米国務長官クリントンと駐米日本大使藤崎一郎の会談を、ワシントンの日本大使館が日本メディアに連絡したのは予定の約2時間前だった。
2009年の12月21日。大使館が各報道機関に「至急・重要」とのメールを一斉に送ったのは午前10時半すぎ。「本日12時30分より会談を行う」と伝える内容だった。
クリスマスが近づくこの日のワシントンは雪が積もり、政府機関は業務停止状態だった。報道各社は大使に直接取材しようと国務省前に集まった。
その4日前、デンマークで開かれた気候変動枠組み条約締約国会議の夕食会で、首相鳩山由紀夫は普天間飛行場の移設先について、09年中の結論を先送りにする方針をクリントンに伝えていた。鳩山はそれを記者団に一方的に明かし、「基本的に理解してもらった」と語った。クリントンと藤崎の突然の会談は当然、普天間問題に絡むものだと想像された。
国務省から出た藤崎は記者団の質問