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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/05/28
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
岡田斗司夫が、1995年から2001年に「テレビブロス」誌で連載していた『オタクの迷い道』から、セレクトしてお届けします。

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連載第31回「スイッチ業界ではエイリアンは定番だぞ」 

 
 同じ映画を観ても、人によってこだわりの部分が違う。
 これは別にオタクに限った事じゃない。
 
 例えばファッションなヤツは、俳優の服ばかり観ている。
 シャツや、帽子のかぶり方や、腕時計や、髪型に注目しているのだ。

 アニメファンは、作画ばかり観ていたりする。
 キャラの動き、爆発の煙、ロボットの巨大感。
 
 肝心のストーリーよりそっちが大事か。

 僕がつい注目してしまうのは「スイッチ」だ。

 スイッチはいい。
 押されるための存在という、その邪心のない機能美!
 銃器やナイフなんかよりずっとハードボイルドだ。

 スイッチにもいろいろある。
 押したら光るスイッチ。
 全天候用のゴムカバー付きスイッチ。
 金属製の切り替えスイッチ。
 非常用の透明プラスチックカバーを跳ね上げて、押し込むようにして使うスイッチ。
 右腕でつかんで半ひねりし、押し下げるスイッチ。
 必殺技の名前を叫びながら入れるスイッチ。

 エンジン出力をあげるために左手で握って、前へ押し出すスロットル。
 デジタル制御で動きが増幅されるため、前後左右に五ミリしか動かない高性能戦闘機の操縦レバー。
 ラジコン送信機についているプロポーショナルスティックのアナログレバーのゼロ位置を修正するトルク補正ダイヤル。

 勇者ライディーンがゴッドバードに変形する時に使う頭の上の二本のレバー。
 東宝映画「惑星大戦争」で、押すと右横にあるランプ群がピカピカ光ってくれるレーザー光線発射ボタン・・・

 一本の映画の中で心ふるわせるスイッチのデザインに出会うと、本当に幸せになれる。

 スイッチの他にも噴射ノズルとかディスプレイとか色々あるけど、今日はこのくらいで。
 本日は御静聴、誠にありがとうございました。


以上、『オタクの迷い道』よりお届けしました。