金もなくなり、燃料は輸入できなくなる。そうなれば電気も止まってしまうかもしれない。完全にはとまらないまでも発展途上国のように、一日に電気がつくのは数時間だけとか。
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そもそも世界でこれまで発展途上国だった国々が、名前の通り経済発展して来ている。中国、インド、ブラジルなど。国が経済発展すれば、消費する資源も爆発的に増える。石油とかも消費国が増えていくわけだ。この先上記の3国だけでなく、どんどん途上国が発展していくことだろう。
そうなった時でも、今までと同じ値段で同じ量だけ石油が変えるとは思えない。日本を取り巻く状況は1970年代とは違うのだ。反原発派は日本の消費電力は節電や省エネルギーによって今後減っていくとか言ってるが、仮にそうだとしても世界情勢の方が変化する。なんでそういう変化を考えないのだろう。いつまでも永久に現在と同じだと思うのだろう。
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ところで冒頭の章(序章)の終わりで小林よしのりがニカッと笑って「脱原発が経済成長にも有効であるとしたらどうだろう?」と言ってる中身は何なのかね。「代替え案のない倫理や理想主義は幼児的空論でしかない」とまで言っている。よほど自信があるらしい。
まさか最後の章(22章)の「代替えエネルギーはいくらでもある!」がそれなのだろうか?太陽光や風力、地熱、洋上風力といった特に新味のないものが列挙されているだけなのだが。
で、そういう再生可能エネルギーが実用にならないという主張があることも知っているらしく「そんなのは大嘘だ」と断言している。でも先を読んでも根拠が書いてないんだよね。
レンズ風車による洋上発電の話は面白かったが、これも現在よりもはるかに高性能な蓄電池がなければ実用化は難しい。百歩譲ってこれらの研究開発を進めるのはいいけれど、原発を稼働させたまま進めればいいんじゃないの?先に原発を廃止してしまって、これらのエネルギーの開発にも失敗したらどうするつもりなのだろう。
執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
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