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先日、東電福島第1原子力発電所の元所長、
吉田昌郎氏が58歳という若さで、亡くなりました。
吉田氏は、福島第一原発での復旧作業の陣頭指揮をとり、
事故収束の為に命がけでご尽力された方です。
当時、首相官邸の意向を気にしていた 東電の本店が、
原子炉を冷却する為の “海水注入” の中止を命じましたが、
吉田元所長は それを無視して 海水注入を断行し、
更なる悪化を防いだ "英雄"でしたので、
この訃報は、私の胸にぐさりと 突き刺さりました。

吉田元所長が 事故発生から 退任までに浴びた 被爆放射線量は
約70ミリシーベルトとのことですが、
死因(食道癌)に ”被爆” は関係ないとされています。東電側は、
 『被曝が原因で、食道癌を発症するまでには 少なくとも5年かかり、 
 事故による被曝が 影響した可能性は極めて低い』との、
放射線医学総合研究所の 見解を示しています。
しかし、食道癌が発見されたのは 事故の1年後であり、
癌の進行を早めたのは  間違いないでしょう。
私は、この東電の示した見解に 疑念を抱かずには いられません。
吉田元所長は、死の淵まで「再び 原発事故の収束に尽くしたい」との
強い気持ちを 訴えていらっしゃったそうです。さぞ 無念だったことでしょう。
命がけで、身を挺して事故に立ち向かった英雄、
吉田昌郎元所長のご冥福を、心より お祈り申し上げます。

この 未曾有の大地震  東日本大震災から はや2年4ヶ月が経ちますが、
被災地の復興は滞り、今もなお 仮設住宅で暮らしている
被災者の方が 沢山 いらっしゃいます。
先日 TVを拝見していましたら、福島被災地の 仮設住宅住民の
方々が出演し、まだ続いている 悲惨な現状からの
復興の "加速"を 切実に 訴えていらっしゃいました。
被災者の方々にとっては、地元に戻り 元の生活が出来てこそ
本当の復興なのです。
しかし、福島第一原発を囲む 双葉町・大熊町・楢葉町は、
戻る体制を整えるどころか 除染ゴミの 中間貯蔵施設の
候補地となっており、これら地域の住民の方々は、
もう 元の地元に戻れる夢を 奪われてしまったも同然です。
また、被災地の 元農家の方や 技術者の方など、
これまで 特に 専門性の強いお仕事に 専念されてきた方々は、
ハローワークに行くも、なかなか 他の職に就けないのが 現状です。

ならば、せめて 被災者の方に 元の水準と同レベルの生活が
送れるような 復興支援を行ってほしい…
いや 行われている筈であると 信じておりました。
しかし 残念ながら 東日本大震災の 復興予算が 被災地とは 関連の無い事業に
流用されていたことが  昨年から 問題視されていました。
 ・反捕鯨団体(シー・シェパード)対策費
 ・国立競技場補修費
 ・青少年の国際交流事業費
 ・刑務所内の職業訓練費・・・等々
このことは 皆様も 記憶に新しいと思います。

復興予算の ”財源” のために ”復興増税”が実施され、
今年の1月からは  所得税・住民税・法人税に上乗せされ、
国民の ”血税” によって 復興予算は成り立っているのです。
それでも 皆様は「被災地の復興のためなら」という思いで
支払われているかと思います。
そんな 納税者や被災者の思いに 相反し、
復興予算が 自治体などの「基金」を通じて、被災地復興とは
かけ離れた 事業への流用が 新たに判明したのです。