環境民俗学に「マイナー・サブシステンス」という概念があるそうだ。「小さな生業」「副次的生業」と訳されることが多いが、東京大学教授の鬼頭秀一さんは「遊び仕事」を当てはめる。信州の地言葉で、「遊び」と収入を得るための「生業」の中間的な「仕事」を表すのだという。
その定義が面白い。
「集団にとって最重要とされている生業活動の陰にありながら、それでもなお脈々と受け継がれてきている、副次的ですらないような経済的意味しか与えられていない生業」
「消滅したところで、その集団にとっても、当の生計を共にする単位世帯にとっても、たいした経済的影響をおよぼさないにもかかわらず、当事者たちの意外なほどの情熱によって継承されてきたもの(しかし、経済的意味が少しでもあることが重要)」
それで思い出すのが私のふるさと、宮崎県高千穂町でいまもさかんな日本ミツバチのハチミツ採り。愛好家は100人以上もいるが、それを「