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小飼弾の論弾 #86 「仕事をしてない日本のサイバーセキュリティ当局と、儲からないPCビジネス」
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小飼弾の論弾 #86 「仕事をしてない日本のサイバーセキュリティ当局と、儲からないPCビジネス」

2018-10-12 07:00

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    2018年6月19日(火)配信の「小飼弾の論弾」の前半をお届けします。

    次回のニコ生配信は、2018年10月23日(火)20:00からの「小飼弾の論弾」です。

    お楽しみに!

    2018/06/19配信のハイライト(その1)

    • オリンピックと地震と本棚
    • Coinhiveと日本の曖昧な警察
    • App Storeの中ではAppleが神
    • 小学生向けパソコンと超絶儲からないPCビジネス
    • 今ごろ大学入試科目として数学を追加?

    オリンピックと地震と本棚

    山路:今知ったんですけど、今日は8時45分からサッカーワールドカップの日本戦があるという(笑)。

    小飼:すごい裏番組だな。

    山路:すごい裏番組、まあ私達のほうが裏番組なんですけどもね(笑)。
     これは私達も負けられない戦いになってきましたね。

    小飼:何とどう戦えと?

    山路:アイスランドは、アイスランド戦があった時に、アイスランドのTVの視聴率が99.6%だったんでしたっけ?

    小飼:まあでも人口35万人のところだからね、そもそもそういったところでまともに視聴率を測ってたっていうのが、ちょっとビックリだよね。

    山路:いやいやちょっとこれを見て下さる人は本当にありがたいけど、なんか8時45分くらいになったらガタッと人が減るのかもしないと思って、ちょっと戦々恐々ですけどもね。
     このワールドカップ繋がりというわけでもないんですけど、東京では今度2020年に……

    小飼:うえー。

    山路:まあ弾さんの嫌いなやつ、来るじゃないですか。来るじゃないですかというより、やるじゃないですか。

    小飼:もう今からでも遅くないからさ、やめようよもう。

    山路:なんか弾さんの声も弱々しくなってきますよね、2020年が近づくと。それで東京五輪、その祝日に関しても新しいことがまた決まったみたいで。

    小飼:というのかさ、こんなあからさまに祝日とか動かすっていうのはさ、あくまでも東京オリンピックでしょう。日本オリンピックじゃなくて。なんで他の日本の都市の皆さんがねえ、巻き添えを食わなければいけないんですか?
     いや本当、長野オリンピックの時だって、あくまでも長野市のオリンピックで、他の部分というのは、もう「ふーん」という感じでしたからね、確か。日本で最近の、直近のオリンピックっていうと、たぶん長野になると思うんですけど。

    山路:それにしてもこれって、まあいちおう法律決めて、別の日から祝日を移動させてくるんですよね、えらいちょっとアクロバティックなことをするなと思ったんですけど。なんかこの日だけ休みにするとか……

    小飼:まあこの年だけということですかね。

    山路:まあ弾さん的にはそもそもやめてほしいわけだから(笑)、祝日云々の問題ではないという顔をしてますけどもね。

    小飼:うん。いやだから帰還中に、この間の大阪みたいな地震がきたらどういうことになるんでしょうね。

    山路:ただ、あらゆるイベントについてそのリスクはあるわけですからねえ。

    小飼:いやでもそうなったらそうなったで、もう率直にいって今のオリンピックというのは、主にTVに対するネタ出しですから、ネタが出来ていいということになっちゃうのかもしれない。まあでもスポンサーの皆さんどうするんでしょうね。

    「弾さんのところ地震、本棚は地震大丈夫ですか?」(コメント)

    小飼:東日本大震災の時も、この建物、ビルディングにいたんですよね。なんですけども、アパートメントが変わったんで、だから厳密に正確な比較はできないんですけども、その時は本棚は無事でした。全然問題なかった。

    山路:本とかも落ちなかった?

    小飼:全然落ちなかった。むしろ問題があったのは、キャスターに乗せてたTVですとか、あとペンダントライトね、ペンダントライトが天井にバーンと当たりましたね。ブンブン振れて。

    山路:高層階ってかなり揺れるんですよね。

    小飼:周期がゆっくりになりますね。大きくは揺れるんだけども。その分ゆっくりになるので、ガタガタは揺れないんですよ。

    山路:遊園地のこういうバイキングみたいな。

    小飼:そうそう。

    山路:酔いました? ちなみに。

    小飼:酔いはしなかったな。下から見てると、大体水平方向に2mくらい、こういうふうに動いていたみたいですけど。
     僕がいたわけではないんですけども、録画している人がいましたね。

    山路:こわっ! そうでしたか。

    小飼:まあでも下でガタガタ揺れるよりも、安全っちゃあ安全なんですけどもね。

    山路:ガラスとか落ちてこない分、確かにそれは。

    小飼:エレベーターは地震の直後だけ、止めたというよりも、止めてましたね。まぁでもすぐ再開しましたけどね。

    山路:「建物補修したのかな?」とかって書いてますね。

    小飼:えーとですね、これが地震のおかげで壊れた後だというのは、共有部分のレベルではなかったですね。

    山路:すごいなんか、えらい丈夫ですね。

    小飼:個人所有の部分では、さっきも言ったようにペンダントライトが揺れて、天井にぶち当たったとか、あとグラスが倒れて割れたみたいなのはいくつかあったみたいです。

    山路:いやいやまあそれはでも大した被害でなくて、良かったですね。

    小飼:はい。

    Coinhiveと日本の曖昧な警察

    山路:Coinhiveに行く前に、IT絡みっていうことで、このレシート換金アプリ。ちょっとお金繋がりといえば、お金繋がりなんですけど。これは要はそのレシートを撮影して送ると、1枚10円でしたっけ? 10円で買い取るよと。

    小飼:皆さんホント、自分の時間が安いのね。

    山路:買い取りのレシートが24万枚超集まって、想定の200倍から400倍の、それで一旦サービスは休止に追い込まれたということなんですね。そのサービスは再開したんですけども、今度はそのDMMオートというところと連携した形でサービスが再開され、ガソリンスタンドのレシートを1枚数十円で買い取るんだけど、レシートの内容は使わない。要はキャンペーンみたいなものとして、復活したという。

    小飼:意味がわからないな。

    山路:まあこのレシート換金アプリで、すごく世間的に話題になったところに、DMMが乗っかってきて、その話題をちょっと利用させてもらおうとしたという感じなんですかね。外から見ると、そんな感じなんですけど。

    小飼:うーん。いや、こういうのも何ですけれども、ホントに、だから何? ぐらいの感想しか、今の段階では出ませんね。やっぱり有料と無料の閾値というのはかなり大きくて。ゼロ円と1円の差というのは、多分1円と100円以上にあるのかなというふうに思いましたね。だから10円でもそれだけレシートをSubmitするやつが出てきたということは。

    山路:しかも最初の段階でも、1日に買い取るレシートの枚数というのは、けっこう上限があって、それこそ10枚だったかな。だから頑張ってもそんな1日100円とか、数百円レベルにしかならん………

    小飼:いやだから、何をしたかったの? そのレシートを10円で買い取りますっていった人は?

    山路:その人は、要は購買行動の調査みたいな、そういうデータとして使いたかったみたいですけどもね。

    小飼:だから10円出すから、私の恥ずかしい記録を見せろと。

    山路:そういうことですね。

    小飼:たった10円で私の恥ずかしい記録を見せろと。

    山路:これを開発したのが、高校生で。いろいろフィンテックアプリとかを開発している高校生で、何回かもうすでにそういうアプリとかを作っている人らしいんですけども。そういうチャレンジングなところっていうのは褒めるべきだみたいな、そういう話もあったりしますけども。

    小飼:まあ高校生のやっていることなので、少なくとも法的責任は取れっていうのは言い難いよね。逆に言えばそれが今の所、免責事項になっているわけだよね。いやだからそういうクソみたいなビジネスモデルでも、高校生がやっているからということで許されているっていうことはあるわけだよね。

    山路:高校生とはいってもある程度、キチンとした枠組みを備えたサービスとしては始めているわけだから、周り、まったくの1人ではなくて、助言してくれる人とかはいなかったのかなと思うんですけれどもね。

    小飼:え? なんで助言する義理があるの?

    山路:いやそれはそうなんだけども(笑)。

    小飼:その助言というのは、プロフェッショナルなものだと、コンサルテーションというふうに呼ばれまして。コンサルテーションというのは当然お金がかかります。だからこういうのも何だけれども、逆にどのように助言してやろうと言ったら、それこそ下心ありありなんじゃないの?

    山路:なるほどね。

    小飼:はい、DMMの中の人みたいに。
     そうよ、だからもし助言が欲しいのであれば、だからちゃんと正当な対価を払った上で、やればいいんですよ。僕もあっちこっちからそうやって、お金を払った上で意見を出して下さいというのは、いくつも例はありますし。はっきり言ってニコ生よりはいいビジネスです。そっちのほうはもっとはっきり言うと。

    山路:でもその高校生もかなりそれで学ぶところ、結局学ぶところ、大人のビジネスのやり方みたいなところを学ぶところが多かったのかなとか思ったりもしますよね。

    小飼:いやわかんない。それはもうそれこそ、その高校生が将来、本当にビジネスに当てるかどうかにかかっているでしょう。

    山路:わかりました。じゃあお金繋がりで、今日小特集の第1弾ということで、Coinhiveなんですけれども。要は仮想通貨のマイニングをサイトを閲覧した人に、仮想通貨のマイニングをさせるJavaScriptをサイトに埋め込んで、それを見た人は………

    小飼:あれ最初に見た時に、上手いこと考えるなって思ったのと同時に、懐かしいなとも思いました。

    山路:懐かしいとは?

    小飼:要はユーザーが今使っていないCPUの資源をなんらかの形で借りてしまおうというコンセプトそのものが懐かしいと思いました。山路さんはSETI@homeって覚えてます?

    山路:はい、宇宙人、えーと宇宙人といったらいけないのかな? 「知的生命体からの信号を見つけよう」というプロジェクトですよね。

    小飼:要は天文台で受信した電波の記録というのは、それだけ見てもなんもわかりませんから。当然解析にかけなきゃいけないわけですよね。その解析をやるためには、けっこうなコンピューティングパワーが必要んだけれども、わりと分散化しやすかった。

    山路:「今もやってるんだって」みたいなコメントが。

    小飼:今もやってると思いますよ。その時はどうやったかというと、スクリーンセーバーが動いている時に、そのスクリーンセーバーが信号データを処理して返すという。

    山路:最初それを見た知った時は、相当頭のいいやり方だと思いましたけどね。

    小飼:すごいジーニアスだなと。

    山路:確かSETIのプログラムは、あとで今現在やってるかどうか知らんけど、タンパク質の構造解析みたいなものとか。

    小飼:そうそう、それはもう本当に実利が発生しますよね。

    山路:これでも最近あんまり聞かなくなってましたよね。そういう分散的にやらせるっていうのは。

    小飼:まあ理由はいくつかあると思います。やっぱりデータを細切れにして、各自に送って、処理された結果というのを受け取ってというのは、やっぱりかなりのオーバーヘッドなんですよね。

    山路:そもそも分割するというところで、相当いろいろ処理が発生する。

    小飼:はい。あとプロテイン・フォールディングの場合は、明らかにこれご利益があるわけですよ。それで新薬ができるかもしれない。その時の財産配分をどうするべきかっていうのも、見切り発車みたいなところというのもあったわけです。

    山路:まだ地球外生命体探しだと金にならなくてもあれだけど、実際に金になるものだと、どういうふうに配分するか。

    小飼:後もう1つは、そういうことをしなくても、実際にクラウド・コンピューティングとかで、明示的にコンピューター資源を好きなだけオンデマンドで借りてくるというのが楽になったということもありますよね。だからわざわざ他のユーザーの使われているか使われてないかのわかんないのにも、データを送りつけて、しかもまだ未処理のデータが残っているうちに終了されたり、再起動されちゃったりというのもあるわけですよね。
     だから当然そういったことが起きた場合にはどうするかというのも、加味してやる必要がありますよね、そういったものというのは。

    山路:スパコン借りる方が手っ取り早いようなところとかも。

    小飼:手っ取り早く、まさにそういうことなんですよ。だから仮想通貨を掘るというのは、これは中々頭がいいなと。

    山路:しかもタスクを分散しやすいというか、分けやすい。

    小飼:タスクを分散しやすい。

    山路:それでこの人達もCoinhiveのやつを仕掛ける、仕掛けるというかサイトに設置することで、なんらかの収益が得られるんじゃないかということで設置して、結局そこのところで警察に事情を聞かれるようになり……ということなんですけれども、これって、すごく素人的な感覚としては、え? そんなことで一々、警察いきなり来るのか? みたいな唐突感があったんですけれども。

    小飼:まあ唐突感がありましたね。まず具体的にどんな被害があるのかというのが、すごいわかりづらいですよね。今どきのブラウザというのはよくできていて、例えばあるタブで使われているオーバーレイジが100%になっても、例えばここでタブを切り替えた場合というのは、それの実行優先順位を下げちゃうんですね。要はそういった一杯計算させるようなページがあったとしても、人間の体感のほうが重要ですから、そうだから人間のアテンションが必要なイベントが発生したら、そっちを優先しようと。OS自体もそういう設計にはなってはいるんですけども。
     ブラウザの場合、そこはさらに良く出来てるっていうことがあります。要はブラウザというのは、別にCoinhiveに限らずに、今まで様々な攻撃を受けてきたわけですよ。今も受け続けているわけですよ。ちょっとやそっと攻撃されたからといって、パカっと落ちちゃったら、ユーザーが使ってくれなくなっちゃうわけですよ。今ブラウザを使ってくれないというのは、OSメーカーにとって死活問題ですから、だからその辺のところというのは、バンバン対策されてますし、それをくぐり抜けてみつかったものは片っ端から直されているわけですよね。

    山路:ほほう、じゃCoinhiveのヤツを作ったヤツっていうのは、けっこう大したものですか?

    小飼:いやCoinhiveのプログラムを作った人が、大したことじゃないんです。ブラウザを作った人が大したことなんですよ。

    山路:それをつまりくぐり抜けて、抜けてきたわけじゃないですか。

    小飼:抜けてきてないの!

     
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