「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2025年03月25日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2025年04月08日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2025/03/25配信のハイライト
- 「司法の中では一番腐ってるのは検察」と「プーチンはヤクザ、トランプはチンピラ」
- 「非実在青少年の規制」と「農家に保全料を払う」
- 「台湾の危機感」と「詐欺の新手口」
- 「株を勝手に売買」と「狂犬病ウイルスの弱点」
- 「ヒルベルトの第6問題」と「情プラ法でどう変わる?」
「司法の中では一番腐ってるのは検察」と「プーチンはヤクザ、トランプはチンピラ」
山路:さっそくですが、あったかくなりましたよねー。
小飼:ねえ。
山路:桜もちらほら咲いてるところが。
小飼:いちおうなんか東京では今日開花宣言が出たみたいですけれども、うちの一番近所のやつはまだかな。
山路:しかし、空、霞んでるじゃないですか。
小飼:いや、でもつい1週間前は雪降ってましたからね、これキツいわ。
山路:空、霞んでるのは黄砂で、それが花粉と相まって、なかなかちょっと雪は雪でキツいけどこっちはこっちでまたキツいっていうのがあるんですけど(笑)。私、そんなに花粉症ひどくないんですけど、めちゃめちゃ眠くなりますね、たぶん花粉のせいだと思うんですけど。
小飼:まぁ僕も数年前に発症したんだけれども、それで薬もらうわけですよ、で、効くわけですよ。で副作用として眠くなる(笑)。まあでも、新しい薬っていうのは、いわゆる第2世代の抗ヒスタミン剤っていうのは眠くなりにくいって言う口上はありますよね。だから第1世代のやつは睡眠薬として使えるほど眠気が強くくるんですよね。
山路:いちおう私のも第2世代だと思ったんだけどな、まぁ夜に飲むようにはしてますけど。
小飼:今、花粉症で処方されるやつは100パーセント、第2世代だとは思います。
山路:日中ものすごく眠気っていうじゃないですけど、なんかふっとこう眠気がやってくるというのがあるんですよね。寝てはいるんだけど。いやー、なんか、なかなか完全に快適な季節って日本で意外に少ないですよね。
小飼:いや、秋なんだけどもなぁ、だから秋が本当になんか下手すると1週間くらいしかないんじゃないかという(笑)。
山路:ということでちょっと春っぽいニュースとして、これいきましょうか、1本目。春っぽい? (笑)、
小飼:春っぽい。
山路:いよいよ始まったな、みたいな。
小飼:ずいぶんかかったね。やっぱり政治家に鼻薬を嗅がせるところまで行ったからね。あのね、オウムはDIYしすぎた。
山路:(笑)人を使うのが下手だった、
小飼:政権党に食い込む鼻薬を嗅がせるっていう方向に行かなかった。
山路:しかしこの問題って銃撃事件以降、一挙に進んだ感がありましたね。
小飼:だからなんと言えばいいのか、一番の味方をやられてしまったというね。一番の味方をやられても、なおあれですかね、これだけ。いや、だから銃撃事件からどれくらい経ってます? 4年?
山路:そんなもんですよね、3、4年。それでまた公判が行われてない、
小飼:そうなの。これは本当にひどいよね。これは襲撃犯の弁護人はちゃんと突っ込んでるのかな。これはもう立派な違憲、ただ日本の場合、公判がなかなか始まらない、始まってもなかなか判決までたどり着かないっていうのは、まあこれも日常でして。物事を法的に解決するというのが滅多に起こらない理由でもあるんですよね。いや、だから日本の司法というのは、役に立たない。特に民事の場合役に立たないと。だから、他の解決法に走るわけです。ヤクザさんに頼んだほうが早いと。
山路:かなか公判が始まらないのは、しかし裁判所の意向というよりは、
小飼:検察、
山路:ですよね。なんていうのかな、裁判に場に移させないようにするサボタージュのように見えるんですけど、
小飼:日本の司法の中では一番腐ってるのは検察です。
山路:きちんとしたその司法手続きに乗らないようにサボタージュしてるように見えて、本当に、
小飼:というのか、刑事追訴権を独占してるわけですよね。だから、刑事で訴えられるのは検察だけなんです。
山路:前、アメリカと比較した話してましたけど、アメリカでは刑事事件に関しては、検察が独占してるっていうことではない?
小飼:独占してるっていうことではないです。で、基本的には各自治体なんですよね。だから、郡のDA、District Attorney、その郡に所属している、検察って言い切っちゃいけないんですよね、Attorneyなので。司法官と言えばいいのかな。州のDAも、追訴権あります。あと連邦のDAにも追訴権があるんですよ。はい。というわけでまぁちょっとややこしいんですけど、これ。非独占なわけですよね、
山路:非独占のほうが、こういう事件は進めやすいものなんですか?
小飼:そこはどうかっていうのはちょっと言い切れないんですけれども。
山路:つまり結局、どこか組織同士で取り合いになるということがあるのではないかと。
小飼:しょっちゅうあります。その場合はどっちに優先権があるのかっていうのも決まってはいるんですけど。だから大抵はより大きな組織。
山路:そっちはそっちでたぶんいろんな問題もあるんだろうけど、とりあえずその公判とかっていうのは日本なんかよりはるかに早く行われますよね。
小飼:日本はちょっといくらなんでも遅すぎるというか。
山路:これって正式な裁判を経てないのに懲罰を与えてるみたいなもんじゃないですか。
小飼:その通りです。いちおうそれに対する救済措置というのもあって、たとえば懲役何年とかっていった場合には、勾留期間っていうのはちゃんと引いてくれます。
山路:だけど、それって期間引いただけで割に合わなくね、みたいな。
小飼:全くもってその通り。
山路:本当にひどい話だと思いますけどね。
あと、そもそもこの教団の話にちょっと戻ると、私、なんで宗教法人ってこんなに優遇されてんのみたいなところっていうのがかなり不思議で。
小飼:優遇されてるというよりは、一種の停戦協定、
山路:停戦?
小飼:なんですよ。だから昔から教団というのは単に宗教の教えを布教してるだけではなくて、まつろわぬものを武力で成敗してきたという歴史があるわけです。
山路:比叡山の僧兵とか、
小飼:そうそうそう。本当に、第六天魔王対一向宗だとかね。だから日本でもそうですし、ちゃんと日本にキリスト教を布教させようとしてきた、
山路:イエズス会?
小飼:そう、ジェズイットも、隠れて日本人を奴隷として売ってたりもしてたわけで。そういった意味で、いざとなったら腕力に訴える集団だったんですよね、宗教団体というのは。
山路:だから宗教法人っていうのはいつ何時、力を持って集まって、
小飼:世俗的な政府とは一種の休戦状態なわけです。休戦協定として税金の免除だとかっていうのを得られてるっていうところがあるわけです。
山路:不信心者からすると、信仰の自由と言いつつ、みんなで集まって布教しようみたいなふうに組織を、団体を作るっていう概念を不思議に思っちゃうんですけどね。
小飼:だからそれは政府としてはあらゆる宗教を平等に扱いますと。たとえばキリスト教教会に対して与えてる免責というのを仏教に対して。与えないというのは、これはダメなわけです。だから新興宗教であろうが世界最高の宗教であろうが、平等に扱いますよという。
山路:人間の本性みたいなもんなんですかね。信仰心で集まっちゃうっていうのは。
小飼:まぁ惰性ですよね。いや、だから、弾圧が足りなかった、僕に言わせれば。いや、だからソ連ですら弾圧しきれなかったという見方はできますけれども。でも、日本の場合は一神教に乗っ取られない程度には強く弾圧したんですよね。
山路:うーん。そういう見方もできるわけか。
小飼:そう、長崎で26人、磔にしたわけですよ。
山路:それで日本で一神教がそんなに普及しなかったというのはあるのか。
小飼:で、島原の乱も鎮圧したわけですよね。
山路:その割には仏教とか神道のほうとは、割と昔から、早い段階で、
小飼:いや、もうもっとバチバチやってたじゃないですか。弾圧しきれなかったわけですよ。
山路:そっか、もう明治。その神仏毀釈とか、
小飼:あの辺のあたりっていうのも、だからあれはうまくやろうとしても、やっぱりやりきれなかったわけでしょ。鹿児島では、鹿児島というのか薩摩ではかなり徹底したみたいですけどもね。それでも仏教を日本から払拭するには至らなかったわけですよね。
「弾圧、できてたら」(コメント)
山路:って、たぶんそれはもうできなかったんでしょうな。なんか結局、人は本質的に救いを求めちゃうから。
小飼:そうですよね。でも本当に、安土時代とかそんなに大して昔じゃないじゃないですか。500年弱じゃないですか。でも、その頃はさ、長島を丸ごと3万人、老若男女をまとめて皆殺しにしてたわけですよね。
山路:改めて考えると宗教と政治の付き合い。関係って非常に危ういところに、
小飼:いや、というよりも宗教のほうが先なんです。宗教のうちで、世俗的な宗教から世俗を残したものというのが政治ぐらいに考えたほうがいいぐらい。
山路:なるほど。「まつりごと」ということですね。
小飼:そうそうそう。そう、政治ですら、祭りごとなので。
「中国でも宗教は弾圧しきれてない」(コメント)
小飼:はい、法輪功の皆さんを見れば。中国、かなりやったんですけれどもね。
山路:この弾圧方針は弾さん的にはOKなんですか(笑)? 人権とどうやってバランスを取ればいいですかね。
小飼:それを考えたら、天然痘を我々は弾圧したわけじゃないですか。
山路:天然痘は人間ではないですけどね。
小飼:だから本当に感染する病原体なんですよね、宗教というのは。だから必ず新しいのが出ては、激化する前に弾圧すると。
山路:そういう目で見るとカルト宗教に対する対策っていうのもまた違ったのが見えてくるところがありますな。
小飼:いや、本当にこう言っちゃなんだけれども、なんでメッカとか焼き払わないのかな。これはじつはアンチイスラムの考えでなくて、プロイスラムの考えからしてもそうなんですね。どういうことかっていうと、今のメッカというのは金権まみれなんですよね。
山路:参拝料的なもの?
小飼:でなくて、世界で一番建築費がかかったビルディングが建ってます。だから、600メーターの時計台を兼ねた。
山路:へぇえ。
小飼:金にまみれてるんですよ。どう考えても、預言者が今のメッカを見たら、もう一度戦火で焼き直すでしょうね。もちろん僕はイスラムではないので。あくまでも非信仰者としての。外からの意見としか言えないですけども。でも、君たちが主張してることというのをそのまま同じように持ってけば、今のメッカのありようというのは許せるんですかっていうのは。
山路:イスラム教徒も身内には甘いということですわな。
小飼:っていうのか、イスラム教徒というのでまとめられないんですよね。だから、スンニとシーアがあるし。大きな派閥だけでも。
山路:じゃあちょっと、その国際の関係の話に行こうかと思いますが。相変わらずトランプ飛ばしてるじゃないですか。たとえば、フランス人の研究者が入国拒否されちゃったりとか。
小飼:これはトランプではなくて、トランプに忖度したやつが。まあでも忖度するよね。忖度しなければ。それこそYou are firedって言われかねないので。
山路:さらに、もっといろいろやらかしがありまして。たとえば、これなんかも。相当やらかしじゃないですか。アメリカの機密計画を誤ってメディアの記者と。
小飼:いや、まあでもこれは第1次の時にも衛星写真を公開しちゃったことがある。あの1枚で、もうアメリカの軍事衛星にどれだけの性能があるのかっていうのももろバレだったっていう事件があったじゃないですか。
山路:第1期の時、確かヒラリー・クリントンが連絡手段に自分のメールを使っちゃったみたいなことでめちゃめちゃ責めたりもしたくせに、このありさまですよという(笑)。まあそんなこともう今、誰も言ってもしょうがないんだけれども。ちょっと極めつけというか、ウクライナの原発をアメリカが所有してはどうかということを言い出した。
小飼:まぁこんなのばっかりだよね。これはパナマ運河とか、グリーンランドとかと同じです。火事場泥棒なんですよ。もうそれで説明がついちゃう。
山路:本来、アメリカに何の権益もないのに。
小飼:そうそう。
山路:なんか困っているところに行って、助けるふりをしてその代価としてという。
小飼:そうそうそう。
山路:これってゼレンスキーは拒否してるって、まあ当然だと思うんですけども。これってどれぐらいの現実味があると思います? つまり、他の、窮地に追い込まれた時にこういうふうなことをウクライナが認めることってあり得ますかねと。
小飼:ウクライナが認める、ね……。
山路:追い込まれた時にもうしょうがないかって手放すみたいなことってあり得るんだろうか。
小飼:それはあり得なくはない。でも、今の形ではダメだね。いや、これもべつに今のウクライナの政権に原発くれって。言ったわけではないでしょ。正式な外交ルートを通して。だから、ロシアには言ってるわけですよ。だからもう問題はそこなんですよ。
山路:要は頭越しに。
小飼:頭越しというよりも、今のトランプ政権というのはロシアの傀儡政権だと思って間違いないです。
山路:ロシアの偽情報をトランプは本当に信じ込んでたりもするんですか。
小飼:するするする。いや、だからCIAとかからのインテリジェンスよりもよっぽど信用してるんじゃないですか。だから前にも言ったでしょ、ハンロンの剃刀だって。
山路:無能で説明できることに悪意を見出すなという。
小飼:そうそうそう。
「ヤクザより悪いやつ」(コメント)
小飼:頭もね。ヤクザだったらもっとやらしい手段を取るでしょうね。プーチンはヤクザだけれども、トランプはヤクザではない、チンピラ。
山路:第1期のトランプ政権が終わった時に、今度共和党とかでトランプ的なものが出てきたら、もっとわかりづらく、密かにやると私は思ったんですよ。だけど思った以上に前面に出て、こんなに分かりやすく振る舞うとは全く予想できなかった。世界の多くの人もそうだったんじゃないかと思うんですけど。
小飼:予測はしてたね。まぁでも、もう少しアメリカ国内からトランプを買収したいというのか、トランプを操りたいっていうpuppeteer(人形使い)が出るというのは、そこは僕もちょっと甘く見てたな。
山路:前も言ったことがありますけど、こういうのにすがるぐらい、アメリカの貧しい人たちは幸せじゃないのかなとも思いましたけど。
「ホワイトハウスに親ロシアがわんさかいる」(コメント)
小飼:ではなくて、さらに増えるわけですよ。もっとプロロシアな人材というのは。もう持ってくるわけですよね。そこはもう決定している。
山路:怖い怖い。
スタッフ:ちょっと質問いいですか。じゃあ弾さん的には今、トランプ大統領は余計なことをしているということでよろしいですか?
小飼:何、余計なこととは。
スタッフ:停戦交渉なんですけど。
小飼:余計なこととは?
スタッフ:これはトランプがやるべきことではない、ということですか。今やっているような停戦交渉を。
小飼:少なくともウクライナの視点からしても、ロシアの視点からしても、余計なことではありますよね。
山路:ただアメリカ側としては、こんだけ大量の支援をしているから、そういう場を仕切る権利があると思っているわけですよね。
小飼:でもそれ言ったら湾岸戦争の時にも日本はどっさりとお金を送ったわけですけれども、クウェートの感謝リストの中に入ってなかったです。
スタッフ:金よりも血を流せなんてその当時、なんか言われた記憶が残ってますね。あ、すいません、ってことは、
小飼:部外者には違いない。
スタッフ:アメリカサイドができることって、そう、トランプ大統領に代わってすぐにやった、要は機密情報の共有をやめるだとか、支援しないだとかっていうことはできるということ、
小飼:それはできる。それができるので無視はできないわけです。アメリカの傾向は。
スタッフ:ありがとうございます、ちょっと勘違いしてたところが私の中にあったので、すいませんでした。
「西側も追い込まれてるから停戦したいんでしょ」(コメント)
小飼:それはちょっと違うな。追い込まれてるっていうのとはちょっと違うんですよ。ウクライナはある意味で追い込まれてるけれども、西側が追い込まれてるかどうかというのは、ちょっと違う。
山路:西側は、まとまりきれてないということなんじゃないんですかね。
小飼:というのか、アメリカとの間で大西洋を挟んで内乱状態になってるわけですけれども、それでも終わってないわけじゃないですか。だから、その程度には余力があるというのか、西側とロシアと、せいぜいあとベラルーシぐらいか、との戦力差というのは桁が違うわけですよね。桁が違うけれども、内輪揉めしてるおかげで、ロシアが善戦してるといえば善戦してる。
山路:人口だって全く違う。
小飼:そう、いや停戦したいんでしょっていうのも、アメリカはロシアのエージェントとして、ロシアの有利な条件で停戦させたいし、だけども残りの欧州はそうでもないし、ハンガリーを除く残りの欧州はそうでもないし(笑)、トルコも含めて。
山路:ハンガリーもロシアのエージェント的な振る舞いをしてますからね。これもう、本当にEUとは別にハンガリー抜きのEUみたいなのを作ったりするんですかね。有志連合ってある意味そういうことじゃないんですかね。それをちょっとおちょくった、アメリカの振る舞いをおちょくったニューヨークポスト紙、これタブロイド紙ですけど、Pornhub、あれを禁止したら、アメリカ人言うことを聞かざるを得ないんじゃないかって。