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【第31回】政治家に訊く:河上満栄
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【第31回】政治家に訊く:河上満栄

2010-04-10 17:21
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    ───────【基本情報】───────

    名前:河上満栄(かわかみ・みつえ)
    政党:民主党
    選挙区:京都選挙区
    生年月日:1971年5月28日
    血液型:0型
    趣味:ワイン
    好きな食べ物:阿闍梨餅(あじゃりもち)
    お気に入りの店:オーガニックワイン専門店マヴィ(港区赤坂)
    ブログ:http://blog.goo.ne.jp/kawakamimitsue

    第31回目の「政治家に訊く」は今夏の参院選に京都選挙区から出馬する河上みつえ(かわかみ・みつえ)氏です。今回はルポライターの横田由美子(よこた・ゆみこ)さんとのインタビュー対談になります。


    ───────【質問事項】───────

    横田 客室乗務員だった河上さんが政治の世界を志したきっかけは?

    河上 客室乗務員の仕事に就いたのは1997年のことです。バブルの崩壊を経て日本経済が良くなる兆しがあったときでした。蝶よ花よで、「華の国際線」と言われていた時期でした。景気が悪くなり、お客様の笑顔が減りクレームが多くなりました。なぜ笑顔が減るのかと日々感じる部分がありました。お客様はおそらく飛行機の中だけでなく、日常生活の中で満足できない、不安なものを抱えているのではないかと思いました。その後、米国で「同時多発テロ」があり、SARS(サーズ)があり、お客様が減りました。私たちの待遇も変わっていきました。

     いくらお客様のためにして差し上げても、根本的な満足に伝わらない"何か"を感じました。私たちのサービスだけじゃないんだな、日々の生活に問題があるんだろうなと透けて感じる部分がありました。日々の暮らしで悪影響を及ぼしているものは何だろうと思ったときに、経済であり、政治じゃないかなと思いました。国のシステムが皆様のニーズに合ってないんだろうと漠然と思ったのが一番のきっかけです。

    横田 河上さんが民主党から立候補するまでの過程を教えて下さい

    河上 私の父親はサラリーマンで、祖父は茶畑農園を営んでおり、全く政治家の世界にご縁がありませんでした。政治家への志を持った頃、新聞でパッと見つけたのが「小沢一郎政治塾募集」の案内でした。日本のリーダーを育てる小沢先生の志で立ち上がった塾を見つけてしまいました。何をきっかけに政治の世界に入ったらいいかわからなかった時期です。

    横田 その記事を見てすぐ小沢塾に入ろうと決断したのですか?

    河上 応募するまでに2週間ほど時間がありました。小沢先生がどんな人だろう、テレビを見ていると威圧的で近づきがたそうでしたが、なんとなく「本物の人」だろうな、ちょっと知りたい人だなと思いました。そして小沢先生の著書をすべて買い、読みました。私が最も感銘を受けた本が『日本改造計画』でした。

    横田 出版されたときはセンセーショナルでしたね

    河上 あの本が私をかえました。私のバイブルになっており、困ったときにはあれを開いております。著書の中に、「自立した国民による自立した日本国家をつくることがミッション」という言葉があります。「これだ!」と思いました。日本の皆さんが悩みつつも手に入れられないものは自立なんじゃないかと思います。
     私はサービス業に就いていました。海外ではサービスはお金を払って対価を得るものというイメージです。ところが日本はサービスは奥ゆかしいというか、対価を伴うイメージがないように思います。それが甘えを生んでいるのではないかと思います。

    横田 サービスをしてもらって当たり前という感覚があるかもしれません

    河上 もちろん感謝の気持ちは大切ですが、依存しすぎない、望みすぎない、まずは自立した確固とした自分がいることが重要です。それがあって初めて相手と対等にコミュニケーションできるのだと思います。小沢先生の言葉に触れ、まさに現代とされていることなんじゃないか、この人はすごい人だ、この人についていこうと思いました。一生懸命履歴書と志望所を書いて、応募させていただきました。

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    横田 実際に小沢幹事長に会ってどう思われましたか?

    河上 まず、職業人として政治家を40年以上続けているだけに私たちの目に見えないパワーがおありになると思いました。2つ目は女性にすごくやさしいということです。横田さんは直接お会いになられたことはありますか?

    横田 残念なことに会ったことはありません

    河上 ぜひお話しになってみてください。ものすごく優しいです。男性にはわりと厳しいのかもしれませんが、女性に対しては本当に優しいです。

    横田 小沢一郎政治塾ではどのようなことを勉強するのでしょうか?

    河上 小沢先生の講演がメインイベントで、「日本を背負って立つリーダーとは」という政治ポリシーを直に聞くことが醍醐味です。各界から著名な先生方の講演もあります。
     小沢一郎政治塾出身の国会議員が増えました。現在は10人を数えることになりました。

    横田 そのうち女性の数は何人いるのでしょうか?

    河上 私の同期で新しく当選させていただきましたのが、相原史乃(あいはら・しの)先生、小林正枝(こばやし・まさえ)先生と私ということで3名です。政権交代と共に女性の政治家も増えさせていただいているんだと感じています。

    横田 政治塾では1期あたり何名が所属しているのですか?

    河上 毎年30名前後入塾します。その中でだいたい3名から5名が女性です。私の同期は3名でした。政治塾と名のつく塾なので女性にとって敷居が高いのかもしれません。

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    横田 しかし女性の政治に対する意識は変わってきたように思います

    河上 ありがとうございます。政権交代してから私は塾の運営委員をさせていただいております。今年は女性がすごく増えました。一番センセーショナルな出来事は、女子大生が希望してきたことです。若い女性がいることは未来につながることだと思います。

    横田 女子大生の志望動機はどういうものですか?

    河上 政治というものがよくわからず、今までは縁が遠いものだったようです。政権交代以降、民主党議員が頑張っている姿を見て政治が身近に感じ、私にも出来るんじゃないかと思ったと言われました。

    横田 塾の勉強期間はどのくらいでしょうか?

    河上 在籍期間は2年間で1年間に2回集中講座があります。その期間は学生だけでなく社会人も休んでカンヅメ状態になります。

    横田 今回参院選に出馬に至った経緯を教えていただけますか?

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    河上 昨年の選挙から小沢幹事長は、参院選挙には必ず政権与党として複数区に複数候補を擁立するという方針を立てていました。それにむけて全国12ある複数選挙区では複数候補者の擁立が進んでおりました。
     私は生まれも育ちも京都で、昨年12月末に京都府連に入れていただき、京都府連の中で活動しておりました。京都選挙区で2人目を擁立をすれば、現職を含んで共倒れになってしまうのではないかという意見がありました。
     京都府連で候補者の選定が進まない中で、小沢先生が私に白羽の矢を立てて下さりました。私自身は光栄に思っています。私は昨夏の総選挙において単独比例候補として当選させていただきました。民主党に対するご支持を多く賜ったおかげで一議席を頂戴いたしました。その一議席の中で一生懸命活動させていただいており、期待にこたえたいと思っています。旧態依然とした今までの政治に戻してはいけないという責務を感じています。
     今回小沢幹事長から白羽の矢を立てていただき、党のためにお役に立つことが、ひいては昨年度の選挙においてご支持いただきました国民のみなさまのお役に立てるんだというふうに確信しています。まさに清水の舞台から飛び降りるかのごとくの決断をさせていただきました。

    横田 黙っていれば3年は安泰でしたが、今回の出馬について不安はありませんでしたか?

    河上 不安というより、残念という気持ちが強かったです。農林水産委員会と、消費者特別委員会に入っています。農林水産員会は激論の繰り返しで、旧体制、官僚と一生懸命格闘しています。食の安全を守ることは国民の命を守るということで、本当に素晴らしいお仕事をさせてもらっていると感激しています。そのお仕事が続けられないのが一番かなしいです。ただ、当選したら必ず農林水産に戻り、国民の皆さまの食を守るために頑張っていきたいというのが今の一番の動機です。

    横田 河上さんは取材をうけるのが今回で初めてと伺っています。理由はあるのでしょうか?

    河上 私は政治家のお仕事は裏方の仕事と思います。

    >>つづきは、NewsSpiral「河上みつえが参院選に向けた心境を語る」

    横田 私は新人さんの生の声を聞きたいと思っています

    河上 私は政権交代のまっただ中で仕事をさせていただいております。政権交代というと漠然としていますが、政治家の世代交代が一番の意味だったと感じます。国会の中で元気があって、核心を突いているのは、国民の意見とずれが少ない1期生ではないかと思います。

    横田 参院選をどのようにたたかっていきますか、戦略があれば教えてください

    河上 選挙は民主主義の基本で、国民が石を投じる唯一の機会だと思います。普段国会にいると国会議員との議論には参加できますが、直に国民の皆さんと接して声を聞く物理的な機会が少なくなります。選挙は国民のみなさまの声を100%吸い上げて、私を使ってくださいとアピールする機会です。全身で皆様の声を受け止めたいと思います。
     戦略はとにかく愚直に頑張るだけです。北は日本海に面し、南は奈良や滋賀県に接しているのが京都選挙区です。京都中ぐるぐるなんべんでもまわって、スニーカーの紐がすり切れるぐらいに頑張ります。

    横田 京都選挙区は現職の方も出馬されますが、現職の方との差はどこにありますか?

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    河上 福山先生は大ベテランで、政策通で、外務副大臣として世界中を回っておられる方です。同じふるさと出身として、2議席ともに必ず勝ち抜かないといけませn。先生に続け!と2議席とる気持ちでやっていきたいと思います。
     私が福山先生とたたかえるんじゃないかと思う力は、"共感力"だと思います。皆さんの気持ちに共感差し上げて、お声を聞いてともに喜怒哀楽を共感することです。

    横田 私は「なぜ日本では女性首相が誕生しないのか」という視点で取材をしてまいりましたが、河上さんは女性首相についてどう思われますか?

    河上 まず1つに政治の仕組みがあります。旧政権下では、派閥政治が広がってました。自民党政権で女性議員がたくさんおりましたが、派閥の長になった女性はおりませんでした。政治の仕組み自体が「派閥の長たる人物が国家の長である」という流れの中にあったことが原因になっています。
     2つ目はメンタル面です。日本人が今まで何を女性に求めていたかを考えてみると、やはり「良妻賢母」ではないかと思います。お母さんであり、子育てをする人を求め、社会で活躍する女性は認めてもらえなかった歴史があり、また働きたいと声を上げなかったことも事実です。結婚して子供を産み、出産後も仕事を続ける環境が今までありませんでした。女性の活躍が出産後落ち、継続就業が難しい状況です。女性だけに子育てを任せるのでなく、社会全体で子どもを育てる意識を国民が持ち、女性がもっと社会進出して働きたいという声を上げればと思います。
     私は政治こそ女性にぴったりな職業と感じます。長く続けられ、子育てしながらできます。

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    横田 確かに女性国会議員でお子様がいらっしゃる方は多いですね

    河上 本当に多くて私もびっくりしています。私は残念ながら子どもがおりませんが、子供を産んで年老いて、命をつなぐというのが人間の生き物たるところだと思います。その点を一番肌身をもって感じている女性こそが政治家にふさわしいと思います。やはり政治の場において女性の比率が低い...

    横田 そうでなんです。国会議員における女性の割合が世界の中でも少ないのです

    河上 スウェーデンやドイツは比率が対等なところまできていると伺っております。国会議事堂の中を見ても、まわりは男性ばかりです。女性がもっと政治に参加してもらえるようになればと思います。そのためにも私たちは頑張っていきます。

    横田 将来的に女性が政治進出する可能性が生まれていると言えますか?

    河上 国の枠組みが大きく変わりつつあります。今まさに大地震が起こって地球が2つに割れるかと思える程の転換期にさしかかっています。私たちはそれを悲劇ととらえるのでなく、ゼロから芽吹いていくんだと考えれば、すごく楽しくなってくると思います。
     昨晩『三丁目の夕日』をちらっとテレビで見ました。私は昭和の時代を過ごしましたが、一生懸命でひたむきで、歯を食いしばって生きていました。この時代に問われているのは、またあの時代と同じような一生懸命さと愚直なまでのまっすぐな気持ちがわれわれに求められていると思います。額に汗して働くことをもう一度大切にしたいと思います。そしてお互いたたえ合える絆を持たないといけません。笑顔でたたえ合える社会を築きたいと考えております。

     

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