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小飼弾の論弾 #97 「2018年ITの振り返り(その2):GAFAと国家の関係と、大きく変わったマイクロソフト」
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小飼弾の論弾 #97 「2018年ITの振り返り(その2):GAFAと国家の関係と、大きく変わったマイクロソフト」

2019-01-31 06:00

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    2018年12月4日(火)配信の「小飼弾の論弾」の前半をお届けします。

     次回は、2019年2月5日(火)20:00の配信です。

    お楽しみに!

    2018/12/04配信のハイライト(その2)

    • 2018年振り返り/GAFAの成長鈍化と『テクテクテクテク』
    • 2018年振り返り/GAFAと規制と国境と
    • 2018年振り返り/マイクロソフト
    • ウィルス対策ソフトとOSのセキュリティ
    • 秋葉原の流動性とdynabook
    • 2018振り返り/AI
    • 2018年振り返り/セキュリティとCPUの嘘

    2018年振り返り/GAFAの成長鈍化と『テクテクテクテク』

    山路:2018年は、GAFA、Google、Amazon、Facebook、Appleとかの株価がガーンと上昇していって、最近またガーッと急落しました。

    小飼:どれも同じようなグラフの形はしてますけれども、Appleが1番おとなしい(この配信は2018年12月4日)というのも理由があって、Appleだけがこの中でハードウェアの会社なんですよ、基本。もちろんハードウェアとサービスがあるがゆえの、ハードウェアの会社ではあるんですけど、でもちゃんと手に取れるものを作って、それを売って、おぜぜを稼ぐ会社ですよね。
     古き良き会社というのか、要は物を売ってますという意味で。

    山路:とりあえず無料だけど広告で儲けてますみたいな、今どきの会社じゃないっていうことですよね。

    小飼:まぁそれを行ったらAmazonもそうですけども。でも、Amazonは自分で作ったものを売ってる会社ではなかったんですね。AWSのおかげですごい変わってはいますけれども。

    山路:ただ、GAFAの4社はいずれもガーッと伸びて下がったという傾向は似ているじゃないですか。これって皆の期待が高すぎたんですか?

    小飼:期待が高すぎたというよりも、不安が大きくなってきたというところはありますよね。

    山路:たとえば、アメリカと中国の貿易戦争みたいな話?

    小飼:はい。

    山路:投資家としての弾さんからみると、この不安って1番大きなのは何なんですか? その投資家にとっての不安、大きいものっていうのは何なんですかね?

    小飼:こいつらをこのまま野放しにしていていいのだろうかという意見が、やっぱり2018年に凄い強くなってきましたよね。

    山路:きっかけはFacebookなんですかね?

    小飼:要するにそろそろ、こういう杭は打っておかなければ駄目なのかなという意見が、右からも左からも(笑)。

    山路:Facebookの個人情報が、たとえば外部の会社に利用されてたとか、そういう話ですよね。

    小飼:はい。

    山路:国が規制に動くかもしれないと皆が思って、株価が下がったっていうことですか?

    小飼:ということもありますし、あともう1つ、大きいのは、市場がサチった(サチュレーション saturation 飽和)と。

    山路:サチった?

    小飼:うん。この4社にはこれ以上ユーザーを増やす余地がないんじゃないかと。Appleなんかわかりやすいですよね。この間、20億台目のAppleデバイス、iOSデバイスを売ったというふうにクック船長が豪語してましたけども。でもApple製品みたいな高額のものが―――20億の半分としても10億です―――の人たちの手に行き渡っているのに、これ以上売ることが出来るのか? と。

    山路:Apple Watchとか、もうちょい売れそうじゃないですか。

    小飼:はい。だけれどもiPhoneほどのヒットにはならないですよね。
     今iPhoneって1年に2億台売れてるわけですけれども、今後もそれだけ売れてるのだろうか。だからAppleの高価格路線というのは、間違ってはいないんですよね。皆もうすでにiPhone持ってますという状態で、リプレイスメント(replacement)を売るとしたら、高くて長持ちするものを交換需要として売っていくしかないじゃないですか。

    「車メーカーになれたら」(コメント)

    山路:しかし車って、車ってそんなに今後利益率の高い商売になるんだろうか?

    小飼:もともとそんな高くなかったですからね。なんであんなハイテク製品を、あんな低いマージンで売ってるんだっていうふうに、ずっと思ってましたけどね。

    山路:今後テスラにしても、仮にAppleが参入するにしても、電気自動車プラス自動運転みたいなことになるのは、まぁ間違いないわけじゃないですか。そうなった時って個人が車所有しないんじゃないの? っていう。

    小飼:そう若ければ若いほど、クルマ熱が低いですよね。こりゃ確かです。

    山路:シリコンバレーの人がバスに乗ってスマホ使ってるんだから、車を買って所有するみたいなことが減るんだったら、べつに車メーカーになったところであんまりおいしくないんじゃないかと、私なんか思っちゃったりもするんですけもどね。

    「Googleがどうやって儲かっているのか、いまだによくわからない」(コメント)

    小飼:広告ですよ。だから広告を出稿する人たちっていうのは、Googleに喜んでお金を払っているわけですけど、その伸び率も年々落ちているわけですよね。そりゃもう人の時間だって有限ですから。

    山路:しかし、今まだネットに繋がっていない世界の人っていっぱいいるわけですよね。

    小飼:というふうに言ってますよね。だからそれがだから、特にFacebookとかがまぁ熱心で、まだ繋がっていない人たちが20億人いますと。それにしても、もう人類の過半数突破しちゃってるんですよね。

    山路:じゃあ、この株価っていうのは、ある程度ユーザーが増えるということすら織り込まれたものだと。

    小飼:まぁそういうことですよね。これ以上増やすため、同じやり方で増やすためには、地球をもう1個作るしかないみたいな(笑)。

    山路:さっき仮想通貨のとこでもちょいと出た話題なんですけど、結局、GAFAとかのITにガンガンお金が流れたのは、あんまり成長すると期待できる産業が他にないからこそなんじゃないですか?

    小飼:まぁそうですね。実際に、いずれもきちっと儲かって利益を上げている会社ですからね。特にAppleは、そうですからね。

    山路:決算が出る度に文句がつけられるんだけど、いやそんな利益出している会社ないでしょうと思うくらいの決算書なんですけど。これってIT、この今ピカピカの決算書を出しているそういうGAFAとかが駄目だったら、その投資のお金って一体どこに向かうんだろう。

    小飼:そうなんですよ。まぁでも昔からそういった形で、金余りという現象はあったわけで。

    山路:すごいお金持ちとか機関投資家は、どんどん儲かるほうに、儲かる方向に金を振るわけじゃないですか。たとえばGAFAがそんなに儲からないと思ったら、そのお金ってとりあえず現金で取っておくんですか?

    小飼:そういうことですね。だから本当にそう。すごい投資家的なまとめ方をすると、今年は凄いキャッシュが強い年でしたね。僕もいろんなところに投資していたものを、そろそろ手引くかといって、だから今回のエクイティスランプはあんまり影響を受けてないというのか。

    山路:ある意味それは、お金持ちがどこかに投資しないで、自分の現預金口座に戻しちゃうみたいなことって理解していいんですか?

    小飼:そういうことですよね。

    山路:投資もせず、買い物もしなかったりしたら、そりゃあ世界に回るお金が増えない感じはなんとなくわかりますが、こういう印象論で間違ってないんですかね? 今、世界で起こっていることっていうのは。

    小飼:うん。また金が澱んできたなと。じつはですね、もうすでにGAFAの株を買っている時点で、金を澱ませてるんですよ。だって変な言い方をしますと、負けようがない銘柄なんですよ、こいつらは。

    山路:負けようがない。成長が鈍ったとしても、これから主流になるであろう、データ経済をガッチリ握っているわけだから。

    小飼:そうそう、ガッチリ握っているわけだから。だけれども外しようがないということは、大当たりもしようがないんですよね、もう。

    山路:他の産業でもそういう大当たりも出にくくなったりするんですかね? そこに金が回らなくて、GAFAのほうに投資してもイマイチだなみたいなところで、金持ちが投資を控えている?

    小飼:だからもっとこれよこせっていうものが、なかなか見つからない年でしたね、2018年というのは。だからその意味ではあれだな、さっきの繰り返しになるけれども、『テクテクテクテク』が出たのは凄いいいニュースだと思うよ、マジで。これがちゃんと業績にも反映されて欲しいんですけども、すみません、僕まだ課金してないっす。

    山路:それは、つまりGAFAみたいな大手以外からも、ちょっと面白いプロダクツが出てきたっていう意味ですか?

    小飼:そうそう。

    山路:そんな大手以外のところでも、何かやるチャンスはあるかもっていう。

    小飼:これで本当に、一般ジャンルとして、位置ゲームが根付くのがほぼ確実になったと思うので。
     これまでの世間の認識は、『ポケモンGO』だけが売れてた。『Ingress』も十分なヒットなんですよ。十分なヒットなんですけども、それでもまだ、知る人ぞ知るレベルだったけども、今や、『ポケモンGO』っていうのは、街角の在り方を変えたじゃないですか。ブーム去ったって言いますけども、今でも大物レイドを公園でやれば、人が集まってるわけですよね。

    山路:『テクテクテクテク』に関して言うと、これって世界でヒットしそうな感じですかね?

    小飼:そこが難しいところだけども、少なくとも日本ではちゃんと当たると思う。ただ根付くかどうかっていうのはちょっとまだわからないかなというのも、あまりに引きこもりでもプレイしやすいというのと、課金したいっていう閾値がちょっと高すぎたかなという感じはしますね。今週末というのか、そのゲーム始めてから今日までの昼間ですね、位置ゲーなので動くのは昼間のほうがありがたいので。わりとガチでやったんですけども、これだけガチでやっても、まだ課金しなくていいかなというのは。

    山路:なかなか大盤振る舞いではありますよね。

    小飼:まぁでも今のうちだけかもしれない。それは置いといても、コラボレーションのやり方とかっていうのは、これは世界に持っていけるんじゃないかと思う。凄い、ああそうか、この手があったかという。というのも、基本ソロゲーって言ったじゃないですか。だから出現するモンスターとかっていうのは、ユーザーがどこにいて、ユーザーのレベルがどれ位かっていうのでも、違うんですよ。
     ポケモンGOの場合は全員のところに同じ時刻であれば、同じポケモンが出現することになってますよね。テクテクテクテクは違うんです、ユーザーに合わせてるんですよ。じゃあコラボキャラとかっていうのは、どうしたらいいのかって言ったら、そっちは固定で出すんですよ。

    山路:そこで共通体験は出来るというふうにはなってるわけですね。

    小飼:はい。だからいつも同じところにラスボスの、あの小林幸子さまがいらっしゃる。

    山路:しかしGAFAの成長鈍化のところの話に出てくるのが『テクテクテクテク』っていうのは、ちょっと意外性がありました(笑)。

    小飼:でもこれはどっちかというと、GAFAをインフラとして使ってますよね。GAFAが非難されるようになっているけど、じつは悪いことばっかしではないんですよ。安心して使えるインフラなんですよ。AppStoreがあれば安心してアプリを配布できますし、クラウドがあれば安心してサーバのスペックや数を加減できますし。

    「もうちょっと一般受けするキャラ使ったほうがよくない?」(コメント)

    小飼:確かに、確かにちょっとグロめですね。ゲストキャラは置いといても。

    2018年振り返り/GAFAと規制と国境と

    山路:じゃあ、ちょっとさっき言いかけた、GAFAに対する規制、「こいつらを野放しにしておいてはいけない」という話の方向なんですけど。国の規制、国がだいぶ横槍を入れるようになってきたじゃないですか。

    小飼:なんだけども、彼らは国がやるよりもいいインフラを提供してますよね。そこなんですよね。ただそれは、もしかして彼らが税的に優遇され過ぎているが故にそれができているっていう可能性だってあるわけです。

     
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