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小飼弾の論弾 #235 「全世界を繋ぐ衛星通信、幹細胞からマウスの胚を人工合成、人生は親ガチャで決まる?」
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小飼弾の論弾 #235 「全世界を繋ぐ衛星通信、幹細胞からマウスの胚を人工合成、人生は親ガチャで決まる?」

2022-09-14 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2022年09月06日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2022年09月20日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2022/09/06配信のハイライト

    • 次期Starlinkと「頭ひとつ出たahamo」「静止衛星と通信衛星の違い」
    • 五輪贈賄から島津タイマー、EV爆破、そして「令和の大和」
    • 高温ガス炉開発と『生まれが9割の世界をどう生きるか』紹介
    • 読者質問「教科書的な経済本のお勧め」とゴキボット、人工子宮の倫理と可能性
    • 「カーリングのストーンが曲がる原理解明」と「研究成果開放」「AIと真似放題」
    • 「NASAは月計画に本気出してない」と「伸びる企業が見当たらない」「1ドル200円の世界」

    次期Starlinkと「頭ひとつ出たahamo」「静止衛星と通信衛星の違い」

    山路:弾さん、早速なんですけど、さっきと言うか、つい数時間前のニュースですけど、円安がすごいことになっとるという、141円、

    小飼:あー、懐かしい金額だよね、俺が学生、そこまでは、どうだったっけ。でも、24年ぶりだったっけ、それはもう俺学生じゃない。けど、まぁ安いね(笑)。

    山路:ちょうど10年前とかって70円台だったんですよね。

    小飼:円が安いね。まあ、基本的にドルが高いんだけども。世界的には1ドル140円を上回ったというよりも、1ドル1ユーロを上回ったというほうが大きなニュースかもしれない。

    山路:ユーロも下がっとる、ユーロに対してもドルが強くなってるっていう、

    小飼:ドルが強い、

    山路:これ、なんて言うか、アメリカ景気悪くなるみたいな観測もあったんですけど、

    小飼:コメント6番の方が「円安でウハウハじゃないの」って言ってますけれども、今、僕のうちで一番お金がかかってるのは次女の学費で、

    山路:大変じゃないですか、ドル高円安、

    小飼:それが案外そうでもないというのは、まあもともと僕の現金ってドルやユーロが多かったので、それで直に払うようにしてるので、だからそれほど痛みはないんだけど、でもいざ円に換算してみると、なんじゃこりゃあ(笑)、だって学費が4割上がったのと同じだよ、始まった頃には1ドル100円台だったのに、今140円だよ、ざけんな(笑)。

    山路:ちょっと後でも出てくるんですけど、電通とかの五輪の不正あるじゃないですか、あれ海外のニュースで報道される時、賄賂の額が下がってるんですよね、円安のせいで(笑)。どんどん賄賂のインパクトが少なくなってると言うことなんですけれども。

    小飼:まぁでも払った時にはもう少し円強かったから(笑)。

    山路:いやぁこれ、そういや学費の話で、ちょっと話ずれちゃうんすけど、アメリカのほう、学費免除みたいなことをやるそうじゃないですか、

    小飼:学費というのか、学生ローンですね。

    山路:学生ローンか。これすごくないですか、1万ドル援助。

    小飼:まあ微妙というのか、本当はもっと踏切りたかったんですけれども、これが妥協点だったのでしょうな。いちおう所得制限とかもあるのかな。ただ、所得制限と言っても、家計の年収が12万5000ドルだったっけな、

    山路:日本で言うとそれこそ年収1500万円以上の世帯って話なのかな。これ、共和党なんかめちゃめちゃ反対してたじゃないですか、まぁ共和党はいつもこういうことに反対するんだけども、

    小飼:そうなんだけども、

    山路:これって、そういう学生ローン免除するっていうやり方っていうのは弾さん的にはどう思いました?

    小飼:というのかさ、そもそもそれぐらい出……少なくとも、公立の大学であれば、学費自体をもっと下げられる、下げられるというよりも、ロハにしようと思えばできるだろうと、ヨーロッパとかそうじゃん。

    山路:これ、アメリカの大学って本当、前も言ってたけど、シカゴ大学、シカゴ大学でしたっけ、

    小飼:シカゴって1年ですよ、1年のtuition fees、tuition feesっていうのはまぁ学生寮とかも含んだコストで、アメリカの場合、実質寮なので、とは言っても、もう10万ドル超えてるんですよ(笑)、1年でです。

    山路:なんでそんなに高くなるんですかって、たとえばそのシカゴ大、医学部とはいうわけでもなく? 医学部なのかな、

    小飼:でも、実コストをそのまま反映させれば、当然それくらいにはなるでしょうとは思う。特に実習にお金のかかる学部とかは。med schoolとかは、

    山路:むしろほかのところは寄付金でその分を賄ってるとすら言える、

    小飼:いや、シカゴ大学もそうで、実際のところ、まるっとまともに実費を払ってる学生と言うのはそんなにいないのですけども、留学生ですら、そうです。うちの次女にもそんなにたくさんではないけれども、出てます、返済不要で。それでもってやつですね(笑)。それでもまあ、これ1学期に足りないですね、1万ドルっていうのは。

    山路:ただまぁ本当に、アメリカの平均的な大学生って、それこそ数百万円の借金背負って社会に出るって話を聞いたから、

    小飼:だいたい4万6000ドルぐらいだったっけな、ならしで。

    山路:彼らにしてみたら、1万ドルでも十分にでかいんじゃないかなという気はしますけどね、

    小飼:けっこうでかい、小さくはない、

    山路:こういうのって、日本なんかでももうちょっとやったらええのにと思うんですけどもね。

    小飼:やったらええのにというのか、日本、まあ、あれじゃん、生まれた時から社会人になるまで、子供にはとっても冷たい国じゃん。
     まさに、今日はこの後、この本の話題で出てきますけれども、まさに親ガチャがストレートに反映される国じゃん。アメリカ以上にそうじゃん。

    山路:なるほどね。いやー、なるほど、確かにそれはなんかきつい話ではあるな。
     じゃあ、ちょっと最近あの、最近というか、ここ最近ですごく興味深いニュースとして、このSpaceXの話から行っとこうかなと思うんですが。これ、すごくないですかと。この衛星通信のサービス、しかも普通の端末、

    山路:この普通のスマホを使って、Starlinkの通信衛星を、

    小飼:これちょっと見出しが、あれだよね、ディッシュ不要というのが書いてないといけないんですけど、そう、今までのStarlinkっていうのは、ちゃんと専用のアンテナが必要だったんですよね、一抱えぐらい。車とかには載せられるんだけれども、あるいは家の屋根とかには乗せられるんだけれども、まぁ、ワンクッション必要だったわけですよね。

    山路:それが普通のスマホから、

    小飼:普通のスマホで送受信ができるようになると言う。

    山路:えっ、そんな事っていうのが可能なのかっていうのが、本当にびっくりなんですけども、

    小飼:もちろん原理的には可能なんだけど、もうこれは地上から天体観測をしてる人たちにはすごいバッドニュースですね、

    山路:悪いニュース、

    小飼:はい。なんでかって言うと、同じStarlinkって言っても、今までのやつはバージョン1って言われてて、要するに地上にも受信専用アンテナを用意しなければいけないというのは、バージョン2のほうはもう衛星から変わる。当然、小さい端末を相手にしてるわけなので、それだけ大きなアンテナが必要なんですけども、どれくらいの大きさのアンテナだと思います、

    山路:それをってことは、めちゃめちゃでかいってことですよね(笑)、わざわざ聞くからには、

    小飼:かなりでかい、

    山路:今までのがこんなアンテナとしたら、それよりも2回りとか3回りでかいみたいな、

    小飼:25平米、

    山路:25平米(笑)、

    小飼:5かける5、

    山路:下手なワンルームマンションより広いという(笑)、

    小飼:そうなんですよ。

    山路:マジですか(笑)、

    小飼:そうなんです、それを何千基もデプロイするわけですよね。

    山路:へええ。めちゃめちゃ観測が、天体観測しにくくなると、バージョン1の時に、Starlinkって対策するよみたなこと言ってたんですけど、バージョン2ではそんなこと構ってられないみたいな、

    小飼:しかもアンテナだけではなくって、だから当然それに給電するためのソーラーパネルが必要で、そのソーラーパネルのスペックっていうのはちょっと僕聞いてないんですけど、それもけっこうなデカさになるでしょうね、

    「底面を黒に塗ってるから許してみたいなこと言ってた」(コメント)

    山路:これバージョン1の話じゃないかな、

    小飼:行ってたけれども、バージョン1もそうで、バージョン2はもっと黒くするはずですけれども、それくらいでいいのかって、確かに望遠鏡見せてもらって、ばっちし見えるもん、今のStarlinkでも(笑)、

    山路:しかしイーロン・マスクからしてみると、天体観測、地上からするなよみたいな感じなのかな、

    小飼:あともう一つ重要なのは、打ち上げにスターシップが必要です、今のファルコン9では打ち上げられない。だからスターシップが遅れると、Starlink2も遅れることになります。

    山路:へええ。ただもう、T-Mobileって携帯電話会社と契約したよって発表してましたよね、

    小飼:そこもすごいところだ。

    山路:ということは相当実現性が高いというか、もうすぐにでも、

    小飼:あとは衛星をデプロイできさえすればということで。だから、もうスターシップ次第ですね。でも実際にデプロイされたら、本当に夜空どうなるのかなっていうのが。でかいよな、アンテナだけで25平米っていうのはでかいよな。

    山路:これって、これがもしもそのStarlinkのこのバージョン2のサービスが始まったら、けっこういろんな国の政治体制とかに影響あると思います?

    小飼:どうなんでしょうね、ちなみにYouTubeとかNetflixとかはダメですからね(笑)、

    山路:つまり通信、いっぺんに送れるデータ量はそんなに多くない、

    小飼:端末一個あたり、1megabpsぐらいか。なんですけれども、普通のgigaがなくなった時の、低速化した128kbpsよりは速い、

    山路:緊急のメッセージ送ったりするには十分と、

    小飼:SNSとかは全然余裕、

    山路:だけど、そういうふうに、たとえばウクライナとかの、ウクライナとロシアのところでStarlinkがけっこう通信設備を提供してたりじゃないですか、そういう用途なんかとして普通のスマホでそういう近いことができちゃったりもするのでは?

    小飼:ああ、でも、ものすごい革命的かって言うと、ほとんどの人というのはまあ都市部ですとか、あとは道路ぎわとか、まぁ要するに普通のセルラーネットワークの中にいるわけじゃないですか。そういう人たちっていうのにはあまり恩恵はないんだけど、山に登る人とか、まぁ要するに僻地に用事がある人っていうのには、もうこれはもう福音中の福音ですね。

    山路:しかもそのT-Mobileが、今んところちょっと言ってるのは、追加のサービス料取らないみたいなことも言ってたりするわけじゃないですか、

    小飼:普通の電波っていうことだよね、

    山路:一体どんな契約なんでしょうね、Starlinkと、

    小飼:なんですけども、最近の傾向として、距離によるチャージというのはなくなってきましたよね。ここでちょっと話が飛ぶんですけれども、ahamoもっていつ始まったんでしたっけ、去年だっけ、一昨年だっけ、

    山路:なんかそんなものですよね。

    小飼:僕もついに変えたんですよ、ahamoに。

    山路:それはApple Watchを使うため?

    小飼:そうそう、Apple Watchにも対応してたというのと、あとまあそんなに回線切り替えができたっていうのが大きいんですけども。ひとつ美味しいのは、ローミングチャージ取らないんですよ。要は海外でもそのまま使える。海外でもextraを取らない、20giga byte以上では。ただし一つ注意点があって、ahamoの場合というのは、海外で15日間連続して使うと低速モードになってしまう。だからあくまでも、短期間の旅行者向けという、

    山路:これは15日間使って、休んだらもう1回使えるって言うんではなくって、

    小飼:ドコモ回線にもう一度繋がないと、

    山路:ローミングじゃない回線に1回戻さないといけない、

    小飼:いけないんだけど、でも、何もしなくてもそのままスパンと繋がって、余計な料金も取らないという。

    山路:へえ、たしかにそういうの聞くと、(既存の携帯電話会社が)Starlinkのサービス無料乗っけるぐらい、できそうな気が、

    小飼:それはahamoだけがすごいって思うかもしれないけど、それよりも前にGoogle Fiが、もう少し料金が高いけれども。そっちのほうは15日でローミングやめるって言うのも、確かなかったはずなので。そうやって考えると、もう世界のどこでも繋がるって言うのは、むしろ常識化するはずなんですよ。

    山路:なるほど。

    小飼:固定電話も、IP化されて、ついにそのインフラのほうのアナログ回線というのも来年だったっけ、になくなりますっていうのがたぶん、皆さんの、もう固定電話持ってる人にはバンバン来てると思うんですけれども。それもそうなった暁には、市外通話料金というのがなくなると。なにを今さらではあるんだけども、

    「弾さん髪切った」(コメント)

    小飼:えーとね、じつは前回切ってたんですけどね(笑)。気がつかれたというのが今だったという。

    山路:電話料金って、どうやって原価計算するのかって、普通の人からちょっと想像できないところがあるから、もうある意味通信会社が言ってることを言い値で払ってるとこありますよね。

    小飼:あのですね、インターネット以前の時代というのは、アメリカにパソコン通信でつないでて、月の電話料金が30万円とかっていう人たちがゴロゴロいたんですよね。

    山路:私も自分で経験はないけど、よく聞きはしましたね、知り合いから(笑)。弾さん自身はやんなかったんですか、そういうの、

    小飼:僕自身はあくまで国内で繋いでましたけど、専用線を、128kbpsの、今の携帯電話だとギガがなくなった時の低速モードの速度の専用線に月30万円払ってました。

    山路:そうか(笑)、そう言われて比較するとすごいなあ、確かに今の。

    小飼:すごいものですよね。でも、ahamoと、KDDIが何だったっけ、povoだったっけな、

    山路:povo、

    小飼:で、ソフトバンクがLINEモバイルだっけ。その三つの中では頭一つ抜けてる感じがありますね、パッと比べてみた感じでは。

    山路:そういうローミングとかで、

    小飼:いや、だからほかも追っつけ(笑)。

    山路:すごいな、改めてよくよく考えてみたら、インターネットが覆っとるわけだから、電話のところでいちいち国をまたぐと金が発生してたっていうのがおかしいちゃおかしいですよね、

    小飼:だからもう、人類にとっての最低限文化的な生活用品まで、あと一歩じゃん。

    山路:これは本当に何か、電話代はもうその、タダみたいな世界になってくるのかもしれない、

    小飼:だから通信のほうが先に来たんだよね、エネルギーでなくて。この後も話題出るかもしれないけど、

    山路:潤沢経済的な文脈で。

    小飼:先にパケ放題が来た、エネ放題の前に。

    山路:そうだこれ、衛星通信の話が出たところで、ハッカーが人工衛星を乗っ取ったよっていうなんか記事が出てたんですけど、つまりこういうことが起こると通信衛星ってこれからバンバン増えないわけじゃないですか、そういうことの脆弱性ってのが、じつは大きな意味を持つことになってったりしないんですかと、

    小飼:ただこの同じ人工衛星というのは、静止軌道にあるやつですね、

    山路:Starlinkとかよりもずいぶん高い、

    小飼:はい、アナログ時代からあったやつです。

    山路:それはしかし、今後捨てられる人工衛星自体は増えていくわけじゃないすか、それとかを精密に狙って、

    小飼:一口に人工衛星というふうに言っても、Starlinkみたいな低軌道、LEO(Low Earth orbit)の通信衛星と、静止軌道にあるやつっていうのは、色んなスペックが違う。まず、絶対的な距離が違いますよね。赤道3万6000キロ離れてて、それに対してStarlinkとかっていうたかだか数100キロなんですよ、もう地面を這ってるようなもんです。

    山路:ほー。

    小飼:だから同じ衛星って言っても、ぜんぜん別物で、静止軌道のやつっていうのはよく勘違いされるのは、大気圏を離脱して、衛星軌道に乗ればすぐ到達すると思ってるでしょ? 違うんですよ。静止軌道にたどり着くには一月ぐらいかかるんです。まず、ものすごい長楕円軌道に乗るわけです。一番地球から離れた部分っていうのが3万6000キロ先で、一番近い部分っていうのはもう、ギリギリ地球に落ちないぐらいの、まずこうきて、こうきて、これを徐々にこうしてって、だからかなり大変なんです。
     でもよく誤解されて、すぐ静止軌道に行っちまったよーみたいなのってフィクションに出てきますけど、ブッブー! 大変なんです、けっこう。

    山路:ハッキングに関して言うと、たとえば既にある静止衛星に、なんかの衛星をハッキングする機能を持たせたものでハッキングするってことは可能なんですかと。

    小飼:それは各衛星次第で、昔の静止軌道にある通信衛星っていうのは、物に例えるとdumb hubなんです。リピーターなんです。

    山路:要はそこに処理するようなロジック半導体みたいのものが入ってないというか、

    小飼:てないし、遠くにあるので、制御用の信号を送るのも、直径数メーターもあるパラボラアンテナが必要なんですね。そもそも制御信号を送るのが大変なわけです(笑)。

    山路:ある意味、物理的に守られてるわけだ、

    小飼:そうそう、物理的に守られてるんです。に対して、Starlinkとかの地上にずっと近いところにいるような通信衛星っていうのは、まさにルーターなわけです。そもそも制御信号だけではなくて、通信自体、暗号化されてるわけですよね。だって、そうじゃないと課金できないじゃん。そうよ、課金あるのに、そのうちパケ放題になるかもしれないけど、基本的には従量課金できるような仕組みになってるわけだから。

    山路:とりあえずは、こういうこと、ハッカーが乗っ取るみたいなことを大げさに脅威として捉える必要はまぁあんまなさそうだなという、

    小飼:だけども、確かに、こう言っちゃなんだけども、十把一絡げでしょう、同じ衛星って言っても。静止衛星と、低軌道の衛星ではありとあらゆるものが違うんだよっていうのを知られて、ぜんぜん知られてないでしょ、

    五輪贈賄から島津タイマー、EV爆破、そして「令和の大和」

    山路:なるほどね。じゃ、ちょっと天の話から地上の卑近な話なんですけど。この最近でめちゃめちゃでかかった五輪のやつですよね。

    小飼:五輪五輪、

    山路:今日も、昨日今日もまた何か新しいやつが見つかったという、KADOKAWA。KADOKAWAまで名前が出てきて、

    小飼:はい、

    山路:どうすんだという、これ。

    小飼:だから、なんでもっと早く捕まえなかったんだよって言う。いや、あれなんだよ、もっと検察が仕事速かったら、オリンピックという悲劇が起こる前に未然に防げたかもしれないのに。やってからじゃ遅いよ、too lateだよ。

    山路:長野の時って、ぜんぜん捕まえられなかったじゃないですか、

    小飼:ね、帳簿燃やしたのにね。

    山路:それに比べて今回ってかなり挙げてませんかと、容疑者を。

    小飼:でも、これも、

    山路:小物?

    小飼:晋三君が亡くなったおかげなの? 何でこのタイミングでっていうのはあるよね、

    山路:それはすごい、AOKIと大広とKADOKAWA、これで終わりじゃないっすよね(笑)、どうせ。

    小飼:で、夏野さん、なんて言ってたんだっけ、

    山路:自分が社長の時じゃないからって話が、

    小飼:オリンピックをやる前に、オリンピックに反対する人には何て言ってたっけ?

    山路:ああ、ちょっと忘れちゃったけど、何て言ってたっけ。覚えてる人います? ピアノが、あ、ピアノの発表会とは違うんだよみたいなこと言ったんだっけ、

    小飼:そりゃ当然ピアノの発表会のほうが重要ですよ、はい。

    山路:子供の弾く、それぞれの人の家族の発表会のほうが重要だろうって言う、

    小飼:そのとおり、そのとおりです。

    「統一教会の話題から逸らしたいんじゃないか」(コメント)

    小飼:いやあ、そういう意見は多いよね。でも統一教会と繋がってるかもしれないね、これは。

    山路:これはただ、ばらしてる、リークしてる側にもしかしたら、意趣返しみたいなのがある、それはわかんないですけどね。これもう一つ、ダメダメ不正ニュース、早めに悪いニュースいっときましょうか、

    小飼:bad news firstというわけですね(笑)、

    山路:これ、島津製作所の島津タイマーですよ。

    小飼:おー、まだ切り替わってない、これね。よくソニータイマーとかっていう(笑)、ちょっとソニーには悪いけれども。でもこれ本当にタイマーでやってたという。

    山路:これさ、ちょっと今までのその日本企業の、検査とかを手抜いてたとかというよりも、さらに積極的な悪事ですよねという(笑)。

    小飼:これ、あらかじめ客にちゃんとこれ説明しているのであればOKだと思うというのも、今どき、大抵の車っていうのはオイル交換ランプとかが点くようになってるのでも、それもオイルの品質をチェックしてるのではなくて、最後に交換してから何キロ走ったからという、まさにタイマーですよね。

    山路:これに関してはそんなことではなかったみたいですね、

    小飼:でも実際にオイル交換するかどうかっていうのは、そのwarningが点くでしょ。で、実際にオイルを見てみて、確かに汚れてますねっていって交換するか、もう少しいけますねってするかどっちかなんだけど、これの場合違うからね。タイマーの存在そのものを隠蔽してたわけだから。

    山路:なんていうか、しかも島津ってノーベル賞受賞者まで抱えている企業じゃないですか。

    小飼:それを言ったらね、佐藤栄作ですらノーベル賞持ってるわけで、

    山路:例がすごいな(笑)。いやー、なんか、こういう日本企業、日本企業だけじゃないんですけども、こう不正相次ぐとなんかガッカリしちゃいますけどね。この海外の不正はまたもっとすげー不正もあるよっていう話もしときましょうかね。

    小飼:あーー。いやでもこれは不正扱いではないんだよね、これはこれで深刻だと思うんだけども、いや、でも、これなんかすごかったね(笑)。

    山路:この、なんていうの、

    小飼:アクサがやってたやつだよね、これ、

    山路:要はEVが危険だってことを示すために、もうバッテリーは取り外して、そこに火薬か何か仕込んで爆発させて(笑)、EVは危険だって主張するビデオを作って流したという(笑)、これってなんかTeslaから訴えられてもおかしくないんじゃないですか。

    小飼:死体に爆薬仕込んで、人間はfire hazard(火災を引き起こす危険物)だというが如き。何でそこまで捏造する必要があったんだろうかね。あ、あれか、保険料高く設定したかったのかな、単純にそういうことだったのか。

    山路:そういう、EVが危険だから、EV用の保険は高くしたいっていう、

    小飼:それで話がちょっと変わっちゃうけど、じつはですね、うちの車のウィンドシールドも、石跳ねで交換、要交換になって、車両保険使ったんですけれども、石跳ねというのは事故じゃないですか、なんだけども等級が下がると言うね、

    山路:え、保険料の?

    小飼:事故ではないけども、保険使うと等級が下がるんですよね。だから来年2万円ぐらい上がるんだよね。しかも僕が入ってた車両保険というのはそんな高いやつではないので、免責分というのが、deductibleがあるんですよ。
     実費が17万円に対して、あれかな、自己負担分が5万円プラス、来年の保険料がプラス2万円という。

    山路:まぁでも、それでも保険は使ったほうが得、

    小飼:得です、というよりも、初めて車両保険役に立ったわという(笑)。

    山路:それは運がよかったけれども、それでも保険入っててよかったですねっていう(笑)。なんかこう、しかしなんでこういうふうなすぐわかっちゃうような、これの動画だって、すぐに専門家が調べてわかっちゃったわけじゃないですか、なんでこうバカみたいな嘘をつく、

    小飼:いや、それ考えたら、ディーゼルゲートってかなり手が込んでたよね、よく見つけたよなとは思う。

    山路:あれは検査機のほうに仕掛けたんでしたっけ、ある条件だったら誤魔化すみたいな、

    小飼:ソフトウェアでやってたから、あれは本当によく見つけたなあと。まぁでもそれ言ったらさ、スマホとかでも、ベンチマークソフトが動いてるというのを検知して(笑)、

    山路:あったなー、

    小飼:あったなというのか、今でもあるんじゃねーかと言うのがね(笑)。

    山路:まだ見つかってないだけで。ちょっとその脱力するニュースは早めにってことで、この弾さんが一番脱力しそうなニュース、早めにやっときましょうか。これかな、これどうです? 早めに片付けとかんと、

    小飼:やるに事欠いてさ、要は地上に置いとけなくなったので、お船に乗せましょうっていうわけだよね、それでズムウォルト級よりもでかいお船を作りましょう、

    山路:ズムウォルト級っていうのはけっこうデカいんですか、

    小飼:デカい、駆逐艦のはずなのに1万5000トンあって、巡洋艦よりもデカい、モスクワよりもデカい。

    山路:これ、巨大なイージス艦を作ると考えていいんですか?

    小飼:ではなくて、イージス・アショアって言ってたじゃないですか。山口県と秋田県に作るっていってた。ところが場所を選定する時に、分度器、手で当ててっていうのを秋田魁新聞にすっぱ抜かれちゃって(笑)、まあ要するに政治的にポシャったわけです。

    山路:こんなんじゃ、ミサイルが落ちて、ぜんぜん防衛には役立たないってことがわかっちゃったんでしたっけ、

    小飼:防衛には役立たないじゃなくて、もうまるっきり嘘だったんですよ。

    山路:あーそっかそっか。

    小飼:要は、他のこの位置でないと、山が邪魔になると。その山の位置というのを分度器で測ってた。

    山路:そいつらが同じように(笑)、

    小飼:それよりひどくなってるの、

    山路:ひどくなってるの?

    小飼:ひどくなってるの、だから費用はずっとかかるわけよ、地上ではなくて船に乗せるっていうから。

    山路:新造艦なわけですもんね。

    小飼:新造艦どころか、今の日本のイージス艦っていうのは、満載排水量が1万トン前後、昔で言うと軽巡洋艦ぐらいあって、モスクワよりもちょっと小さいぐらいなのかな。の、倍ですからね。

    山路:ほー(笑)、だから「令和の大和か」みたいなことを書かれてるわけなんだ。

    小飼:そう。だから「大和か」ではなくって、よりによって地上用のやつをもう買っちゃったから載せるしかないよねとかって、いや、だからそんなもの違約金払ってキャンセルしろや、バカ!

    山路:(笑)返品不可なんですかね、ノークレームノーリターンみたいな条件で買ったんですかね。

    小飼:一隻、あの東京オリンピックの時に、新国立競技場が、ザハ案が高すぎる、建築しにくすぎるって言うので一度蹴ってさ、なんだったっけ、隈何某の、あのクソみたいなデザイン、に決まったじゃん、一隻の値段がそれ超えるぐらいに(笑)、

    山路:ゾッとするなあ。

    小飼:ゾッとするでしょ。でも、そもそも、MDって役に立ってるの、

    山路:MDってミサイルディフェンス、

    小飼:僕はどっちかっていうとMD否定的なんですよね。どういうことかって言うと、まず、昔からミサイルを撃ち落とすミサイルというのはあったんですけれども、当初弾道ミサイルを撃ち落とすためのミサイルというのは、それ自身核ミサイルだったんです。

    山路:あー、そういうゲームもありましたよね。

    小飼:はい。これは核ミサイルで核ミサイルを迎撃してたら、これきりがないだろうということで、迎撃ミサイルはよしましょうというので、ABM条約というのを、まだソ連だった頃ですね、アメリカ結んだんですね。

    山路:Anti-ballistic missile、

    小飼:はい。時は流れて、ソ連も崩壊して、ハイテクが進んだ結果、核ミサイルではなくて、キネティック弾頭と言って、要はじかに直撃させるということが可能になってきた。それでミサイルを撃ち落とす、それも直接、直撃させて撃ち落とすっていうのができるようになってきたっていうことで、MDっていうことを言い出したんですけども、そのおかげでABM条約というのやめちゃったんですよ。

    山路:じゃあ、核は逆に使えるようになっちゃったていうこと?

    小飼:っていうのもあるんですけれども、当然、弾道ミサイルというのは、要は迎撃しようがないっていうのが一番の強みだったんですけれども、撃ち落とせるようになっちゃったと言ったら、これは対抗手段というのは当然考えますよね、撃ち落とされる側としては。それで出てきたのが極超音速ミサイルというやつで。

    山路:これって条約のことなくても、極超音速ミサイルって現れてきたんじゃないのかという気も、

    小飼:せっかく弾道ミサイルがあるのに、わざわざ開発するかということですよね。
     弾道ミサイルっていうのは、たんに速度が速いだけではなくって、移動効率もいいんですよ。要はほとんどの時間、弾道ミサイルというのはもう慣性で飛んで、ただ何も噴射とかもしないで、しゅーっていうふうに動いてるだけなので。それに対して極超音速ミサイルっていうのは、ずっと、

    山路:噴射してないといけない、

    小飼:そう、噴射してなきゃいけない。だから運べる弾頭っていうのがずっと小さくはなる、ずっと小さくはなってしまうけれども、迎撃不能という点では意味があるわけですね。というわけで、静かに軍拡競争が始まってしまったっていう側面はあるわけですよ。こう言うのもなんですけれども、ウクライナ戦争の遠因にもなってるわけですよね。

    山路:なるほどね。ここで、

    小飼:なまじハイテクならいいというものでもないんですよね。で、じゃあ今までの戦果はどうだっていうふうに言うと、これはご存知の通り、日本も開発に協力してます。で、おかげで当初「日本には空母もないのにイージス艦持つなんて」なんということだって言ってたんだけど、MD用に役立つじゃないかという意見もあるんですけども。実験もしてるんですけど、全部撃ち落とせたわけじゃないです。百発発百中ではないです。

    山路:でも、それなりの精度だったんですよね。

    小飼:それなりの精度です、もちろん何基か撃ち落とせたので、実戦配備っていうことになったんですけれども。まぁでも、実際のところ半分以下じゃないでしょうか、

    山路:そんなもんなのか、

    小飼:いや、それだってすごいですよ。だってマッハ20から30で動いてるものというのに正確に当てるわけで、凄い技術ですよ、これは。だから、それで2発撃って1発も当てるんだから、これはすごいことなんです。

    山路:そうか。

    小飼:なんですけれども、当然それだけの精度でぶち当たる、ぶち当てるミサイルというのはそんなお安いはずはないです。まあ1発いくらというのは、こういったものというのはほとんど開発費なので、適当ではないんですけど、2、30億だと言われてます。だから撃ち落とす対象道よりもずっと高いんですよ。

    山路:あー、なるほど。

    小飼:よくあるじゃないですか、数万ドルのドローンをで数百万ドルのミサイルで撃ち落としたり。じつはだから、MDで本当にきちっと防衛しようと思ったら、本当に金がいくらあっても足りない状態になる、

    山路:これだったら冷戦のほうがマシってことなんですか(笑)?

    小飼:ってことになりかねないでしょ。実際に、冷戦が終わった頃には、peace dividend、平和の配当っていう言葉があったじゃないですか。どこ行っちゃったんですか。

     
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