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「抑止力」の虚構
普天間飛行場の移設を含む在日米軍再編は民主党政権下の2012年2月に大きな転機を迎える。日米両政府が同飛行場の名護市辺野古移設を進めるため、それまで普天間移設と「パッケージ」と説明してきた在沖米海兵隊のグラム移転や嘉手納より南の米軍5基地の返還を、普天間移設から切り離したのだ。その再編見直しの協議で米側は海兵隊のグアム移転について、日本側にある変更を提案した。「まさかと思った。06年の米軍再編合意から全く変わっていた」。米軍再編に関して長年携わった日本政府高官は、米側からの提示に驚いた。
合意は在沖海兵隊については司令部要員を沖縄から移転し、地上戦闘部隊を残す計画だった。しかし見直しで米側が示した案は、逆に地上戦闘部隊の大半を沖縄から出すというものだった。
だがこの変更は日本政府にとって極めて都合が悪かった。なぜなら
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