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2012年6月29日に完全体となり、進化の道を走り続けているMoranが、バンドとして初となるフル・アルバム『jen:ga』をリリースした。同作品に詰め込んだ魅力を、5人の言葉を通し、じっくり紐解いていただきたい。Moranは現在、5月2日の渋谷O-EASTまで続く全国イベント・ツアー「君と這いずる薔薇色の地の底」を実施中。その後は、待望の全国ワンマン・ツアー「Tower of Jenga」もスタートする。彼らが近くに来たときは、ぜひ足を運んでください。
撮影:菅沼剛弘 / インタビュー:長澤智典(サポート:斎藤碧)
Photographs by Takehiro Suganuma / Interview by Tomonori Nagasawa(support:Midori Saito)
[2013年4月掲載]
いろんな困難を乗り越えたうえで迎えられるアニバーサリー・ライブというのは、毎年とても想いの深いものがありました。
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――1stフル・アルバム『jen:ga』を2月20日にリリース。3月9日には、新宿BLAZEを舞台に『Moran Anniversary Oneman Live「この世の果て」』を実施しました。やはりバンドにとってアニバーサリー・ライブというのは大切なものなのでしょうね。
Hitomi 今回は、結成5周年を記念したアニバーサリーのワンマン・ライブになりました。アニバーサリー・ライブは、確かに大切なものですよね。ここまで歩んできた道のりを祝して毎年行う行事というか、うちのバンドは、ここへ至るまでにも本当にいろんなことがあって、1年1年新しく迎えるたびに、記念の日にステージに立てることへすごく感傷深い想いを感じ続けてきた。だからこそ、毎年毎年ファンの人たちと一緒に記念のライブを迎えられることがすごく嬉しいんです。
Soan Moranが誕生したときから居るメンバーは、Hitomiと自分の2人しかいない。Siznaは2010年の8月に、viviとIvyは2012年6月末に加入と、Moranには後から参加。彼らが入る前には活動休止を余儀なくされた時期もあったように、いろんな困難を乗り越えたうえで迎えられるアニバーサリー・ライブというのは、毎年とても想いの深いものがあったのは事実。
今回の『Moran Anniversary Oneman Live「この世の果て」』は、「今のMoran」の、そして、「これからのMoran」にとっての第一歩というべき道標となるライブに出来たなと思ってる。もちろん、過去を振り返ったときには「ここまで来たな」という想いも、もちろんあったけど。何よりも、「今の5人のMoranとしてのステージを魅せることができた」と素直にそう思えますからね。
――あのときのライブでは、「今のMoranの姿を届ける」ことが何よりも大切なことだったわけですね。
Soan そう。この5人での第一歩となる最高のステージにしていくことが何よりも大切だった。特にviviとIvyが入ってからは、今回のアニバーサリー・ワンマンが(新生Moranとしての)一番大きなワンマンになったんで。
Sizna 僕も加入後に、イベントとしてアニバーサリー・ライブは体験しているんですけど。アニバーサリー・ワンマンという形では、僕が加入して以降まだ一度も演ってなくて。でも今回、現在の5人体制という"Moranとしての完全体"になれた姿でバンドとしてのアニバーサリー・ワンマンを迎えられたことが、すごく嬉しかったんです。
Hitomi アニバーサリー・ワンマンと銘打って演ったのは、結成1周年のときにO-WESTで演ったのみだもんね。そう考えたら、さらに感慨深い想いは感じてしまいますよね。
――新加入の2人は、どんな気持ちでアニバーサリー・ワンマンを迎えました?!
vivi 加入してまだ1年も経ってないわけですけど、Moran加入の決意を決めたときの気持ちも強ければ、この数ヶ月強の中でも経験することが本当に多かった。しかも、メンバーやお客さんたちに支えられながらここまで進んで来れてるように、自分にとっても新たな第一歩をアニバーサリー・ワンマンで迎えて、ここからもっともっとMoranとして、Moranのメンバーviviとしてもさらに飛躍していきたいという気持ちになれたし、それを感じることの出来たライブになったという気持ちが今は強いです。
Ivy こうやってメンバーみんなの気持ちを聴いてると、「失敗できないワンマンだったんだなぁ」と思いました。もちろん、失敗はしてませんけど(笑)。
Hitomi そんなの当たり前だよ(笑)。
完全体になったことでMoranのステージングも変わったと思います。
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vivi そうですね。すごく勇気が必要だったというか、入るための覚悟はすごく大きかったです。
Hitomi 世間一般が捉えるMoranのイメージってありますよね。それを2人にはブッ壊してもらいたいくらいの期待があったんで。誘いをかけたときにも、2人には「Moranの世界観に合わせるという感覚ではなく、Moranに新しいカラーを持ち込む気持ちで参加して欲しい」と伝えました。
――この2人をメンバーへ選んだ理由にも、そこがあるわけだ。
Hitomi そこにありました。きっとファンの人たちの中にも「Moranっぽいのはこういう人だ」というイメージがあったと思うんですよ。でも僕らは、そういう人じゃなく、新しいカラーをMoranに持ち込んでくれる人と一緒に演りたかった。一緒に演ることで生まれる新しい化学反応を通して、また新しい色のMoranを作っていける仲間と一緒にやりたくて、この2人を選びました。
バンドって、自分たちの中から出てこない発想を持ってる人と一緒に演らなければ成長していけないじゃないですか。「自分たちにない発想、自分たちにない個性や魅力、自分たちに出せない音楽性を持ってる人が入ってくれてこそ、初めて新しい魅力を持ってバンドが開花していく」。そう思ってたことが大きかったんで。
――既存のメンバー3人で十分完結していく音楽性だったら、無理にメンバーを加えることなく、それまでのようサポートの人を迎えて演ってればいいことになりますもんね。
Hitomi そうなんですよ。なので、2人には遠慮なくMoranへ自分のカラーをどんどん持ち込んでもらいたい。
Ivy そうは言うんですけど、そこをこじ開ける扉が、また分厚くて(笑)。今のMoranの姿って、いろんな積み重ねがあったうえで出来上がっているもので、こじ開けようにも、すごく固い扉にもなっているんですよ。だから僕も、最初に誘われたときには、「その扉を開ける隙間ってあるのかな?!」と少し恐縮していたんです。
――確かに強固な世界観を持ったバンドだけに、そこへ新しい色を注入していくのは、口で言うほど簡単なことではないもんなぁ。
Ivy そこは、今でも探している状態なんです。Moranに加入して半年以上経ったこともあって、Moranの中での自分のキャラクター的なものはだんだん見えてきたんですけど。これまでの活動を通して、うちら2人が新たに加入したことでMoranが変わったかどうかは、正直、客観視しないとまだわからないこと。
vivi 俺の中でも、ライブやレコーディングの経験を重ねるごとに、自分への課題が見つかっているのが今の状態。もちろん、これからもっともっとMoranは良くなるし、この5人のMoranで良かったとなっていける自信も持ってはいるんですけど…。
Ivy 僕らが入ってMoranって変わりました??その辺、実際どうなんですか??
Soan 2人が加入したばかりの頃は、ファンたちの中から「なんでこの2人なんですか?!」と反発する声もやっぱあったし。最初は、なかなかMoranの音に馴染まない2人の姿に、ファンの人たちも違和感を覚えてたみたいなんだけど。じゃあ今でもその声があるか?!と言ったら、そんな声はまったくない。それって、いい意味で新しい風を2人がMoranの中へ吹き込んでくれた成果であり、新たに馴染んだ感じが、今はしっかり伝わってるからなんだろうなぁというのは、自分の中でも実感していること。
さらに言うと、自分のステージに居る立ち位置から観て下手側には、これまでサポート・メンバーがいたわけだけど、そこに正式なメンバー2人が居て、下手側のステージを支えてもらってるということで、すごく安心してステージ向かっていけてると3人は感じてる。完全体になったことでMoranのステージングも変わったと思うよ。
Sizna 5人になったことでステージ上での新しい見せ方も考えられるようになったので。
Soan そこは大きいね。
Sizna 今までは、下手側がサポート・メンバーだったこともあって、どうしても二等辺三角形な状態でステージへ望むことが多かったし、パフォーマンス面で何かやろうと思っても、なかなか難しい状態があった。でも今は、5人の完全体になったことから扇形の綺麗なバランスを作れたことで、楽曲に合わせたパフォーマンスの幅も、自由度も広がった。何よりもツイン・ギターになったことがすごく大きくて、結果、楽曲の振れ幅面でも大きく左右に振れるようになったりなど楽曲面にも変化が現れてきているように、バンド内面的な部分での大きな変化や成長は、今の5人体制になってすごく感じてますね。
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