━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/05/29
───────────────────────────────────

おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

───────────────────────────────────

「韓国在住ですが、日本で映画評論家になりたい」(前編)

 韓国から毎週楽しく拝見させていただいてます。
 私は大学で映画学科を卒業し、現在はネットの掲示板などで映画を語っている人です。
 映画マニア止まりではなく、プロになるには どのようにデビューすればいいでしょう?
 日本で映画評論家になるには、どうすればいいでしょうか?
 
───────────────────────────────────
 
 
 映画評論家って、漫画家と同じで、誰でもなれるよね。
 僕だって、年に1コマでも漫画を描いていれば、自称"漫画家"になれるわけだよ。

 でも自分が漫画家だと納得する為には、描いた漫画を漫画専門の雑誌に連載したい。
 ファンがついて、単行本を売りたい。
 雑誌から次回作のお願いをされたい。
 これらがないと、プロの漫画家という気がしない。

 それと同じように、質問者も「ネットで語ってればいい」とは考えていない。

 それなりの扱いを受けたい。
 試写会に呼ばれたい。
 映画を見た感想や、見方を話したり書いたりする事によって生活したい。
 次の仕事が来たり、単行本を出したりしたい。
 そう考えてるんだと思うよ。
 でも、難しいよね。


 知ってる人もいるかもしれないけど、マクガイヤーの映画ゼミっていう番組があるじゃない?
 アマチュアだけど、一番プロに近い映画評論家って、日本ではマクガイヤーだと思うんだよね。


 こんな所に金を払っても、人生損するだけだから、やめた方がいいと思うんだけどさ(笑)


■マグガイヤーチャンネルはビジネスとしてどうか?

 
 このマクガイヤーチャンネルが、ビジネスとして成立してるかどうかを簡単に計算してみよう。
 これもニコ生で放送している番組だよね。
 
 岡田斗司夫ゼミは、1ヶ月500円なんだ。
 有料会員のみんなが払ってくれている。
 
 マクガイヤーのブロマガチャンネルは月300円。
 予想だけど、会員は800人くらいだと思う。
 なので1ヶ月だと、800人×300円で24万円の売り上げがある。
 
 ところがこれは売り上げであって、この中からドワンゴに経費が取られる。
 だいたい25%だ思う。

 1/4である6万円をドワンゴが取って、残りは18万円。
 これはマクガイヤーチャンネル全体の売り上げなんだ。
 この中からスタジオの費用などを引かなきゃいけない。

 マクガイヤーチャンネルを放送しているタチワニという会社は、だいたい総売り上げの半分の経費で運用している。
 
 つまり18万円のうち半分はタチワニが取る。
 マクガイヤーの手元に残るのは9万円だと思うんだ。
 この辺がリアルな数字だと思うんだ。

 
■映画評論をブログやニコ生で語るのは無理筋

 言っておくけど、会員が800人ってかなり多いよ。

 岡田斗司夫チャンネルの会員は4500人位。
 有料ニコ生で見たら、ベスト20には入ってるんだよね。

 ランキングはベスト20までしか発表されないんだ。
 20位以下になると、会員数はどんどん少なくなってくる。
 マグガイヤーチャンネルは、おそらく50位とか60位に入ってると思う。

 それぐらい売り上げがある人でも、月あたりの総売り上げが24万円。
 そのうちドワンゴの取り分が6万円。
 残り18万円の半分ぐらいをスタジオに払わなきゃいけない。 
 なので、手元に残るのは9万円ぐらい。

 もし質問者が喋れる人なら、ニコ生放送を始めて有料会員からお金を取ればいいと思う。
 月額300円を800人に払ってもらうのは、とてつもなく難しい。
 最初の会員は20人とか30人ぐらいだけど、放送が面白くなかったら翌月にやめちゃう。
 会員0人も覚悟しなきゃいけないと思う。
 
 だからブログで映画評論を書くとか、ニコ生で映画を語るのは、事実上、無理だと思うんだよね。

(次号へ続く)

【まとめ】
 プロに近いマグガイヤーのニコ生ですら、手元に残るは9万円ぐらいです。
 ブログやニコ生で映画評論をして生活するのは難しいです。