おっ土星 ◆YQw9AlySwkさん のコメント
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このごろ永田町の安保通や軍事専門家の間で話題になっているのが、米ペンタゴンに直結するシンクタンク「ランド研究所」の最新レポート「米中軍事スコアカード」である。台湾海峡と南沙諸島で米中が戦争することを想定して、そのそれぞれの場合に、米中双方の敵基地攻撃、制空権確保、対艦攻撃、宇宙戦、サイバー戦、核兵器などの能力のバランスが96年以降どのように変化してきて、17年にはどうなりそうかを10項目に分けてスコア化して予測したもので、400ページ近い報告書の結論を簡単にまとめれば、中国軍のめざましい近代化によって米軍との力の差は縮まりつつあり、このままでは「米国のアジアにおける支配圏は次第に縮小していくだろう」と言うのである。 17年段階で台湾危機が起きた場合、敵基地攻撃力と対艦攻撃力では中国が優勢、制空権確保や空中戦、宇宙戦などでもほぼ拮抗。南沙危機のケースでも敵基地攻撃、対艦攻撃、宇宙戦などで米中が拮抗する。現代の局地戦では航空優勢の確保が致命的だが、その点で中国が対等もしくは優勢になるのは、ミサイルの能力・精度と数量のめざましい向上のためで、とりわけ射程800〜1000キロのDF16と同2500キロのDH21Cという最新の中距離ミサイルが17年までに合わせて最大で274基、また巡航ミサイルDH10などが最大で1250基、実戦配備されると、中国は緒戦において前者で沖縄・嘉手納基地を(および岩国、三沢、韓国の群山、烏山も?)、後者でグアム・アンダーセン基地を、一斉砲撃するに決まっている。 嘉手納の場合、もちろん中国のミサイルの精度、発射の数とそれが米軍の防空網をくぐって着弾する到達率、米軍の修復能力などによって大きな違いがあるのだが、2本の滑走路に2カ所ずつ大穴を空けられると、最悪で43日間、基地機能は失われる。同時にアンダーセンもやられているから、米軍は戦闘機も偵察機も給油機も飛ばすことができない。従って「中国に近い固定した基地は防衛することはできなくなるだろう」と報告書は率直に述べている。 中国のミサイル能力の増強で沖縄の米軍基地はかえって危険だとは、ジョゼフ・ナイ元米国務次官補もしばしば指摘していることだ。だったら、米軍の安全のためにも、早く出て行ってもらったほうがいい。それでは沖縄が無防備になる? 米軍基地を撃つ以外に中国が沖縄にミサイルを向ける理由などありはしない。もし自衛隊が集団的自衛権で台湾や南沙の戦争に出て行くつもりなら、自衛隊基地も一緒に撃たれるかもしれないが……。▲(日刊ゲンダイ10月8日付から転載) 【お知らせ】 高野孟が30年以上に書き綴ってきた同時代ドキュメント「INSIDER」は、まぐまぐのメールマガジン「高野孟のTHE JOURNAL」(毎週月曜日配信・月額864円/当月無料・税込)で配信中! 購読申し込みはコチラ→ http://www.mag2.com/m/0001353170.html <高野孟(たかの・はじめ)プロフィール> 1944 年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレ ター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェ ブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊。2002年に早稲田大学客員教授に就任。05年にイ ンターネットニュースサイト《ざ・こもんず》を開設。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。
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2008年9月に創設され、月間数百万ページビューを出してきた独立系メディア《THE JOURNAL》が「ニコニコ」で再出発!テキストと映像、音声を駆使した情報をお届けします。
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