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ガジェット好きにはたまらない最先端IT・エレクトロニクスの展示会『CEATEC JAPAN 2012』。今年は自動車メーカーのトヨタが1人乗り電気自動車を引っさげて初出展し、エレクトロニクス業界に新たな潮流をもたらしました。そのほか、「4k2k」と「スマート」の2つをキーワードに、超高解像ディスプレイと省エネ関連製品が注目を集めています。

でも、ここではあえてそのメインストリームから外れ、半導体やセンサーといった素材や基礎技術を展示しているジミ~なブースに注目してみたいと思います。地味ではありますが、市販される製品に組み込まれる前の段階の個々のパーツや、さらにそのパーツに組み込まれる前の段階の基礎技術を研究・開発しているメーカーこそ技術立国・日本を支えていると言っても過言ではありません。「素材・基礎技術ゾーンこそCEATECの中枢だ、家電ゾーンなどガラクタに過ぎん」と某大佐っぽく言い放つのが(半可)通ってもんですよ。

●地味にすごい、世界に誇る日本企業の最新技術!
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補充可能な燃料(水素、メタノールなど)と酸素の電気化学反応によって電気を取り出す燃料電池はエネルギー変換効率が高く、エコの観点からも期待される新技術。家庭用の“エネファーム”や、バス・タクシーなど、一部商用車の間で既に実用化が始まっていますが、安全に携帯できるサイズの製品はまだありませんでした。それがついに今年、大手電子部品メーカー・ロームが、実用的携帯型燃料電池を出展。しかも来春には商品化までこぎつけるとのことです。

展示されていたのは、スマホ用の2.5W型と高出力の200W型の2つ。スマホ用は、87gの手のひらサイズの本体に、水素化カルシウムを充填した30gのカートリッジを装着して使用。カートリッジ1本で一般的なスマホのバッテリーが1回満充電できます。カートリッジはリサイクルが可能で、コンビニなどにも働きかけ、いつでもどこでも、乾電池よりも安く買えるようにしていきたいとのこと。高出力型は7kgの箱型で、1日に2回カートリッジを取り替えるだけで使い続けることができます。こちらのカートリッジは卓上コンロに使われるガスボンベ程度のサイズと価格、簡便性を目指しています。ブースでは高出力を証明するために実際に46インチの大型テレビとノートパソコンを駆動していました。これなら災害時の非常用電源としても使えそう。

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数年前から出展されているTDKの磁場共鳴方式ワイヤレス電力伝送技術。今年はかなり具体的なスペック表も付記されていました。コイル間の位置がズレても、自動的に最適化する独自技術を採用。プラグを接続して有線で充電する方式に比べると給電効率は若干劣るものの、損失は1~2%の範囲に収まる目処が立っているそうです。電気自動車の充電用をメインターゲットに据え、駐車場への設置はもちろん、究極的には走りながらの充電を目指しています。今年の『CEATEC』会場では有線タイプの充電スタンドが目立ちましたが、利便性を考えると今後はワイヤレス充電式に切り替わっていくと予想されます。

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広告用途での需要が見込まれる透明OLCD(有機EL)は、韓国や台湾のメーカーとの間で熾烈な開発競争が繰り広げられている次世代ディスプレイ。『CEATEC』会場ではラジコン機器のトップ企業としても知られる双葉電子工業ブースで発見。透明で薄いただのガラスに映像が浮かび上がる様はとてもSFチック。ただし、有機ELならではの反応速度の早さは感じられるものの、最大の問題と言われる光量不足は未だ解決できておらず、実用化はまだまだ先。フタバブースでは世界最薄、0.22mmの有機ELにタッチセンサーを組み込んだ、曲がる有機ELにも注目。

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小さすぎて何がなにやらな感じですが、こちらは世界最薄、最低消費電力を実現した日本電気硝子の液晶レンズ。液晶パネルに電圧を加えて分子構造を操作することで透過する光の屈折率を変化させ、非球面レンズ同様の光学特性を得ることができます。スマホやケータイに搭載されているカメラの場合、絞り機構は搭載していないため“ボケ”はソフト側で作り出しているわけですが、これなら本物のボケを作り出すことができるというわけです。いやまあ、ケータイでそこまで画質にこだわるか? というツッコミはあるでしょうけど。

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大手電機メーカーがこぞって4k2kテレビを売り出し中のところ、NHKはさらに次世代の8k4kスーパーハイビジョンを展示。正直なところ、画質については4k2kとの差はあまり実感できなかったのですが、これのすごいところは、同時に開発中の22.2chサラウンドシステム。モニターに映っている赤い点が音源で、これがグリグリ動くと、ヘッドホンから聴こえる音も周囲を動き回ります。これだけの音源を制御できるって、地味にスゴイ!

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