民主党政権が米軍普天間飛行場の県外移設を模索していた2010年1月15日、米ワシントン市のウィラード・インターコンチネンタル・ホテル。公開討論の壇上、元国防長官のウィリアム・ペリーらと並んで座った知日派の重鎮、元国務副長官リチャード・アーミテージが、両肘をテーブルにつきながら普天間移設について口を開いた。独特のしゃがれ声が響く。
「われわれは少し深呼吸すべきだ。日本がどんな決断を下しても同盟関係は続く」。普天間移設で日本側のあらゆる決定を尊重しなければならないということを示唆していた。参加者の中に米太平洋軍司令官キーティング(当時)、元国防副長官ウォルフォウィッツらの姿も見える。
「長く待っても辺野古に関してポジティブ(肯定的)な結果が出るとは思えない。時間がたつほど状況は厳しくなる。米国は『プランB』(代替案)を持つべきだ」。アーミテージは代替案でも米軍の軍事的要求に応えることは可能だと強調した。
ホテルでは日米両政府の外交、安全保障担当者、軍関係者、専門家ら270人以上が集まり、日米安全保障セミナーが開かれていた。ホワイトハウス近くの同ホテルは