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Vijuttoke24年10月号「向日 葵 (彩冷える / 168)」インタビュー
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Vijuttoke24年10月号「向日 葵 (彩冷える / 168)」インタビュー

2024-10-25 18:00

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    向日 葵 (彩冷える / 168) X


    ――ソロ・アーティストとしての新曲「星屑マスカレイド」は、10月23日に発売されるドラマCD『芝居するンゴ!~夢の2.5次元舞台~』の主題歌です。

    葵:ドラマCDの主題歌をやらないかという話は、昔からの知人のオーガナイザーの方からいただきました。東京ボイストレーニングスクールさんのドラマCDの主題歌は昨年がアンティック-珈琲店-で、その前がRickyさんだったんですけど、先輩もいますが、みんな仲間であり戦友なんですよ。僕は元々声優の事務所に2年間所属していたことがありまして、そこも含めた流れで、今回僕が選出されたんじゃないかなと思います。


    ――葵さんは声優をされた経験がありますので、適役といえますね。主題歌を作るにあたって、ドラマCDの制作サイドから曲調や歌詞などについて要望はありましたか?

    葵:それが、なにもなかったんです。なにかしらの主題歌だったり、映画の挿入歌だったりを作る……要は、作品の世界観に寄り添った楽曲を作るという経験はこれまでにもありましたが、そういう時は制作サイドから要望が出たりしたので、やりやすかったんです。今回は「自由に」と書いてあったので、ちょっと悩みましたね。歌詞は『芝居するンゴ!~夢の2.5次元舞台~』の台本を読ませていただいたら、芝居というものに関わる人達のいろいろな人間模様を描いた作品だったんですね。なので、自分がこれまで経験したものと照らし合わせたりして書いていこうかなと思って、そこから入っていきました。


    ――“お題無し”でタイアップ曲を書くのは難しいという話はよく聞きます。「星屑マスカレイド」はダンスが香る華やかかつキャッチーな楽曲とクリスマスを舞台にした歌詞のマッチングが印象的です。

    葵:楽曲に関しては台本が上がってくる前に作曲家さんとどういうものを作ろうかという話をした時に、僕は歌謡曲とかが好きなので、そういうメロディーラインは大事にしたいということが第1条件としてありました。あとは、僕は彩冷えると並行して168としても活動していて、両方に通じる感覚は残しつつちょっと冒険してみたいなと思って、それを全部作家さんに伝えたところ出てきたのが、この曲です。イメージとしては、夏曲だったんですよ。でき上ったのが夏だったし、歌詞に取りかかったのも夏だったけど、リリースが10月下旬だと聞いて、“えっ?”と思って(笑)。そこでも、すごく悩みましたね。季節感を無視して夏の歌詞にしても良かったけど、それだとありきたりなものなってしまうというのもあったし。それで、冬のものをあてはめてみたら面白いかなと思って、敢えてあてはめるなら1番象徴的なものがいいだろうということで、クリスマスを描いた歌詞にしました。


    ――楽曲のイメージに捉われることなくクリスマスの曲にして、さらに違和感なく聴かせる辺り、センスの良さを感じます。歌詞は、クリスマスの華やかさとその裏にあるせつなさがない混ぜになっている心情を女性目線で描いたものになっていますね。

    葵:演技の世界とそれに関わる人間模様を描いたドラマCDということを聞いた時に、僕自身もそうですが、みんな夢を追っている途中なんだろうなと思って。それで、僕が歌を志した時はどんな感覚だったかなと考えた時に先駆者というか、周りに歌っている人が沢山いて、そういう人達と自分を比較してしまうんですよね。比較すると、大体僕はネガティブな方にいってしまうんです。“俺はダメだ”と思ってしまう。


    ――そうなんですか?

    葵:ええ。でも、そういう人は結構多いと思うんですよ。あの人みたいにはなれない…というところで夢を諦めてしまったり、手放してしまう人は多いと思っていて、そういう人に向けたメッセージを送りたいなと思ったんです。自分の可能性は自分にしか分からないし、僕は恥ずかしがったり、ためらったりするのはもったいないなといつからか思うようになったので、“恥ずかしがったり、ためらっていても何も起こらない。誰もあなたのことは気にしていないよ”ということを書くことにしました。僕はライブでもよく言うんですけど、お客さんの中には恥ずかしくてジッとしているという人もいるじゃないですか。そういう人に向けて、「誰も、お前のことなんか見ていない」と言うんです。「俺だけ見ているよ」と。そういったことを踏まえて、尻込みしてしまう女の子を主人公のキャラクターとして想定して、その子を華やかなクリスマスという場に置いて、“浮かれたいけど、恥ずかしい”と思っておとなしくしているのはもったいないということを書きました。


    ――リスナーの背中を温かく押す、魅力的な1曲に仕上がっています。そして、葵さんは『芝居するンゴ!~夢の2.5次元舞台~』に声優として出演もされているんですよね。

    葵:声優として出演することについては、「どうしたいですか?」という話を最初にいただきまして。やりたいという気持ちはあったけど、生半可なことではダメだと思ったんです。メインどころの役でも構わないということだったけど、自分のスケジュールとの兼ね合いで、音楽も声優もすごく中途半端な感じになってしまいそうだなと思って。それに、僕が出演することで、出れなくなってしまう人が必ず1人いるわけじゃないですか。その人の可能性を1個潰すことになる。だったら、いてもいなくても良いようなところに声として参加できるくらいのテンション感なら良いのかなと思って、そういう話をさせてもらいました。


    ――出られなくなってしまう人のことまで考えが及ぶというのは素敵なことです。そうすると、どんな役で出演されたのでしょう?

    葵:脚本家という役で出ています。“脚本家A”みたいな。ちゃんと名前はついていますが、出番は本当にちょっとだけです。


    ――とはいえ、真摯に取り組んだんですね。良い機会ですので、役者仕事もされるようになった時期や経緯なども、あらためて話していただけますか。

    葵:彩冷えるというバンドをやっていてメジャーデビューした後に、ちょっといろんなことがあって活動休止になって、僕はソロワークだけをするようになるんですね。それで、事務所を何ヵ所か転々としていく中でちょっとした出会いがあって、声優事務所に入ったんです。声優がやりたかったわけではなくて、そこでも音楽活動をしていくつもりでした。その事務所は、歌手もいたので。だけど、声優に特化している事務所さんなので、マネージャーとかと話して、せっかくだから演技の勉強もして可能性をいろいろ試してみないかということになりまして。それで、週に1回演技のレッスンを受けたりするようになるんです。最初はめちゃくちゃツラかったです。僕はメジャーデビューして、若干メディアとかにも出たりして、ちょっとだけ天狗になっていたと思うんですよ。ちょっと音楽でがんばれているぞと。そういう中で、全くゼロからのところに入っていって、本当にツラかった。ただ、ツラいということはきっと学べるんだろうなと思って、演技とか、ダンスとかとも向き合っていました。


    ――その努力が実って、声優をされたり、映画に出演されたりするようになったんですね。では、役者業には、どんな印象を持たれていますか?

    葵:ミュージカルとか、音ありきの演技の方が、たぶん得意なんですよ。でも、当時やらせていただいたのはそういうものではなかったので、やっぱり苦手かもと最終的に思いました。ただ、ステージングが変わりましたね。小さく歌っていたのが、指先まで使って表現できるようにはなったかなと。“この動作1つにも意味があるんだよ”ということを学べたのは良い経験だったかなと思います。


    ――演技を学ぶことで得られたものが音楽に活かされる辺り、本質的にミュージシャンだということが分かります。続いて、ライブ活動について話しましょう。ここ最近ライブを行うにあたって大事にされていることは?

    葵:年齢を重ねてきて身体の変化……喉も含めてですが、やはり人間なので、老いてはいくと思うんですよ。老いていくことで味が出る部分もあるのは知っていますが、あの時これができたのに今はできないというのが嫌なんです。たとえば、高い声が出なくなったからキーを下げるというようなやり方もあると思うけど、僕はそれはしたくない。できなくなったら、やめようと思っています。なので、今年の春から身体作りのために、ジムに通うようになりました。それに、今は自主で活動していて、僕は全部自分でやりたいんです。ライブの日程決めとか会場の選定と予約、車の運転とか、もう全部を自分でやりたい。制作がやる仕事も僕がやって、全部が目に見える状態にしておきたいんです。


    ――それは、すごく大変なことではないですか?

    葵:めっちゃ大変です。朝1番に車を出して、メンバーを乗せて、自分で運転して、会場に着いたら自分で荷物を降ろして、スタッフに今日の流れを説明して…という。自分はなにをしているんだとたまに思うし、そうしているとボーカリストでいる時間がすごく減るんですよ。それで崩れないように、自分を高めるためにジムに行ったり、“シュッ”と入れるようなスイッチングができるようにすることを最近は心がけています。


    ――運営を手掛けると裏方さんっぽさが出てしまう場合もあるような気がしますが、そういうことが全くないのはさすがです。今年の葵さんのライブ活動を振り返ると、168で春、夏と9月に三度東名阪ツアーを行いました。

    葵:今年の夏のツアーはRuiza(g/D)さんに入ってもらいました。Ruizaさんは前から知っていて、Dが活動休止になったのでお願いしました。僕は人見知りでしかも、Ruizaさんは先輩なので、距離を取ろうとしてしまうんですよ。そうじゃなくて距離をいかに詰められるかということが、僕の中ではコンセプトのツアーでした(笑)。168は特にギターが変わることが多くて、ギター・ソロとかはもう自由にやってくださいと伝えるんですね。Ruizaさんは素晴らしいソロを弾いてくれて、それがすごく良かったし、ライブを楽しんでくれていて、また良い仲間が増えたなと思います。9月のツアーはギターがsebastian(Neu:NOIZ,Bull zeichen88)さんで、Ruizaさんとは全くタイプが違っていて、僕はどっちも好きです。Sebastianさんは今Neu:NOIZという新しいバンドをやっていて、そっちの刺激も感じている印象があって、それがすごく良かったですね。あと、9月のツアーはドラムがHEROのyusuke君が担当してくれました。前回はアンティック-珈琲店-の輝喜君が叩いてくれていたんですけど、今回はyusuke君がドラムということで、また違ったグルーブになって、それも楽しかったです。


    ――ギター、ドラムに限らず、168はNAOKI(b/FANTASISTA,ex.Kagrra,)さんやIPPEI(mani/絶対的メメント,femt,ex.FEEL)さんなど、錚々たるメンバーが揃っていることも注目です。そして、10月27日に<168 HALLOWEEN 2024『THE GOTHIC』>と銘打ったライブを、渋谷REXで行う予定です。

    葵:10月27日のライブは“168だけど、168じゃない”と言っています。ハロウィーンなので、普段やらない僕達をやりますと。なにをやろうかという話をした時に、たとえば白塗りとかどうだろうという案が出たんですよ。Ruizaさんに「白塗りとかやってくださいよ」と言ったら、「いいよ」と言ったんです(笑)。なので、「じゃあ、Ruizaさんは白塗りで」みたいな(笑)。168ではそれぞれのメンバーのファンの方に、ここでしか見れないものを見せたいんです。Ruizaさんの白塗りなんて絶対にここでしか見れないと思っていて、そういうこともやりたいし、他のメンバーも面白いと共感してくれたことは率先してやってくれる人達なんですよ。そこを活かしてちょっと作り込んだハロウィーンをやろうかなと思っているので、楽しみにしていてほしいです。

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    10月21日(月)18:00 DEZERT
    10月22日(火)18:00 Ricky.A.P
    10月24日(木)18:00 Stella☆Mania / masqueradedejavu / NiEL / ダレ
    10月25日(金)18:00 向日 葵(彩冷える / 168)
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