小飼弾です。相場格言にSell in Mayという言葉がありますが、私の体調もそんな感じでした。
200 Any Questions OK
日本の金融市場もまさにそんな感じということもあって、今月いただいた質問は圧倒的にこれでした。
Q. アベノミクスどうでしょう?
- 弾さんは「アベノミクス」をどう思っていますか?
- 「アベノミクス」で懐が寒くなるような気がしてならないのですが、どうしたものですか?
- 私も「アベノミクス」にあやかりたいのですが、どうすればいいのでしょう?
A. その前に:アベノミクスって何だっけ?
「アベノミクス」という言葉を聞いて私が最初に思い出したのは、これでした。陰陽師でなくて総理、退散するのは悪霊でなくてデフレだと気が付いた頃には、TOPIXは1000を超え、80円を切っていた米ドルは100円を超えていました…
というのはボケすぎですが、私にとってはそれでよかったのです。何もしなくても持っている資産の価格が上がったのですから。そんな私のようなものにとっては棚からぼたもちとも言えるアベノミクスとはいったいなんでしょうか?アベノミクス - Wikipediaによればこうです。
- 大胆な金融政策
- 機動的な財政政策
- 民間投資を喚起する成長戦略
このうち現段階で実施されているのが最初の「大胆な金融改革」で、要は日銀のバランスシートを国債でどんどん膨らませることで円安にし、企業の国際競争を有利にするという狙いですが、これはSell in Mayがあったとはいえ目論みどおりに行っているのは否定し難いでしょう。外貨であれ株であれ不動産であれ、およそ日本円以外の資産を持っている人たちは、その恩恵を真っ先に受けました。
なのに私の気分が五月病なままなのはなぜなのでしょう。
それは、「何が正しくて何が間違っているのかを、政府はきちんとわかっている」という前提で物事が進んでいるということに集約されます。