論評

先週流出した、ウクライナとロシアの和平に関する28項目からなる合意案の詳細と、その後ホワイトハウスが今週示した最新の更新内容から、ドナルド・トランプ大統領がこの戦争の現状をどう捉えているかが見えてくる。

最新の交渉努力の開始が10月末だったことを踏まえると、その背景には前線の複数箇所でウクライナ軍の防衛力が弱体化し、ロシアによる領土奪取が加速している現状があるとみられる。

トランプ政権が、グレアム上院議員とブルーメンソール上院議員によるロシアに対する制裁法案を急がず、まず和平交渉を優先しているという事実は、トランプ大統領が「追加制裁を科してもすぐに戦況は変わらない」と見ていることを示唆している。

特に、制裁を強化すればインドのような重要なパートナーとの関係が悪化しかねず、むしろ外交面での損失が生じる可能性があることから、短期的な効果は期待しにくいと判断しているとみられる。

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