どうもこんにちわ。
厳寒の候、皆様はおかわりなくお過ごしでしょうか?
おせちではかずのこが好物の$蔵です。

さて今回第3回のお題は
「スナッチャー」です。




「スナッチャー」とは1988年に
PC-88とMSX2向けに製作されたサイバーパンクアドベンチャー作品です。
小島秀夫」監督作品の1つで、発売当時からも評価は高く
後に派生作品や移植版などに展開していきます。


↑コマンド選択タイプのオーソドックスな作りのAVGです


○スナッチャー作品一覧○
スナッチャー /PC-88/1988.11
スナッチャー /MSX2/1988.12
SDスナッチャー /MSX2/1990.4
スナッチャー PilotDisk /PCエンジン/1992.8
スナッチャー CD-ROMantic /PCエンジン/1992.10
スナッチャー /メガCD&SEGACD/1994.12 ※日本未発売。海外のみ
スナッチャー /プレイステーション/1996.2
スナッチャー /セガサターン/1996.3



赤字
がドグ生でも挑戦したPCエンジン版です。
ピンク色の作品は
小島監督が関わっていないスナッチャー」です。
これについては後述の
「開発経緯と移植版とSDにおける違い」の項で説明します。



※今回はスナッチャーをはじめとした「小島作品」のネタバレや
ショッキングな画像が出てきますので
気になる方は閲覧にご注意下さい。


スナッチャーのネタバレが気になる方は
まずこちらでの予習をススメします


○ドグ生におけるスナッチャー

既に↑の参考画像で使われていますが、
スナッチャーはドグマ生放送においてPCエンジン版を
2012年10月2016年5月の計2回挑戦しています。
個人的にとても好きな作品とあって
どちらの回もとても記憶に残っています。



■スナッチャーとは

1991年モスクワで起こった細菌兵器「ルシファーアルファ」による
バイオハザード「大惨事」から50年後の2042年、
突如ネオコウベシティに現れた
人にすり替わる謎のバイオロイド
「スナッチャー」を追う
政府直属機関JUNKER「ギリアン・シード」を主人公にした物語です。


↑敵は目的不明のバイオロイド。冬に現れることだけが判明している。


小島監督はスナッチャー開発にあたり
人に成り代わっている存在に証拠と尋問で正体を暴く。
 だが、間違えると殺されるので銃のトリガーに指をかけながら尋問する。」
というコンセプトに、より緊張感を演出するため
アクションシーン(銃撃戦)」を取り入れました。


↑ADVですが場合によっては敵と戦うアクションシーンもあります。

この人に成り代わった存在について小島監督は
物体X、ターミネーター、何でもよかったが
 ブレードランナー
を意図的にもってきている」
と語っています。

遊星からの物体X」(1982)

南極基地で人間とそれに擬態するエイリアンとの死闘を描いたSFホラー

ターミネーター」(1984)

↑未来からシュワちゃん(人間抹殺用アンドロイド)が来襲するSFアクション

ブレードランナー」(1982)

↑近未来を舞台に脱走した4体の人造人間(レプリカント)を追うSFサスペンス


↑JUNKERの設定や舞台の雰囲気はまさに「ブレードランナー」のそれです。



↑ブレードランナーファンにはニヤリとする台詞や設定も隠れています。

今回、スナッチャーでブレードランナーが気になった方は
是非鑑賞をオススメします。

ちなみにブレードランナーは続編である
ブレードランナー2049」が今年10月に公開予定です。
35年ぶりの新作は舞台も前作から30年後となる設定で、
公開当時からのファンにとっては待ち望んだ続編となりそうです。



↑主演はライアン・ゴズリング。前作に続きハリソン・フォードも出演します。


話をスナッチャーに戻しましょう。
物語はギリアンがJUNKERに着任早々、
先輩である「ジャン」からの緊急連絡が受ける所から始まります。


↑現場に急行するギリアンが見たものとは…




↑変わり果てたリトルジョンと…




ギャー!


↑見せられないよ!なトラウマ級のシーンが多い作品でも有名です。

余談ですがPCエンジン版発売当時、友人のUMEちゃんから
「怖いからクリアして」
と頼まれたのが私の初スナッチャーです。

こういったショッキングなシーンも多いスナッチャーですが、
そこは小島監督の作品なので


お色気あり


ギャグあり


感動あり



演出も含め、総合的に見ても実によく出来ています。
文句無しに名作アドベンチャーと言える傑作です。





■スナッチャーの登場人物


物語を彩る主要人物達を少し紹介しておきましょう。




○ギリアン・シード(声/屋良有作
本編の主人公。政府直属機関JUNKERの
「ランナー」としてネオコウベシティに配属。
3年前より記憶を喪失している。
同じく記憶喪失の妻ジェミーがいるが別居中。

PC-88版とSD版では名前を変更可能。
監督は「スデオ=シード」でプレイしていたとか。
記憶喪失の設定は
「ギリアン=プレイヤー」を
より強調するための意図もありますが、物語にも深く関わっています。



○メタルギア mk-Ⅱ(声/小山茉美
ハリーが設計したギリアン専用のナビゲーター。
人工知能を搭載し、ビデオフォンによる通信、捜査の記録、
ランナーの治療、各種科学解析、被疑者のスキャニング等
様々な機能を持つ頼れる相棒。
20世紀末に「悪魔の兵器」と呼ばれた
「メタルギア」のデザインプロットをアレンジし使用している。
全高980mm/全長310mm/全幅530/重量50kg

小山さんの独特の声はあえて「アラレちゃん」でお願いしているそうです。
EDにおける彼の秘密は
「あつまれメタルギアmk-Ⅱ」の項で紹介しましょう。



○ジャン・ジャック・ギブスン(声/井ノ口勲
元科学警察官(サイエンスコップ)のランナー。
妻をスナッチャーに殺されたことから
JUNKERに転職している。

冒頭から大変な目に会ってしまう方ですが、
番外編である「スダッチャー」では主人公として登場します。
詳細は「SUDA51'S SDATCHER」の項で紹介しましょう。



○ミカ・スレイトン(声/冨永みーな
JUNKERの受付嬢兼オペレーター。
コウベ学園都市大学で犯罪心理学、社会情報処理学を専攻し、
コウベ特殊犯罪研究所を経てJUNKERへ。

JUNKER本部の入り口でギリアンの相談に見せかけたセクハラに
耐えながら様々な助言もくれる頼もしい仲間で、
終盤の真面目な場面でも
ギリアンの下らないボケにツッコんでくれる優しい女性です。



○ハリー・ベンソン(声/槐柳二
JUNKERの優秀なメカニックマン。
メタルギアmk-Ⅱやブラスターを設計。
14歳で工学博士号を取るが、度重なる脳活性化薬使用の結果
実年齢よりも老化が進んでいる。

JUNKERの優秀な仲間の1人ですが、
ジャンとの別れに自棄酒で潰れてしまったりする一面もある人情家です。
彼の作るアイテムはもちろんですが、
彼の持っているアイテムにも大きい役割があったりします。




○ベンソン・カニンガム(声/納谷悟朗
JUNKER本部局長。
スナッチャー対策本部部長、
対スナッチャー特殊班班長を経てJUNKER局長に任命される。
若い頃には「FOX HOUND戦略教官」として勤務していた過去を持つ。

見た目の貫禄や声からしてもう局長として申し分ない人です。
局長と言うより「艦長」や「首領」や「警部」のような気もしますが。
元FOX HOUNDという設定もニヤリとしてしまうポイントです。



ジェミー・シード(声/ 井上喜久子
ギリアンの別居中の妻。
ギリアンと同じく記憶喪失。
記憶喪失のまま共に生活を続けるのは困難であり、
別居状態となっている。
現在はネオコウベ薬科研究所に勤務している。

ビデオフォンで必至に口説くギリアンが愉快で
ちょっとしたドッキリも仕掛けてきますが、
これも伏線になっているのは流石小島作品です。



○ランダム・ハジル(声/ 塩沢兼人
謎のバウンティハンター。
既に3体のスナッチャーを処理している凄腕の賞金稼ぎ。

小島作品における「塩沢キャラ1号」。
このランダムがあったらからこそ
レッドウッドサイボーグ忍者も塩沢さんなのだろう、
と勝手に思っています。
それほどに塩沢さんのランダムの演技はシビレるのです。




■スナッチャーあれこれや


ここからはスナッチャーにまつわる様々なことを紹介していきます。


○あつまれメタルギアmk-Ⅱ


個人的に今回これが一番やりたかった部分です。
ギリアンの相棒であるメタルギアmk-Ⅱは
とある理由でEDは別のフレーム(仮の体)で登場します。
これは移植されたハードによって変わるのですが、
全部で4種類存在します。


↑元の彼はこんな感じですが…。


ではここでメタルギアmk-Ⅱ君の華麗な四変化を確認してみましょう。



↑メタルギアmk-Ⅱ ”DUO”


↑メタルギアmk-Ⅱ ”PS”


↑メタルギアmk-Ⅱ ”SATURN”


↑メタルギアmk-Ⅱ ”SEGA CD”

メタル四兄弟とでも言いましょうか、とても壮観です。
各機、三輪設計で右からマフラーが2本出ているのが共通点のようです。

ではここはせっかくなので、
この他にも存在する様々なメタルギアmk-Ⅱを紹介してみましょう。


まずは「SDスナッチャー」で登場した「プチメタル」です。
オリジナル版と同様にギリアンのサポートをしてくれます。
アイテム探知能力や戦闘サポートなどの機能も搭載し、
戦闘時の様々な報告も彼の役目となっています。


↑な・なんと手のひらサイズの最小mk-Ⅱです。


では次に、元のスナッチャー版よりも知名度がありそうな
METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOT」より
オタコン&サニー製作の遠隔機動端末「メタルギアmk-Ⅱ」です。



名前はもちろんサイズもほぼ同等です。
詳しいスペックは不明ですが
ゲーム中の仕様を見る限りでは「重量/0.1kg」となっています。
(スナッチャー版が50kgなので重量は1/500)
劇中ではオタコンが遠隔操作しスネークを支援します。
そのために右肩にはしっかりビデオフォンを装備、
ステルス迷彩も搭載しており、スネークが操作して密偵を勤めたり
電撃によって敵を気絶させることも可能です。


↑劇中では色々と愛嬌のある動きもしてくれます。

続いて同じくMGS4より「メタルギアmk-Ⅲ」です。
本編途中で壊れてしまったmk-Ⅱの予備機として登場しました。
名前こそ違いますが同等の外見と性能の2Pカラー(色違い)です。


↑赤い色ですが、特に早くなりません。ツノのも付きません。


最後は変り種
GRADIUS ReBirthで登場する「ガウディ」です。
ガウディはスナッチャーでも同名で
JUNKER本部のマザーコンピューターとして登場しますが、
ReBirthではビッグバイパーに載せられた人工知能として登場します。
そのガウディの付属品として
メタルギアmk-Ⅱの「頭」が登場するのです。
有り体に言うとチョイ役ですね。



↑Wiiと合体しているようにも見えるので、
 五番目の兄弟の可能性もあります。


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