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プロ野球パ・リーグは2日、2位・埼玉西武ライオンズが千葉ロッテマリーンズに敗れたため、北海道日本ハムファイターズのリーグ優勝が決まった。優勝といえばおなじみなのがビールかけ。札幌ドームの地下駐車場を改装工事して作られたスペースで祝勝会が行われ、ビール1500本、シャンパン6本があっという間に泡となった。しかしそんな歓喜のなか、ひとり寂しい人物が。19歳、新人捕手の近藤選手である。未成年ということで会場に入ることすら許可されず、先輩たちが勝利の美酒に酔いしれる様子を入り口付近でうらやましそうに眺めていた。

もともと未成年者飲酒禁止法は経口での飲酒のみに適用されるので、ビールかけについては、ビールが口に入らなければ問題ないと解釈されている。現に昔から清原や桑田などのように、未成年でビールかけに参加した選手は大勢いるが、今まで特におとがめはなかったようだ。しかし最近は先述した日本ハムのように、球団の方針で未成年選手が祝賀会に参加するのを自粛したり、ジュースやノンアルコール飲料で代用することが増えている。読売ジャイアンツが2008年、2009年に優勝した時も、未成年であった選手は“ビールをかけないでください。私は未成年です”と大きく書かれたたすきをかけ、口に×マークが付いたマスクをして登場。ビールの代わりに炭酸水を浴びていた。

ちなみに2004年に中日ドラゴンズが優勝した際、当時の落合監督のご愛息・福嗣くんが未成年ながら優勝祝賀会に登場、ビールかけにも参加してそれが全国にテレビ中継されたことがある。当時彼は高校の野球部員で、後に高野連から親子ともども(球団も)厳重注意を受けた。しかしその理由はビールかけうんぬんではなく、日本学生野球憲章違反(野球部員が報道目的以外のテレビ番組に無許可で出演することを禁止)に違反するから、というものであった。まあ一般的には監督の未成年の息子がわざわざビールかけに参加するのはどうよ、という意見も相当出たわけだが、高野連が怒った原因は“未成年のビールかけ参加”ではなかったのだ。

それなのになぜ近年はビールかけに未成年を参加させないのか。それはやはり時代の流れともいうべきか。例え祝賀会に出る場合でも、飲酒しないことはもちろん絶対条件、なおかつ誤解を招くような飲む真似も一切してはならないようだ。もしそんなおふざけがテレビで中継されたらそれこそクレームの嵐であろう。あらぬ疑いをかけられたら迷惑なので、会場にいるのも禁止、とする球団が増えてもやむをえまい。ただでさえビールかけは環境問題の観点からも疑問視する人が多いのだ。資源の無駄遣いだなんだと批判もされやすい。これに未成年の飲酒問題も加わったらそりゃ大事。大人しく、なんとかボロを出さずにやり過ごすしかないのかもしれない。

今シーズンMVP最有力候補、日本ハムの新エースとなった吉川投手も2007年の優勝時は未成年であった。ビールかけの際はロッカールームで過ごし、コーラを飲んでいた。それが今年は祝勝会でも堂々の主役。今回ビールかけに参加できなかった近藤選手も吉川選手を見習って、次の祝勝会では輪の中心になってほしいものだ。

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