2月14日に「天」と「泥棒猫」と名づけられた2作のシングルを同時リリースしたダウト。2作それぞれに違ったテーマを設けたうえでテイストの異なる良質な6曲を揃えたのはさすがだし、今回のシングルとリンクさせた形態のツアーを行なうことも注目といえる。この一連の動きからダウトの意識の高さやバンドとしてのポテンシャルの高さをあらためて実感するリスナーは多いに違いない。ダウトの幸樹(vo)とひヵる(g)、直人(ds)が新作について語ってくれたロング・インタビューを3回に亘ってお届けする。
Interview:村上孝之
――続いて、「天」のカップリング曲の「バーサス」と「1SLDK」について話しましょう。
幸樹:「バーサス」は、デモがあがってきた段階では「天」とどっちをリード曲にしようかという話になっていたんです。それで、両方フル尺を作って、「天」でいこうということになりました。それくらい「バーサス」も最初の段階から完成度が高かったし、この曲はもうライヴで演奏しています。歌詞は“自分の限界を超えろ”ということを歌っていて、聴感上では“暮れる日も”とか“彷徨う日も”と聴こえるけど、実は“暮れる火も”とか“彷徨う火も”という歌詞になっているセクションがあるんです。“自分に灯る火を糧にして”ということを歌っていて、僕はそういうふうに聴感上と実際の言葉が違っているというのが結構好きなんです。