「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2022年08月23日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2022年09月06日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2022/08/23配信のハイライト
- 「COVIDのお手上げ感」と「嘘に甘い日本」
- 「HDDを破壊するジャネット・ジャクソン」と「Amazonのルンバ買収と個人情報」
- 「iRobotどうなる?」と「新種サザエと、分類するという科学」
- 「EVと電力と生活」と「原発の安全性を確保するには」
- 「画像生成AIで変わること」と「今からAIを学ぶには」
- ソフトバンク大損と「潰れたら困る会社」
「COVIDのお手上げ感」と「嘘に甘い日本」
山路:なんかこう何回目になるかわかんないですけど、COVID-19の、これ、こんなに2年半以上経ってまだCOVID-19の話をしてると思わなかったんですけど(笑)、
小飼:でも当初は、ワクチンが出来るのに10年とかって言ってたじゃないですか、それに比べれば進展したといえば進展したというのか、現在の特徴というのは優等生だった国、ニュージーランドや台湾や韓国が、そして日本も、今お手上げって感じではあるよね(笑)。
山路:今、専門家の人たちがちょっと諦めてないですか(笑)。
小飼:いや、ただ諦め方にしても、中途半端だよね。例えば今のところ、日本は入国の時にも検査してるわけじゃん。なので、だから入国前に発覚しちゃったりすると、その国で待ってなきゃいけないんだよね。
山路:ただこう、全数把握してるとこ、
小飼:だから元々全数把握なんかしてないって。もともとしてないの、だって検査してないんだもん。検査全然足りないじゃん。もともと全数把握ではないわけ。
山路:根本的なところでそうもう問題があったわけね。
小飼:ただ見つかった人は、今のところ全部はHER-SYSだっけ、に登録してっていうのをやっ出たけれども、それすらできなくなるっていうことだから、HERSYSの登録ぐらいはさ、あくまで事務なんだからやっとおけというのか、今のところ保健所が登録するんですよね。で、いったん保健所に登録されたら、そのナンバーを使って各自が自分の情報にアクセスできるようだけど、たとえばそれ自己入力ができないわけだよね。
山路:じゃあHER-SYSのユーザーインターフェースが使い勝手が悪いとかっていうだけの問題では、もう根本的にないと、
小飼:ないというのか、そもそも検査してないのというか、そもそも全数把握になってない。でも、せめて把握した分というのはデータベースに登録してっていうふうになってたはずなんだけど、でもそれもなってないと。
「そもそも本質的に全数把握って不可能じゃない?」(コメント)
小飼:いや、でも中国は今でもそれに近いんじゃないかな。だから真の全数把握というのはあれくらいやらないと駄目だということではある(笑)。
山路:サンプリングでは駄目なんだっていう意味で。
「今まで何やってたのか」(コメント)
小飼:ただもうアメリカとかは、検査キット配って、抗原検査キットを配って、自分で見つけて、見つかった人は見つかったっていうふうに言うと各薬局から抗ウイルス剤はくれるから、あとは自分で何とかしろ。
山路:日本の場合は何か、抗原検査でやったやつっていうのはその感染者としてカウントされないんでしたっけ。
小飼:そうなのね。
山路:あれがちょっとその仕組み的にも、
小飼:そうなの。抗原検査ってPCRに比べれば、見間違いを見逃しもどっちも多いんだけど、偽陽性も偽陰性も多いんだけど、でもそれでも見つかった時点で患者だという認定をすれば、病院に一切行くことなく、療養が完結するわけじゃない。今は1回は行かなきゃいけない、1回は医者に仰がなきゃいけないんだよね。医者というのか、厳密には医療機関ですね。保健所とかでもいいので。
山路:これ、弾さん、この問題って、今一番マシな方法を取るとしたら、結局何するのがいいんですかね。
小飼:いや、もうあれじゃないかな、もうアメリカ式にしちゃっていいんじゃないかな、自己発見して、自己発見したら、薬とパルスオキシメーターを送りつけてって、今は1回発熱外来にかからなければいけない。
山路:そこの部分さえ解決すれば、まあ多少は、それは医療機関なんかの負担が減るっていう意味でマシになる、
小飼:ただ意外と大きい、それってシステムの変更なわけじゃん、日本が一番苦手とするところだよね、そういうところというのは。
山路:あー、そうだよなあ。
小飼:いや、だからと言ってじゃあ5類の指定とかをやめます、要はCOVIDを特別な伝染病として扱うのやめますって言ったら、それはそれでヤバいんだよね。それはそれでヤバいわけ。
「これまでの日本の100万人あたり死者数は二百九十何人で、世界で149位だよ」(コメント)
山路:まあ累計で見た死者数はぜんぜん少ないという、
小飼:今度ボンと出るので、もうすでに今年の時点で今までの累計を抜いてるんじゃなかったっけ。2万人突破したんじゃなかったっけ。今のペースだと3万人を超えるよね、3万人ってどれくらいの規模かって言うと、日本の自殺者のピークがそれくらいだから、なかなかの数よ。
山路:交通事故の死者数が今3000人ぐらいでしたっけ、4000人いってないぐらいですよね。それの10倍の数が死ぬかもしれないっていうのをどう受け止めるのか。
小飼:そう、あと保険の話もあるんだよね。5類辞めちゃったら、もう医療保険とか降りなくなっちゃうんだよね。今は自宅療養も見なし入院っていうことで、入院保険とか入ってる人というようのはちゃんと請求できるんです。だから、うちも請求したけれども。
山路:仮にそういうふうに多少医療機関の負担とか抑えたとして、それでやっても、なんていうか、ガチャガチャしながら数年続くっていうふうに見てます? やっぱり。今みたいな。
小飼:10月に出ると言われてる二価ワクチンっていうのは、どの程度効果あるのかね。
山路:それが効けばって?
小飼:でもそれが効いたら、また新しい株が出てくるだけの気がしないでもないけれども。
「自宅療養で保険金もらいました」(コメント)
小飼:そう、自宅療法の場合も、一度は医療機関のお墨付が今はいるんだよね。自己申告で罹患しましたっていうのはダメなんだよね、今のところは。それだけでえらい手間が変わるんだよね。いや、でも日本ってそういうところがあるじゃん、たとえば電車が止まって遅刻した場合とかっていうのも、鉄道会社に停まってましたというお墨付きをもらわないとダメだとか。けっこう日本って、普通の人を信用しないよね。
山路:あー、要約すると結局そういうことになるのかもしれないな。
小飼:いや、だからその意味では去年じゃなかった、2020年、一昨年に給付金出したじゃないですか。個人事業主だったら、100万円、中小企業だったら200万円っていう、
山路:非常にちょっとおいしい思いをしてしまったりもしましたが(笑)。
小飼:あれは本当に全部、全部自分でエビデンスを用意して、100パーセントネットで完結したんだよね。なぜか給付しましたっていうハガキが来たけれども。いや、あれは本当に珍しいケースというのか。日本であそこまで、なんて言えばいいのかな、セルフヘルプというのかDIYというか、
山路:あれ以来、もう一切やらなくなりましたけどね。
小飼:いや、COVID-19こそ、それやるべきだったのよ。こういっちゃなんだけれども、もう熱出ました、で十分なぐらいで、他の風邪を引いててもCOVID扱いするぐらいでよかった。
山路:なるほどな、結局その判断のところに、正確にやろうと思って、判断のところにこう時間だったりとかコストとかを食われてしまう、
小飼:正確にやろうと言っても、中国並みに検査するわけじゃないよ。
山路:もっとそのフェーズに合わせてざっくりやるみたいなふうな方針転換をすべきだった、すべきってことなんですね、
小飼:ただ、前にも言った通り、COVID対策に関しては、合格点を出している国というのはもういよいよゼロになったからね(笑)。台湾もニュージーランドも手あげちゃったからね。
山路:中国もやったはやっただけど、ダメージも相当デカかったですよね。
小飼:のと、あと中国製のワクチンがショボかったというのがね。
山路:これ、中国がmRNAワクチンやってたら、今頃大勝利の雄叫びをあげてたかもしれないですけどね。
小飼:かもしれないけれどもね。そう、だからシノバックしょぼいんだよね。残念ながら。
山路:これ、じゃあちょっとスライドを作るのは忘れたんですけど、日野自動車の話、これ、かなりデカいのでやっとかないといけないかなと思ったんですけど、
小飼:デカいね。デカいね、ディーゼルゲートよりデカいじゃんか、これ。
山路:これ、アメリカだったら。アメリカでももうちょっと問題になり始めたんですよ、たしか。
小飼:ならないわけがない、ならないわけがない。
山路:これ、しかもその自動車会社が自分ちの製品全量停止って、すごくないですかっていう(笑)。
小飼:うん。
山路:聞いたことないんですけど、そんなの(笑)。
小飼:フォルクスワーゲンのディーゼルゲートでもそうはならなかったからね。該当車種は出荷停止になったけれども、それは一部だったわけじゃん。
山路:最大で、もしかしたら93万台になりえるという、
小飼:不正のやり方というのがなんと言えばいいのかな、ローテクかつ、ちょっとあまりに堂々としているというか。少なくとも20年間……なんだけども、ちょっとびっくりしたのが、その一方で、リコールはしないと。法認の排ガス規制値を超えてないのでリコールはしないと。
山路:ほー、現実的に不可能ってことなんでしょうけどね、恐らくは。それってロジック的に変じゃないですか、大丈夫なの、ロジックがあってんの、それ。
小飼:要するにたとえば、国に申請してた点数が100点で、国の基準が60点以内だったら合格で、じつは75点でしたというのであればっていう主張なのがね。
山路:はあはあはあ。へーそうなの(笑)。まぁでも国もリコール命じるって言っても、すごいことになりそうだけどもな(笑)、命じたら命じたで。これって何ていうか、結局なんていうんですかね、すごく安定した、大した競走相手のいない商売とかをやってた傲慢ということなんですかね?
小飼:いやでも待てよ、競争相手いるじゃん。
山路:いすゞとか。
小飼:でも、いすゞはあれか、提供、提携しててエンジンの供給を受けてたんだっけ、日野から。日産ディーゼルとか。
山路:つまり安定した、必ず売れるっていうビジネスだったということなんじゃないかと思ったんですけども。
小飼:でもその一方で、年々利幅が減る規制が続いてきたっていうこともあるよね。たとえば排ガスにしても、尿素を吹き込ませなければ、吹き込ませる装置をつけなければいけなくなったりとか、あと衝突安全レーダーも、新しい、
山路:義務になったんですか?
小飼:もう義務になってるはず。EUはもう義務化してるし。その一方で、ユーザーの皆さんというのは、ほとんどが運送業者、要するにそれで商売やってる人たちで、カツカツの商売をしてたわけですよね。おいしいビジネスとは言い難かったと思う。
いや、だからってこれは、これはちょっとすげえな。
山路:これ、しかし毎年必ず最近1件か2件、大企業による大規模不正って出てこないですか。ここ続いてません?
小飼:しかも、もう昨日今日というのか、ここ数年でなくて、もう10年以上それやってましたっていうのは(笑)、
スタッフ:ちょっと去年あたりも三菱電機の、要はプログラミングで自動で安全値になるようにとかってやってっていうのも取り扱いましたよね(笑)。
山路:これ本当にアメリカの懲罰的なそういう賠償金くらったら、会社飛ぶのではっていう気がするんだけど、この規模になってくると。
小飼:この場合はあれかな、トヨタが救済してくれるのかな、どうなんでしょう。
山路:なんか本当に日本の自動車産業、そのEVシフトでヤバいとか言われてるけど、その前に不正とかで潰れるんじゃないかみたいな感じがしてきましたけどね。じゃあこの、不正、日本の不正の話が出たところで、これやっとかんといかんのかな、これ。建設工事受注のこれ、これもデカくないですか(笑)。
小飼:これ、国がやったやつだからね。これがまあ、金額といい、規模といい、下手人といい、一番悪いやつではあるけれども。
山路:この8年間で34.5兆円とかって、なんかGDPが多少なりとも成長したよみたいなことを吹き飛ばす勢いがありますよね(笑)。ぜんぜん、少しも成長してなかったんじゃないのっていう。
小飼:これがまさに安倍政権っていうことになるよね。
山路:ちょうどこの8年間。
「責任者出てこい」(コメント)
小飼:まあでも責任者、三途の川の向こうに行っちゃったからねえ。
「これ誰か捕まるの」(コメント)
山路:本当に捕まえようがないような(笑)、
小飼:誰も捕まえないっていうことそれ自体がね。まあでも少なくとも、オリンピックの贈収賄の場合は捕まえたわけじゃん。
山路:まぁ小物なんじゃないかっていう、
小飼:まぁこの建設、この不正に比べれば小物ではあるけれども。でも、誰も捕まえないで済ますつもりか?
「知らなかった聞いてません」(コメント)
山路:まぁそう言いそうだよな。なんていうのか、不正を押し付けたっていうことだったら、もちろん問題だし、問題というか、犯罪だし、そうでなくて仮に現場のほうの何て言うか、ミスみたいなものでこれがもしも上がってたんだったら、それはそれでまた問題ですよねっていう。どっちにしてもなんかこう、直さないとどうしようもないことだと思うんだけどもなあ。
小飼:いや、でもよく考えたら、これ、期間に関してはいすゞよりは、失礼しました、日野よりは短いな(笑)。1桁年だもんね、たった1桁年だもんね、たった一政権ぶんだもん。
「電通の人は小物だったの」(コメント)
小飼:でも個人としては、まあなかなかの大きさだよね、7億円だっけ、
山路:え、5000万円とかじゃないですか、
小飼:いや、億のオーダーじゃなかったっけな、
山路:本人が受け取ったのは5000万とか、違う、7億円っていうのは、
小飼:賄賂の総額がそんくらいで、うち本人があるところにいたのに入れたのが数千万のオーダーだったっけ、
山路:ああ、そうだったか、まぁとにかく、なんかこのオリンピックの不正でその5000万円とかで済むはずがないというふうに思うのは、偏見なんでしょうか(笑)、これは。そういや、そもそも誘致の時点からいろいろ不正があったって、フランスの警察がなんかこう捜査してるみたいなやつだってあったじゃないですか。そんなところ、まだ、
小飼:JOCの会長がもうフランスに行けなくなってしまったと。
山路:あ、そうなんですか、この、犯罪者に近い扱いとして(笑)。
小飼:収賄額が5100万だそうです。
山路:ああ、そうですよね、5000万とかそんなものですよね。
「借入金とかステーキ屋の運転資金に使った」(コメント)
小飼:ステーキ屋やってたのか。
山路:しかしそんな賄賂とか取るような大物のくせに、おまえ商才はないよなみたいな、なんかこの、口利きだけでやってきたんかいみたいな、ちょっと情けなさはあるんですけれどもね(笑)。
「札幌の招致どうなるの」(コメント)
「何年も不正の話題やってるね」(コメント)
小飼:だって不正が来ちゃう以上はしょうがない、こっちで不正の話題を取り上げて、それで不正が減るんであれば、こっちも取り上げようが、取り上げがいがあるんだけれども、なんかあの、すいません、本当に敗北感を感じる、これは。
山路:本当にね、不正の話とか別にしたくはないんですよ、正直。これ、衰退国ムーブの話だから、うまくいってる国のニュースじゃないですよねっていう。
小飼:不正を減らすにはどうすればっていうふうに言ったら、やっぱり不正に対して厳しい姿勢で臨むというのが、それが当然というのか、まずそこからですよね。日本は法もそうですし、その法の運用もそうですし、市井の人たちの犯罪に対する相場観、これが一番大きいですけれども、知能犯に甘い。
山路:暴力犯罪とかでは厳しくやるけれども。
小飼:100円盗むと実刑だけれども、100億円、会社の経理で不正しても執行猶予付いたりするわけですよ。まずそこですわな。
「汚職はわかるけど、統計とか不正して誰が得するの」(コメント)
小飼:まぁ、為政者の顔は立てられますよね。だから晋三君は嬉しいわけですよ。
山路:GDPは減ってないと言い張ることができる、という効果はありますよね。自分たちは失敗してないということの言い訳には使えるんじゃないですかね。
小飼:そう、もうはっきり言ってしまうと、嘘つきに甘いの、この国の皆さんは。嘘つきに本当に甘いの。嘘も方便っていうのはね、英語には訳せないんだよね。White Lieっていう言葉もあるけれども。罪のない嘘みたいな表現っていうのはあるけども、方便って言い方はしないね。英語のa lieっていうのはかなり、かなり強い言葉なんですよ。もうそれだけで罪を構成するという。
山路:それこそ大統領のドラマとかでよく、証言を偽証したかどうかで大慌てしている。これ、日本だったら、平気でみんな偽証しそうな感じがあるんですけど。
小飼:そうなの。片仮名で書くもんね、普通「ウソ」っていうのは。
山路:日本って偽証罪の量刑がゆるいから、
小飼:量刑もゆるいし、実際にゆるく運用されてるし。嘘を大目に見るんですよ。
山路:ほんとね、海外のアメリカの大統領関係のドラマとか見てると、偽証罪で大騒ぎですよね(笑)。嘘言っちゃったけど、どうするみたいなことっていうのは、悪党がけっこうビビったりするシーンがいっぱいあるんですけれども。
小飼:でも、トランプですら黙秘権行使って言ってますかね、
「HDDを破壊するジャネット・ジャクソン」と「Amazonのルンバ買収と個人情報」
山路:じゃあ、トランプの話、いっときます? トランプの名前が出たところで。トランプが、トランプ邸がFBIの操作を受けたという話なんですけれども。これって、やっぱすごいことではあるんですよね?
小飼:すごいことなんだけども、とっても「らしい」なと。
山路:「らしい」とは?
小飼:なにが「らしい」かって言うと、公私混同してると。White Houseっていうのは、あくまでも現職の合衆国大統領の住まい兼オフィスなんだけど、そこにあるものというの私物扱いしてたと。
要は会社の帳簿を自分のもの扱いしてたというふうに扱ってたら、まあこの行動というのも、
山路:これって機密文書を、その深刻さがわかってなかったとか、ミスってことってあり得ます?
小飼:俺のもんだと思ってたと思うよ、本気で思ってたと思うよ。
山路:なるほど(笑)、そっちのほうなのか。
小飼:いや、だからそれの何が悪いという。でも、それをちゃんと悪くしたんですよ、量刑を厳しくしたんですよ、
山路:ああ、そのトランプ自身がね、
小飼:まあトランプ自身がというのか、トランプ政権の頃に、そういう法ができて、その法を執行しますよというのを大統領としてサインしてるわけですよ。
山路:それが結局、自分に適用されることになったという、
小飼:そのとおり。まあでも、それ見てるとき、ろくに見ちゃいなかったんでしょうね。
「持ち帰り残業」(コメント)
山路:トランプ、それにしても支持率すごいですよねと、共和党員の。
小飼:というよりも、いよいよもう、共和党というのはもう共和党ではなくなってしまったね。いや、リズ・チェイニーもあの通りじゃん。もうプライマリー、要は予備選で負けているわけじゃん。まあワイオミングというど田舎なのでやむなしというところはあるんですけれども。
山路:つまり保守系が強い所だからっていう意味で? 共和党が強い。
小飼:まあ共和党というよりも、いやもはや共和党って言っていいのだろうか、もう共和的じゃないじゃん。
山路:そんな、党の名前が党の方針を表してるわけでは(笑)、
小飼:もはやカルトじゃん。共和党の共和というのが、republicという言葉が統一協会の「統一」並みになってきたよね。もうカルトだよ、あいつら。
山路:でもびっくりしましたね、なんかこの反トランプを掲げたチェイニーがものすごい大差で負けたっていうのはなかなかびっくりで、これは本当に次の大統領選、(トランプも)あるなみたいな。
小飼:まぁでも島根よりも人口少ないようなところなんだけどね、
山路:ええ、そうなんですか、
小飼:そうだよ、60万切ってる。いないよ、ワイオミング。
山路:そうなんだ、本当にど田舎だな。
「自由でも民主主義でもない」(コメント)
小飼:そうだね、それでもま確かに自民党っていうのが一番凄いよな、名前としては。これを上回るのはさ、朝鮮民主主義人民共和国ぐらいじゃないかな。
山路:そうじゃないから、大きな声で言わないといけないということですね。いやあちょっとなんかじゃあ軽い話行っときましょうか。ジャネット・ジャクソンの話とかいかがですか。
小飼:ああ、すごいね。
山路:不正の話がきつくなったところで(笑)、唐突に軽い目の話を入れてみたんですけど、
小飼:軽いというのか、声の高さの話というか。
山路:これが、ジャネット・ジャクソンの『リズムネイション』っていう曲を、ある型番のハードディスクの近くで鳴らすと、ハードディスクがクラッシュするっていう(笑)、
小飼:壊れるという、ホンマかいっていう、
山路:ホンマかいって、これネタニュースかと思ったんですけど、
小飼:そう、ちゃんとCVEの番号も割り当てられているという、
山路:CVEの番号っていうのは何なんですか?
小飼:ある年の、こういう脆弱性があるという報告で、普通に連番でつけてるんですけども、年に5桁ぐらい行くのかな、
山路:へええ、そんなにあるの、
小飼:そんなにある、ある。かなりちっちゃくて、実際には顕在化しなかったような脆弱性まで報告すれば載せるので。
「どういうこと?」(コメント)
山路:要はジャネット・ジャクソンの『リズムネイション』という曲に含まれているある周波数の音が、そのハードディスクの円盤と共鳴して、まあなんかこう変な振動になってクラッシュしちゃうという、
小飼:だから、ソプラノ歌手が歌うと、グラスがぶち割れるみたいなの、あるじゃないですか、それと似たような現象がハードディスクに対して発生するという。
山路:誰かツイートしてたんですけど、今後ハードディスクメーカーの試験場ではジャネット・ジャクソンの曲がめちゃめちゃ流れることになるんじゃないかっていう(笑)、
小飼:ただこれ確か、脆弱性のあるHDDは2.5インチのやつで、今どき2.5インチのHDDを積んだノートパソコンってあるんだろうか、さすがに、さすがに2020年代にもなって。確かこれ、脆弱性が見つかったPCというのは2005年製だか何だか、
山路:そうか、データセンターなんかで使われているのは3.5インチ、
小飼:今は、いや2.5インチっていうのは絶滅危惧種ではあるね、ポータブルドライブとして、外付けしてバックアップする用途とかっていうのはまだ残ってるかもしれないけど、少なくとも内蔵ではもうあんまりないだろうね。
山路:しかし前、弾さんが事前にトラブルを予測することは、全部のトラブルを予測することはできないと言っていたけれども(笑)、
小飼:まさかジャネット・ジャクソン、
山路:ジャネット・ジャクソンの曲かよみたいな(笑)。
小飼:でもこれってさ、昔のiPod大丈夫だったのかね。最初のiPod miniぐらいまではHDD積んでたじゃん。
山路:2005年だったら、割とありえたかもしれないなあ。だけどまぁイヤフォンで聞きますからね。iPodの場合は。
小飼:それもそうか。
いや、でも昔売ってたよ、iPodごとさ、ぶっ刺すBOSEのスピーカーとかあったじゃん、そういうのでジャネット・ジャクソンの曲流したら、ぶち割れるのかな。(コメントを見ながら)iPodはですね、確か1.8インチだったっけな、ほとんど東芝が独占してたはず、
山路:さすがにこれはそこまで厳密にやらなくても再生できちゃったってことなんじゃないですか、その状況、
小飼:なので、ジャネット・ジャクソンsafeではあったんじゃないかな、脆弱でないほうのドライブだったんじゃないのかなと。
山路:まぁ、脆弱性の正式のナンバー割り当てられるぐらいだから、かなりの再現性があったんでしょうね。
小飼:っていうことになるな。
山路:そんなに特定のスピーカーで鳴らして、特定の何て言うかこう音場でないと再現しないっていうわけではなかったんでしょうね、きっと。
スタッフ:でもこれ、最初に事象が起こった人がいるわけじゃないですか、その人ちょっと気の毒ですよね。
山路:気の毒っていうか、よく気づいたなっていう(笑)。なんかね、そういうのはありますよね、それこそ机のあるところにあったかいコーヒーを入れたカップを置くと、無線LANが切れるみたいなトラブルが起こったっていうのを、Twitterで見かけたことありますね。
小飼:よくちゃんと原因を突き詰められたなというのが、すごい。
山路:本当に、意外にこう物理によってトラブルが起こるっていうのは、今でもあるんですよね。たぶん、電波とか関わってくるものっていうのはけっこう、そういうことがあるんじゃないのかな。
小飼:でもこの場合、音波だからね(笑)。
山路:音波は確かにインパクトありますよね(笑)。
「よくジャネットが原因と気付いた」(コメント)
山路:そこですよ、本当に。そんなん、はっきり言ってこれ、ジャネット・ジャクソンの曲が原因じゃねって言ったら、アホかと思われる、もうネタとしか思えないっていう(笑)、
小飼:マライア・キャリーとかも危なそうだけどね、声の高さから言ったら。いや、Adoちゃんとか、もっとヤバいんじゃねえか、もっともっとぶっ壊せるHDD多いんじゃねえか。音域から言って、どうなんだろう。「うっせえわ!」って言ったら、パリーンってぶっ壊れるわけだ、凄いね。
スタッフ:けっこう友達とかからそういう話とか聞いた時には、都市伝説的なことじゃなくて、ちゃんと真面目に聞いたほうがいいかもしれない(笑)、
山路:いや、99.99パーセントは都市伝説だと思うけどな(笑)。
スタッフ:あはははは、
小飼:いや、でも万が一に、こういうことがあるという。
スタッフ:いや、あの人が来るとさ、Wi-Fiが繋がらなくなるんだよとかってなんか言われたりする時があるんですよ、時々。
『新世界』(コメント)
山路:Adoの『新世界』いい曲ですよね。まあ、けっこうびっくりするようなことが世の中にはあるもんだよなと。
小飼:何もしない、まさに何もしないのに壊れた案件だよね、これは。
山路:じゃこの、ITがらみでもう一つ、でかいニュース。Amazonがルンバを、iRobotを買収したという、これ、
小飼:買ったのがAmazonっていうところがね、
山路:私もルンバ使ってるんで、けっこうこのニュース驚いたんですけれども。これ、なんか買収価格は2200億円って、お安くないですか?
小飼:他にもiRobotって、けっこうね、軍用のものとかも作ってて、ルンバだけの会社ではないんだよね。
山路:しかもルンバって、そういうロボット掃除機としては確かトップシェアですよね。
小飼:というのかね、ロボット掃除機といえばルンバって答えるくらいだからね。いやあ、でもパナソニックとかもやってたみたいだけど、なんか上司が蹴ったみたいだね。それは置いといても。
山路:これ、AmazonがiRobot買って、何かそのプライバシーのデータ抜かれるんじゃないかみたいなことを心配している人もいるとは思うんですけれども、なんか弾さん的にはこれどう見ますい?
小飼:いやあ、Alexaが掃除もしてくれるようになるのか。
山路:割と個人的には楽しみなんですけどもね(笑)。
小飼:そうか、Amazonはこれからはあれか、ゴミの内容を見てサジェスチョンも変えてくるのか。
じつは掃除機が吸うゴミで一番多いのは、もう確か洋服の繊維なので、何を着ているかというのもわかるとか、いやでも掃除機にそこまでの分析能力を、いや、どうやるだろうな、でもカメラぐらいはつけるんじゃないかな、
「自宅の間取りがAmazonに筒抜けになる」(コメント)
山路:そこのところを心配している人が多いんですけれども、
小飼:でもさ、それだったらさ、今でもAlexaのacousticでさ、とれないか、部屋のだいたいの形とかっていうのは。
山路:ああ、音場というか、音の反響でってことね、
小飼:そうそうそう、
山路:HomePod、AppleのHomePodって、
小飼:それやってる、
山路:反響でやってるわけですよね、
小飼:プライバシーをぶっこ抜く機能まであるかどうかは知らないけど、でも部屋の形は把握しますね。
山路:これってさすがに、その間取りの情報とかを取得するみたいなことに関しては。買収に関して許可を出すところがあるじゃないですか、
小飼:SEC。ああ、ごめんなさい、FTCか、この場合は、いや、まあでもこの場合、iRobotが小さすぎて対象になるかな、独禁法調査は入れないだろうな。iRobotって上場もしてなかったでしょ、たしか。会社としてはそんな大きくなかったはず。
山路:そうなのか。え、2200億円の買収でも、俎上にも上らない、
小飼:上らない、上らない、
山路:そうですか(笑)。
小飼:なんだ、1兆円すら行ってないのかという。じゃあ本当に、Amazonがある意味データぶっこ抜こうと思ったら、抜ける感じではあるわけなんだ、この、縛るものはあんまりないわけなんだ。まあそれもな、データのことで言ったら、Amazonでエロい本を買ってたら、そっちのほうがもう完全に筒抜けやろっていう気はしますけれどもね。
スタッフ:すいません、iRobotで間取りがってことは、間取りってやっぱプライバシー的な価値って高いんですか?
小飼:低くはない。
山路:間取り自体のデータっていうよりも、間取りのデータと、そのユーザーというか、そこの生活者がどう行動しているか、あるいは購買のデータとか付き合わせることによって、さらにいろんなデータが、
小飼:財産の程度とかもかなりわかるだろうね。
スタッフ:Amazonがっていうところがポイントなんですね、だから。
小飼:そう。
山路:ただ、ここのところをどこまで、これがたとえば完全に匿名化して、言ってみたらその匿名化した状態で分析っていうのはできるようになってるから、そういうふうにするんだったら別に普通の企業努力の範囲内だとは思うんだけど、それをどこまで、なんていうか、匿名化というのか、した状態で、
小飼:いや、でもAmazonはさ、あなたが何を買うかというのだけではなくて、あなたがどんな本のどのページを読んでるかっていうことも、いちおう知ってはいるわけじゃん。
山路:弾さん的には「今さらやな」みたいな(笑)、心配しても遅いよっていうか(笑)。
小飼:今さら感はあるな。遅いね。
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