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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「韓国在住ですが、日本で映画評論家になりたい」(後編)
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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「韓国在住ですが、日本で映画評論家になりたい」(後編)

2016-05-30 06:00

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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/05/30
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    おはよう! 岡田斗司夫です。
    メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
    かたっぱしから答えてみましょう。

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    「韓国在住ですが、日本で映画評論家になりたい」(後編)

     韓国から毎週楽しく拝見させていただいてます。
     私は大学で映画学科を卒業し、現在はネットの掲示板などで映画を語っている人です。
     映画マニア止まりではなく、プロになるには どのようにデビューすればいいでしょう?
     日本で映画評論家になるには、どうすればいいでしょうか?
     
    ───────────────────────────────────

    (前号からの続き)

     現実的に考えると、食べログがヒントになると思うんだよ。

     昔は“グルメ”と呼ばれる人がいた。
     池波正太郎とかもグルメだったんだけど、「どの店の何が美味しいのか?」みたいなことを言ってる人がいっぱいいたんだ。

     でも今は食べログであらゆるお店が登録されている。
     いろんな写真や評価が載っていて、点数も一覧になっている。


    ■映画評論は昔のグルメ文化と同じレベル

     食べログのおかげでレストランを選びやすくなったよね。
     でも映画評論の業界は、昔のグルメ文化のレベルのままなんだ。

     つまりライムスター宇多丸さんや、マグガイヤーのように映画評論家という人がいる。
     そういう人達が「この映画を見るべし!」と言って、面白い映画を語っているんだ。
     かつてグルメだった食通たちが「これを食べに行け!」と言っているのと、そっくり同じ構造。

     グルメ文化は、そういう人達があっという間に衰退していって、吉本のグルメ芸人だけが残ってたりする。
     もしくは本当に特殊なグルメライターが残っているだけ。
     ほとんどのグルメたちは、食べログの登場によって消えてしまった。

     それと同じように“映画評論”自体が、もう死に筋だと思う。
     重要なのは、“どこ”で、“どう見ればいいのか?”を語ることなんだ。

     「吹替と字幕のどっちで見たらいいか?」
     「3Dで見ればいいか、2Dで十分か、それとも4Dか」
     「どの席で見るのが一番いいか」

     僕はバルト9や東宝新宿シネマで映画を見てることが多い。
     だけど、いつも席の選び方で微妙に悩むんだよ。

     最近では、よく行く映画館の、どの列の何番目の席がベストポジションなのか、メモを取り始めてるんだよね。
     それでネットで席を取るときに、そこが空いてるのか確認するようにしてる。
     このデータは僕みたいな映画の見方をする人には、すごくいいと思う。

     たとえば僕だと、吹替であれば字幕を読む必要がない。
     だから、だいたいD列かE列で見るようにしている。
     
     そういう感覚を共有してる人だったら、僕の座席の取り方を見ればいい。
     そうすると映画の見方に個性が出てくる事になるんだ。
     それは映画評論家のいう「この映画はここが素晴らしい」という見方にはならない。

     「この映画は結構長いからポップコーンを買っておけ」
     「途中で食事シーンがあって、お腹が減るから何か買っておいた方がいい」
     「この映画は冒頭はものすごくカッコいいけど、後半グダグダだからラスト1時間は見なくていい」

     そういう教え方のほうが、食べログ的でいいと思う。
     みんなが必要としてるのか分からない映画評論家よりは、よっぽど役に立つと思うんだ。


    ■映画評論家じゃなくて、映画インストラクターになろう

     (質問文)「日本で映画評論家になるには、どうすればいいでしょうか?」

     日本である必要がない。
     近場で行ける映画館で自分の映画の見方のデータをとればいい。

     「どの映画館には、どういうドリンクが置いてるのか」
     「隣の席とは、どういう位置関係になってるのか」
     「一番遅い映画は何時までやってるのか」

     それを、どんどんデータベース化すればいいと思う。
     いずれ映画ドットコムみたいなサイトに吸収されて意味がなくなるかもしれない。
     でも、やり始めの頃は君のサイトを見るしかない人達がいっぱいいると思うから。
     
     なので映画評論じゃなくて、「役に立つ映画ガイド」のような映画インストラクターを目指した方が現実的だと思います。

     (コメント)「そういうリサーチは使えるな」

     そうでしょ?
     使えると思うんだよ。

     どこの映画館もドリンク持ち込み禁止にしているよね。
     そのおかげで、椅子と椅子との間のホルダーにペットボトルが置けない構造になっている。
     そんな映画館は大キライだよ。

     ドリンク持ち込み禁止にするぐらいだったら、コンビニを中に入れてほしい。
     外に比べて高い値段を取ってるから、持ち込みされるんだよね。

     (コメント)「相場より安くドリンクを売ればいいのに」

     本当にそうだよね。

     僕としてはドリンクバー付きの映画館の方がありがたい。
     クッキーとかお菓子も好きに食べれて、自分で好きに席を選べる映画館があったらいいな。
     年会費1万円ぐらいまでだったら払う。

     (コメント)「ボッチ限定の映画館が欲しい」

     それよりは映画館の出口がフードコートになっていて、お話インストラクターがいるといいね。 
     「『アナと雪の女王』を見た方は集まって、感想を話し合いましょうか!」というサービスをやってくれたら、僕は行くよ。

     だから映画評論家になるよりは、“映画を見る”という行為や体験を話すといいと思います。


    【まとめ】
     映画評論よりも、食べログのように、オススメの映画館や見方を案内したほうが役に立ちます。
     映画評論よりも、映画インストラクターを目指してはいかがでしょうか。
     
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