Theiaさん のコメント
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鳩山由紀夫元首相のクリミア・モスクワ訪問に対する政府、与野党、マスコミ挙げてのバッシングは常軌を逸していた。「軽率」「迷惑」くらいならまだしも「国賊」「日本人ではない」「パスポートを取り上げろ」などの言葉までが飛び交い、行く先々で待ち構えたメディアが「どう責任をとるんですか!」とマイクを突き付け、自宅には連日、右翼の街宣車が押しかけるといった有様は、政府に対する一切の異論を許さない戦時下の統制社会の再来を思わせるおぞましいものである。 とはいえ、鳩山に同行した私や新右翼団体「一水会」の木村三浩代表、それに昨夏にクリミアを訪れて「ロシアの実効支配の下でクリミアは平穏」などと最近の週刊文春で2回続きのレポートを書いた池上彰などは、とくに名指しの攻撃に遭っているわけではない。やはり「元首相たるものが政府の方針に逆らう言動をするのはけしからん」というに尽きるのだろう。しかし、民主党政権の首相だった彼が自民党政権の言うとおりにしなければならないという法はないし、むしろ「元首相であって今は一民間人」であるからこそ膠着しきった日露の外交関係改善の糸口を政府とは別の角度から探るという役割もあって、それはまた1つの責任の果たし方なのではあるまいか。米大統領を辞めてからのカーターが、北朝鮮はじめ難しい国や地域を訪れて解きほぐし役を務めている例もある。総じて日本の外交は建前ばかりにしがみつく「一枚板」でしかなく、建前はそうでも一枚めくるとちゃんと裏パイプでの本音ベースの模索は続いていて、さらにもう一枚めくると最後の落とし所は密かに用意されているという具合に、どの国も二枚腰、三枚腰でやっているのが外交というものである。 とりわけウクライナ危機とクリミア問題をめぐっては、日本では、米欧の立場から見た「ロシアが悪い」一本槍の情報しか流れておらず、安倍晋三首相はせっかくプーチン大統領と親交を積み上げて北方領土問題を打開するチャンスを手にしておりながら、極めて安易かつ軽率に米欧の対露経済制裁に馳せ参じてしまい、身動きがとれなくなっている。西側の言い分はそうとして、ではロシア側はどういう言い分で、現地の実情はどうなのかを探りに元首相が出かけて行くというのは、まことに常識にかない国益に沿ったことだと思うのだが、それが通じないのがこの国だ。なお鳩山、木村、私ほかの共著 『ウクライナ危機の実相と日露関係』(花伝社) が今週発売されたので是非ご一読頂きたい。▲ (
日刊ゲンダイ3月19日付から転載 ) 【関連記事】 ■<インタビュー>鳩山由紀夫:クリミア訪問の真相─日露関係改善のための民間外交を(15.03.20) http://ch.nicovideo.jp/ch711/blomaga/ar754199 ■2.20 高野孟の時事談義2015「ウクライナ停戦合意」(会員無料・非会員216pt) http://www.nicovideo.jp/watch/1424217346
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Facebook:高野 孟
2008年9月に創設され、月間数百万ページビューを出してきた独立系メディア《THE JOURNAL》が「ニコニコ」で再出発!テキストと映像、音声を駆使した情報をお届けします。
元首相故に外交の冷え込みを打開する行動を取れる可能性があります。
ただ・・・今回の鳩山氏の行動はどうでしたか?
どう見ても外交の冷え込みも解決せず相手を利するだけでした。
そして更に問題なのは18世紀より続く「未開地」以外は侵攻すれど長期占領をしないという原則に挑戦する団体を日本が支援していると取られかねないことです。
これは場合によっては「日本は今の秩序を破壊しようとしている」と取られかねません。
だから問題なのです。
元首相がどこを訪れるかは自由です。
ただ・・・元首相ですから一定の政治的意味合いを持つことは避けられず、それを考慮した対応が必要なのです。
その考慮や配慮が抜けていたから今のような集中砲火に晒されるのです。
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