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【東アジア共同体研究所(EACI) News Weekly Vol.005 「リベラル派の21世紀大戦略としての『東アジア共同体』構想」】
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【東アジア共同体研究所(EACI) News Weekly Vol.005 「リベラル派の21世紀大戦略としての『東アジア共同体』構想」】

2015-02-06 17:07

    ================================

     

       EACI News Weekly  5(26日号)

      東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute )

        http://eaci.or.jp/

     

    ================================

    「いいね!」で、東アジア共同体研究所の最新情報をお届けします。

     Facebook http://www.facebook.com/east.asian.community.institute

    ================================

    【目次】

     

    1】《今週のニュース 1/312/6

     政治(2)、経済(1)、国際(1)、社会(1)

     

    2】《UIチャンネル放送予告 No.089

    29日(月)20時 鳩山友紀夫×村田忠禧(横浜国立大学名誉教授)対談

    「日中領土問題の起源-公文書が語る不都合な真実」(後篇)

    http://live.nicovideo.jp/gate/lv209282909

     

    3】《EACIレポート》

    「フォトジャーナリストが伝える世界」アジアを取材するジャーナリス

    ト林典子氏の国際交流セミナーが28日(日)開催

    http://capacamera.net/news/2014/12/14121603.html

     

    4】《研究員コラム》

    ・高野孟(東アジア共同体研究所理事)

    「リベラル派の21世紀大戦略としての『東アジア共同体』構想

       ──『いまなぜ東アジア共同体なのか』のための高野草稿」

     

    ・緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)

    「辺野古キャンプシュワブ・ゲート前ドキュメント-島ぐるみ会議の辺野古往復バス」(前篇)

     

    5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)

     第1部 米国の深層 vol.5「基準」

     

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    1】《今週のニュース 1/312/6

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    【政治】

    ■普天間 県外移設要請 沖縄知事、日米政府に「5年以内」

    (東京新聞 2015.2.6

    http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015020602000145.html

     

    ■集団的自衛権:「経済的被害でも行使」公明拒否の構え

    (毎日新聞 2015.2.4

    http://mainichi.jp/select/news/20150204k0000m010111000c.html

     

    【経済】

    ■追加緩和、するのかしないのか-全人代控え選択迫られる中国

    (ブルームバーグ 2015.2.6 )

    http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NJBV2G6JTSEQ01.html

     

    【国際】

    ■東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉 第7回会合タイで開催

    (ミャンマー新聞 2015.2.4

    http://myanmarnews.jp/?p=23378

     

    【社会】

    ■台湾復興航空機が墜落、すでに25人死亡、6人は大陸の乗客

    (新華社通信 2015.2.5

    http://jp.xinhuanet.com/2015-02/05/c_133972459.htm

     

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    2】《UIチャンネル放送予告 No.089

    29日(月)20時 鳩山友紀夫×村田忠禧(横浜国立大学名誉教授)対談

    「日中領土問題の起源-公文書が語る不都合な真実」(後篇)

    http://live.nicovideo.jp/watch/lv209282909

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

     

    89回目となります、29日(月)20時からのUIチャンネル放送は、先

    週に引き続き、横浜国立大学名誉教授の村田忠禧氏をお招きして、鳩山

    友紀夫×村田忠禧対談「日中領土問題の起源-公文書が語る不都合な真

    実」(後篇)をお送り致します。

     

    【村田忠禧氏プロフィール】

    1946年神奈川県生まれ。

    東京大学文学部中国文学科卒、同大学院博士課程中国哲学専攻単位取得

    満期退学。東京大学教養学部助手、横浜国立大学助教授、教授を経て、

    横浜国立大学名誉教授。神奈川県日中友好協会副会長。専門は中国現代

    史、現代中国論、日中関係論

    著書:史料徹底検証 尖閣領有(花伝社)、日中領土問題の起源―公文書

    が語る不都合な真実(花伝社)

     

    ※会員(月額324円)の方は全編視聴できます。非会員の方は有料

    150pt)となります。(会員になるには携帯キャリア決済、カード決

    済が可能です。個別映像を視聴する場合は、ログイン後、ニコニコポイ

    ント150ptにてチケット購入してください)

     

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    3】《EACIレポート》

    「フォトジャーナリストが伝える世界」アジアを取材するジャーナリス

    ト林典子氏の国際交流セミナーが28日(日)開催

    http://capacamera.net/news/2014/12/14121603.html

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    国際交流イベント「フォトジャーナリストが伝える世界」(主催:日本

    写真家協会)が28日(日)、東京都の日比谷図書館ホールで開催され

    ます。参加費は無料。

     

    キルギスやパキスタンなどアジア各国で取材を続けているフォトジャー

    ナリストの林典子さんのスライド上映講演の後、『週刊朝日』編集長の

    長友佐波子さんがトークセッションを行う予定です。

     

    【林典子さんプロフィール(イベントHPより)】

    林さんはキルギスやパキスタンなどで取材を続け、2011年に第7回名取

    洋之助写真賞、2012年に第8DAYS国際フォトジャーナリズム大賞1

    位、2013年にフランス世界報道写真祭ビザ・プール・リマージュ報道写

    真特集部門の最高賞を受賞している。2014年には初の写真集『キルギス

    の誘拐結婚』(日経ナショナル ジオグラフィック社)を上梓した。

     

    <国際交流セミナー「フォトジャーナリストが伝える世界」概要>

    日時:201528日(日)13:0015:30

    会場:日比谷図書館ホール(東京都千代田区日比谷公園1-4

    内容:

     ■第1部

      林典子スライド上映講演「一枚の写真にこめる思い」

     ■第2部

      林典子×長友佐波子トークセッション

    参加費:無料

    定員:200名(先着順)

    講師:

      林 典子(フォトジャーナリスト)

      長友佐波子(『週刊朝日』編集長)

     

    ■申込先等、詳細は以下のリンクより

    http://capacamera.net/news/2014/12/14121603.html


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    41】《研究員コラム》

     高野孟(東アジア共同体研究所理事)

    「リベラル派の21世紀大戦略としての『東アジア共同体』構想

       ──『いまなぜ東アジア共同体なのか』のための高野草稿」

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

     

     東アジア共同体研究所で『いまなぜ東アジア共同体なのか』(仮題)

    という単行本を出す計画があり、同研究所理事長の鳩山由紀夫をはじめ

    何人かの方々の論考をまとめつつあるのだが、その中で私は、表題のよ

    うに、東アジア共同体構想を掲げることこそが今どきのリベラル派の中

    心戦略でなければならず、それを安全保障と経済成熟を表裏一体として

    取り組むべきことを主張した。ここでは、その草稿の「はじめに」を紹

    介し、読者諸賢の吟味に委ねたい。

     

          ▽ ▼ ▽

     

     東アジア共同体の構想は、これまでの戦後保守政治の下で、そして第

    2次安倍政権になってからはますます深刻になっている日本の外交・安

    全保障政策と経済政策の行き詰まりに対する、リベラル派の側からの根

    本的かつ包括的な代替策である。

     

     21世紀の日本は、アジアの一員としてしかるべき地位を得て居場所を

    確保するだけでなく、東北と東南を包摂する東アジアにおいて、欧州共

    同体=欧州同盟のように、国家エゴイズムを超克して非戦平和と経済融

    合をめざす広域的な共同体を創り出していくために積極的なイニシアテ

    ィブを発揮しなければならない。そのような戦略方向をめざすことが、

    今日的な意味でのリベラル派の第一条件であって、そうしない者がリベ

    ラル派を名乗るべきではない。

     

     明治以来の近代日本の対外姿勢の基調は「脱亜・入欧」であり、それ

    が欧米帝国主義と競い合ってアジア近隣諸国を軍事侵略し植民地支配す

    るという歪んだ形で暴走し破滅した後、しかし第2次大戦後も、「蔑

    亜・従米」とでもいうようなその変種が繰り返し立ち現れてこの国の保

    守政治を侵食して、いま再び、第2次安倍政権の「中国包囲網」外交と

    そのための「集団的自衛権解禁」の実質改憲策謀として暴発しようとし

    ている。1868年の明治維新から戦後の高度経済成長の終わり、ざっくり

    言って1980年頃までを日本の「発展途上国時代」と呼ぶとすれば、この

    脱亜・蔑亜はその百年余りの発展途上国=日本の時代精神に深く巣くっ

    てきた宿痾であり、そこから脱却するのは容易なことではない。

     

     ところがこの国は、客観的に見て、その過去の悪しき病を抜本的に克

    服して「脱従米・再入亜」を果たす以外に、21世紀に生きていく術がな

    い。

     

     第1に、20世紀後半を彩った米国の覇権はすでに終わりつつある。

     

     第2に、それは単に米国の覇権の終わりでなく、1617世紀にポルト

    ガルとオランダが先駆し、1819世紀に英国が確立し、20 世紀に米国

    が引き継いできた欧米中心の「覇権システム」そのものの終わりであっ

    て、その後に否応なくやって来つつあるのは「ポスト覇権時代」(*1)

    多極化世界である。「資本主義の終焉」、つまり資本主義降誕の地であ

    る欧州が大航海時代に始まって外へ外へと侵略と搾取と収奪の魔手を広

    げて、ついに貪るべき地理的な辺境がこの地球上には存在しなくなって

    行き詰まったという事態(*2)が、これと照応している。

     

     第3に、米国の衰退に取って代わって中国とインド、少し遅れてロシ

    アが台頭し、それらを柱とするユーラシアが世界の繁栄中心となる。中

    国とインドを合わせた世界GDP に占めるシェアは、有史以来、11世紀ま

    では7割超で、18世紀前半でもまだ6割強もあったが、欧州資本主義の

    東進によって両国が急速に衰亡し、20世紀半ばには合わせても1割程度

    というどん底に陥り、反面、その頃米国は世界GDP の4割を占めて絶頂

    に立つ。が、1970年代から中国とインドの再興と米国の後退が始まり、

    やがて2020年代には中国が、30年代にはインドが、名目GDP において米

    国を上回る事態が出現する。名目ではなく購買力平価ベースのGDP では

    すでに2014年に中国が米国を追い抜いたという世銀・IMF の試算も出て

    いる。ところが、資本主義が終焉して貪るべき辺境が存在しないのは中

    国やインドなどにとっても同じなので、両国は20世紀の米国に代わって

    軍事力を背景にした覇権秩序を築くことはない──築こうとしても出来

    ないし、またその必要もない。従って、世界は覇権なき多極化世界へと

    進んで行く(*3)

     

     この21世紀の大潮流の下で、日本は、戦後長く続いた過度の従米路線

    を是正して日米関係を対等・平等なノーマルな2国間関係に変革する一

    方で、東北アジアに積極的な平和構築外交を展開する必要がある。また

    東南アジアにおいてはASEAN 2015年末には「経済共同体」へと発展を

    遂げ、さらにその上に「安全保障共同体」、「文化共同体」を重ね合わ

    せていこうとしているので、その思想と実践に学びつつこれと連携を図

    り、東北と東南の複眼を持つ「東アジア」の多角的な安保対話の枠組み

    を作り上げることを目指すべきである。さらに経済面でも、勃興する中

    国やインド、さらにロシアを含めたユーラシアの旺盛な活力と積極的に

    関わってその元気を国内へと環流させる「ユーラシア大循環」を構想し、

    そのための枠組みとしては、今となっては手遅れかもしれないが(*4)

    まずは東北アジアで日中韓3国の自由貿易協定(FTA)を先行させ、次に

    ASEAN が主導する日中韓、インド、オーストラリア、ニュージーランド

    を含む「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)を重視し、そのように

    して東アジアの中の日本という立場を固めつつ米国が推進する「環太平

    洋経済連携協定」(TPP )と向き合うべきである。そうすれば日本の

    「脱従米・再入亜」という位置取りは、外交・安保面と経済面で整合す

    る。

     

     ところが、過去の脱亜・蔑亜の病を引きずる戦後保守勢力には、この

    100 年目の大転換」を成し遂げる意思も能力もなく、逆に、客観的に

    求められているその転換への情動的な反動として、一層偏狭な蔑亜的傾

    向に囚われやすい。とりわけ今日の安倍政治はその極端な典型で、保守

    内部のリベラル派からのそうした傾向に対するブレーキを失っているこ

    ともあって、一部の右翼雑誌やネットのヘイトスピーチのレベルとさし

    て変わらない反知性的な嫌中・嫌韓感情を剥き出しにした言動を繰り返

    してきた。ところが、それを中韓のみならず米欧からも「歴史修正主

    義」などとして批判されると、一転、目をつむって飛び降りるかのよう

    に、TPP 交渉にのめり込むとか、集団的自衛権解禁で対米軍事協力の強

    化を図るとか、沖縄県民の総意を蹴散らしてまで辺野古基地の建設を進

    めるとか、卑屈なまでの従米姿勢に偏るなど、情緒の不安定と精神の分

    裂に陥っているようにさえ見えるが、それはポスト冷戦から21世紀の多

    極化時代と向かう世界の大潮流を捉えることができずに、その中での日

    本の位置取りを見出すことができないでいることの反映である。

     

     そこに、戦後保守に対する新しい政治的対抗軸としてリベラル勢力が

    登場してその大転換を担おうとすることの言わば歴史的な必然性があっ

    たし、今もますますあるのであって、その最初の挑戦が一九九六年の旧

    民主党結成にほかならなかった。

     

     そこで本論では3つの章を設け、第1に、リベラル派の安全保障戦略

    の原型としての96年旧民主党の理念・政策を改めて振り返り、今こそそ

    こに立ち返って21世紀日本の安保議論を再出発させるべきであることを

    説く。第2に、それに照らして、安倍政権の「中国包囲網」外交と、集

    団的自衛権の解禁をテコに改憲に向かおうとする「戦争ができる国」路

    線とが余りに時代錯誤的であり、日本国民はもとより、アジアからも米

    国からさえも反発されて日本がますます居場所を失う危険をはらんでい

    ることを分析する。そして第3に、アベノミクスの第3の矢とされた「成

    長戦略」の失敗にとって代わるべきは、日本のモノ作りの知恵を武器に

    東アジアの多重的な生産連携を通じて中国はじめインド、ロシアなどの

    経済的ダイナミズムと切り結んでいく「ユーラシア大環流」戦略である

    ことを示す。

     

    ------------

    *1 ズビグニュー・ブレジンスキー「Giants, but Not Hegemons[(米

    中は)大国同士だが覇権国同士ではない]」、13213日付ニュー

    ヨーク・タイムズ。

     米民主党系の外交政策マフィアの頂点に立つブレジンスキーはここで

    「今日、多くの人々は、出現しつつある米中2極が紛争に突き進んでい

    くのは不可避だと恐れている。しかし私は、この『ポスト覇権時代』に

    あっては、世界支配のための戦争が本当に起きるとは思っていない。

    ……近年、米中の友好的な関係が、とりわけ両国のマスメディアによる

    敵対的な論争によって試練に晒されていることは無視できないし、その

    ような風潮はまたアメリカの不可避的な衰退と中国の急激な台頭につい

    ての憶測によって煽られてきた。……しかし、安定した米中関係にとっ

    ての現実的な脅威は、両国の敵対的な意図から生じるのではない。むし

    ろ、北朝鮮と韓国、中国と日本、中国とインド、インドとパキスタンな

    ど、アジア諸国の政府がナショナリスティックな激情を煽動したり許容

    したりすることによって[地域紛争が]コントロール不能に陥ることこ

    そ危険なのである」と述べている。

    http://nyti.ms/18G9clG

     

    *2 水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』、集英社新書、143月刊。
    http://amzn.to/1uFn6ts

     

    *3 NIC(全米情報評議会)『世界潮流2030』。

    http://fas.org/irp/nic/global_trends_2030.pdf

     NIC は米政府のCIA はじめすべての情報機関からなる合同部会で、広

    く内外の専門家の協力も得て、米国の国家運営にとって前提となる未来

    予測を4年に一度、発表している。これは1212月に発表された最新の

    もので、冒頭部分で次のように書いている。「2030年の世界は、今日の

    世界とは根本的に様相を異にしているだろう。同年までに、米国にせよ

    中国にせよ、それ以外の大国にせよ、いずれの国も覇権国となっていな

    いだろう。個人の力の増大と、国家相互間および国家から非公式のネッ

    トワークへの権力の拡散とが劇的な効果を発揮して、1750年以来の西洋

    の勃興の歴史を覆し、グローバル経済におけるアジアのウェイトを復活

    させ、さらに、国際と国内の両レベルにおける“民主化”の新しい時代

    の到来を告げることになるだろう」

    *4 野田政権と第2次安部政権が極めて安易にTPP 交渉に踏み込んだた

    め、日中韓FTAの交渉は中断されたばかりか日本抜きの中韓FTAとして14

    11月に先行合意を見、15年中に発効することになった。野田も安倍も

    旧来の従米思想に囚われて戦略的思考を欠いていたことによる無惨な失

    敗である。▲(高野孟のTHE JOURNAL Vol.17122日発行より)

     

    ■高野孟のTHE JOURNAL

    http://www.mag2.com/m/0001353170.html

     

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    42】《研究員コラム》

     緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)

    「辺野古キャンプシュワブ・ゲート前ドキュメント-島ぐるみ会議の辺野古往復バス」(前篇)

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

     

    21日(日)久しぶりに明るい話題が一面トップを飾った。

    40年悲願 伊良部大橋開通」(琉球新報)宮古島と伊良部島を結ぶ

    4310メートルの橋。通行無料の橋としては国内最長だそうだ。4日(水)

    より宮古島へ行くので渡ってみよう。

     

    朝、9時自宅マンションから県庁前へ向かう。

    その頃、後藤健二氏は既に殺されていたのだが、夕方まで気が付かなか

    った。ずっと辺野古にいたのだ。島ぐるみ会議が毎日バスを仕立てて辺

    野古のキャンプ・シュワブ前の座り込み現場まで往復している。初めて

    乗った。日曜日なので人が多いと想定していたが、今日はプロ野球キャ

    ンプ初日そして名護の桜祭りだそうだ。9時半集合のはずだが沖縄県庁

    前には人が少ない。わざわざ日曜日を選んだのは、一般市民が乗ってく

    る可能性が多いのではないか、辺野古のニュースは毎日、新聞やテレビ

    で報道される。埋め立てには反対だが、何もできない、居ても立っても

    いられないが、それでも仕事が忙しくて平日は時間がとれない、でも一

    度くらいは辺野古へ行って新基地反対の意思を示さないと・・と決心し

    て乗り込む人がいるのではないか、と考えたからだ。世の中、勇気ある

    人ばかりではない、テレビに映されるといやだ、デモなんかやったこと

    もない、機動隊ともみあいになって怪我をしたら困る、平穏無事が一番、

    そんな「臆病者」がウチナーンチュ、に限らず我々一般市民の代表では

    なかろうか。威勢のいい人はなんか信用できない、という「偏見」が私

    にはある。

     

    県議会議員の玉城義和氏がいた。「常時300人くらいいれば状況は変わる

    んですけどね。もう少し人数が必要ですね。鳩山さんにも来てほしいで

    すね。現場は喜びますよ。今月一斉に業者に発注するでしょ。そうする

    と(埋め立て工事が)どんどん進みます」。今朝は、テレビ朝日のモー

    ニングバードの取材に応じるために朝、名護から来た、とのこと。 し

    ばらくすると玉川徹ディレクター・レポーターが登場し、インタビュー。

    25日(木)に放映予定のようだ。10時、全員がバスに乗り込む。今日

    は、テレビ映りを考えて、2列に整列、順序よく乗り込んだ。なんとマン

    ションの隣室に住むT氏がいる。23日の泊まり込みを繰り返し、今日は

    バスで日帰りとのこと。最後部の座席に隣り合わせで乗って最新情勢をい

    ろいろと聞いた。

     

    T氏「駐車違反を厳しく取り締まっている。タイヤにチョークで印をつけ

    るのが普通だが、それもやらずに切符を切っている。」

     

    海上保安庁も警察もやれることはみんなやって運動をつぶそうとしてい

    るようだ。昔、神戸で山口組三代目の葬儀を取材した時に、警察の担当

    者が「煙草を投げ捨てても逮捕する」と息巻いていたのを思い出す。

     

    T氏「テント村では約30人が泊まり込んでいる。防衛施設庁がデマを流

    して撹乱しているようだ。先日は許田(高速道路終点の料金所)からト

    レーラーが3台降りてくる、という情報があった。夜中3時半まで警戒し

    ていたが、海から船で運ばれてしまった。人が多ければ機動隊も手出し

    ができないんですが。」

     

    今日のバスツアー参加者は23人、32500円集まった、と車内アナウンス

    があった。案内人は看護師をしている女性。日曜日だけ来ているそうだ。

    バス代は一人1000円なので23千円が、9500円のカンパが集まったこと

    になる。T氏によれば「バスを借りるのに一日5万円かかる」。

    すると今日は17500円の赤字だ。月曜日が一番多く、2台で行くことも

    あるという。

    11時半にキャンプシュワブのゲート前到着。半数が降りてただちに座り

    込み、半数は初心者らしく浜辺のテント村へ行って説明を聞いた後、合流

    の予定。

     

    座り込み3941日め

    護岸設備が広い階段状になっている。ぽかぽか陽気で上着を着ていると暑

    いくらいだ。いまは引き潮のため海面は遠い。海鳥が餌をついばんでいる。

    水平線には海上保安庁の巡視船が3席。海を見ながら全員で座り、名護市

    民のUさん(60代の婦人)の説明を聞く。

    「5年前の名護市長選挙で稲嶺さんが勝って、ようやく運動が全県的にな

    りました。知事選も衆議院選挙も、辺野古新基地推進派が負けたのに、問

    題は片付かない。ようやく反対の知事が誕生したが、安倍政権の逆鱗にふ

    れて埋め立てが一挙に進んでいる。ここに基地を作れば日本全体が戦争に

    巻き込まれる。知事が工事を中止してほしい、と言った、その翌日の明け

    方にコンクリートブロックを投げ込んだ。海上保安庁の船が15隻も集ま

    って、ほかの地域の安全はどうなってんでしょうか。目の前の漁港は名護

    市管轄なので使えません。しかし基地内で機材を組み立てて運んでいる。

    大浦湾に土砂を投げ入れるとダメージが大きいです」。

    漁港の隣には砂浜が広がり、その先に米軍基地のフェンス。様々なバナー

    が貼られている。

    盗られたら貼りなおす繰り返しのようだ。黒字の布に白で「辺野古に5500人

    集まりました、ここに基地作らせない」。これは去年の鳩山理事長が参加

    した集会のことだ。この時はフェンスをバックに舞台が作られた。

    鳩山元総理は壇上ではなく、市民と共に砂場の真ん中に座って新基地反対

    の意思を示した。」ここから移動し、ゲート前に1248分着。

     

    「辺野古ゲート前総合大学」

    30人がのんびりと弁当を食べている。、新基地反対の小さなプラカード

    を持っている人もいる。車がしょっちゅう行き交う。中にはクラクション

    を鳴らし手をふる人もいる。白人のカメラマンが二人撮影中。芝生の斜面

    では子供たちが段ボールをお尻の下に敷いて滑り台のように滑っている。

    なにか拍子抜けするような光景。しかし反対側には、米軍キャンプシュワブ

    の金網が一直線に広がっている。その前の歩道にはかまぼこ型にブルーシ

    ールが張られ寝泊り出来るようになっている。こちらのテント村は210日目。

    美ら海サンゴの間とジュゴンの間で男女別に分かれ、端にはプレスルーム

    と書いてある。琉球新報と沖縄タイムス24時間体制で泊まり込んでいる。

    ここからの発信・監視体制は安倍政権にとっては目の敵に違いない。

    森元首相が沖縄の新聞はアカが多い、と言ったと記憶している。

     

    「そうだ沖縄県民はみんなアカだよ。現政権から見れば」。

     

    日曜日とあってカヌー隊はお休み。その隙を縫って海上では40トンもの

    トンブロックが投げ込まれた。

    「辺野古ゲート前総合大学」という言葉を初めて聞いた。つまりここでス

    ピーチの練習、国内外の政治・自然環境の勉強、唄・踊り?となんでも学

    習できる。しばらく座っているとその通りスピーチや元大学教授の演説、

    唄が続き楽しい座り込みとなった。(緒方修)

     

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    5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)

     第1部 米国の深層 vol.5「基準」

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     会場の名護市民会館のガラス越しに、詰め寄った市民らの怒声が届

    く。窓の向こうには「怒」の文字が書かれた数多くのプラカードがかざ

    されていた。

     201054日。米軍普天間飛行場の県内移設への方針回帰を伝えるた

    め、就任後初来県した首相鳩山由紀夫は、騒然とする中、名護市長の稲

    嶺進と向かい合った。

     鳩山は直立したままだ。

     「県外移設をさまざま模索したが、やはり(ヘリコプター部隊と)陸

    上部隊の共同行動がどうしても必要との議論が先方(米国)からなされ

    ている。あまり遠い所に移設地を求められない」

     念頭には、米側から約2週間前に示された普天間を県外移設する場合の

    距離の「基準」があった。

     098月の衆院選で代表の鳩山率いる民主党は308議席を獲得する圧勝

    で政権交代を果たす。沖縄での党公認候補の応援演説で鳩山は普天間移

    設をめぐり「県民の気持ちが一つならば最低でも県外」と発言、公約と

    して受け止められた。

     新政権発足後、県外を含めた新たな移設先を検討するが、沖縄から離

    れた本土には飛行場と演習場を一体的に移す必要があるとの認識に縛ら

    れ、作業は難航した。

     鳩山は自ら決着時期と定めた「105月末」が迫る中、本土と比べて沖

    縄の演習場から近い、鹿児島県徳之島への移設案にいちるの望みを託

    す。

     「徳之島を全力で追及したい」。同年42日。関係閣僚会議でこう明

    言し、政府は徳之島を軸に対米交渉と地元調整を進める方針を固めた。

    だがその半月後、在日米大使館で行われた米側からの説明で希望は打ち

    砕かれた。

     米側の説明について書かれた政府の内部文書には、演習場のある沖縄

    からヘリコプター部隊を移転する場合の条件として「65カイリ」(約

    120キロ)以内とする「基準」が示されていた。「回転翼航空部隊の拠点

    と同部隊が(陸上部隊と)恒常的に訓練を行うための拠点との間の距離

    に関する基準であり、米軍のマニュアルに毎期されている」ということ

    だった。

    〈徳之島から北はこれでアウトだ。徳之島より近い所はもうない〉

     「非常に大きな壁」(鳩山)を示された鳩山政権は急速に追い込まれ

    ていく。

     そのころ、官房長官の平野博文は記者会見で「(普天間の)

    機能の何を県外に出すのか、検討あるいは調整の中にある」と、県外移

    設については曖昧な表現をする。実際のところ、飛行場自体の県外移設

    案はなくなっていた。

     在沖米海兵隊はことし10月、65カイリの「基準」について尋ねた琉球

    新報の取材に、「米本国にも確認したが『120キロ』を明記した基準、規

    則はない」と回答した。在日米軍も同じ認識だ。外務省のものとみられ

    る政府のない文書通りに、米側が説明したのかもはっきりしない。

     海兵隊関係者は、ヘリ部隊だけを移す徳之島案は現実出来ではないと

    否定的ではある。だが鳩山政権が掲げた県外移設の検討に、最後のとど

    めを刺したのは、実は海兵隊の公式な基準ではなかった。

     米軍に「基準」が存在しなかったことを聞かされた鳩山は「米側が知

    らなかったのか」と信じられないといった表情を見せた後、「距離の問

    題は結局、私にとって最も致命的だった」とつぶやいた。(敬称略)

                 (「日米廻り舞台」取材班)琉球新報提供

     

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