引き続き午後の部。
13時30分開廷。証人である水谷建設元会長の水谷功氏が法廷に入る。水谷元会長は大柄でスキンヘッド、黒に近いスーツにピンク色のネクタイという風貌。それにドスのきいた低い声で関西弁を話すので、見るからに親分の風格が漂っていてる。
まずは弁護人による尋問。
(──は弁護人、「」内は水谷元会長、※は筆者注)
── どのようなゼネコンに営業活動をしていたのですか
「だいたい日常の営業活動でどこが(工事の受注に)強いということがわかりますので、そこに営業することになります」
── 水谷建設が受注できる見込みはありましたか
「過去の実績がありましたので、受注をもらえると思っていました」
── スポンサーは誰が決めるのですか
「お客さん(ダムを受注したゼネコンのこと)が決めます」
※「スポンサー」とは、ゼネコンの下請け業者を取りまとめる幹事社のこと。後の証言でも出てくるが、水谷建設は胆沢ダムの工事でスポンサーになりることを目指していて、そのために小沢事務所に営業活動をしていた。
── スポンサーをとることは重要なことなのですか
「我々の中では、サブになることは難しくないです。交渉権のあるスポンサーが金額の設定をしますので、非常に責任感もあります。私ども下請け業界では雲泥の差があります」
── 具体例で言ってもらえますか
「いろいろとありますけど、メリットも多いということです」