メタルに通じるラウド&テクニカルなテイストとエモさを巧みに融合させた良質な音楽性やイマジネーション豊かな歌詞、瀟洒なヴィジュアル、そしてバンドの世界観をそのまま具現化するライヴアクトなどにより、大きな注目を集めているゼラ。始動(2020年2月)と同時にコロナ禍が起こってしまい活動を大きく制限されたにも拘わらず、短期間で頭角を現したことからは彼らのポテンシャルの高さがうかがえる。まだまだミステリアスな部分も多いゼラの本質に迫るべくメンバー全員に集まってもらったインタビューを、2回に亘ってお届けする。
Interview:村上孝之
――「Octavius」は一作を通して“オクタビウス号(有名な幽霊船)”をモチーフにした、コンセプチャルな作品になっていることも見逃せません。
氷翠:「Octavius」のコンセプトは、最初は“海”というところから始まって、海から“海賊”みたいなところに行ったんです。僕はどの作品もなにかしらの映画を題材にしていて、今回は『パイレーツ・オブ・カリビアン』みたいな世界観をイメージしていたんですね。でも、それは止めまして。『パイレーツ・オブ・カリビアン』の世界観は衣裳だったり、ヴィジュアル面で採り入れつつ幽霊船をモチーフにした物語を書いていこうという気持ちになった。それで、オクタビウス号の話に尾ひれをつけて物語をひとつ作って、それに基づいて「Octavius」と「The Ship Of Ice」「レミング」の歌詞を書きました。