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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/06/03
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

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「伊藤計劃の『虐殺器官』をディスってください」

 伊藤計劃さんの『虐殺器官』という作品の面白さが分かりません。
 なので、岡田さんならではの やり方でブッた切って欲しいです。
 よろしくお願いします。
  
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 まず僕は『虐殺器官』を読んでおりません。
 なので『虐殺器官』の面白さも、面白さを理解できない人の事も分からないのです。
 これに関しては、何も言えません。


■あなたの望むようにディスることはできない

 ただし、僕にも分かる事がある。
 「岡田斗司夫なら、俺の代わりに『虐殺器官』をディスってくれるでしょ!」という気持ちは、分かりました。

 無理無理無理!
 誰も、あなたが望んでいるような形でディスれないって!

 だって『虐殺器官』を知ってる人は読んでるわけでしょ。
 読んでる時点で値打ちを認めてるわけ。
 ほぼアウェイの環境だよね。

 でも、たまにこういう人がいる。

 『虐殺器官』を読んだけど面白くないと思うのは、理解できないからではないよ。
 全部理解したうえで、「けしからん!」と思う部分があるということ。
 「逆の意味のツボ」にはまっていないとダメなんだ。


■岡田斗司夫は小野不由美の『屍鬼』が大キライ

 たとえば僕は小野不由美の『屍鬼』という小説が大キライです。
 『屍鬼』はスティーブン・キングの『呪われた町』のパクリ。
 
 小野不由美のファンタジー風でホラーみたいな小説を有り難がって読むバカが大量にいる。
 そのクセに、スティーブン・キングをまともに読んでいる教養ある日本人があまりに少ない。
 だから、小野不由美が褒められてるんだ。

 それが悔しいと思ってるので、このようにディスれるわけなんだよ。
 どうですか?
 聞いていて、あまり美しいものではないでしょ?

 僕が言ってる事が正当かどうかは別。
 "ディスる"という事は、それを好きな人を貶める行為と対になっている。
 だから、やってもあまり意味がないんだよね。

 『虐殺器官』が面白くなければ、売れないんですよ。
 売れているのに理解できないんだったら、それはあなたの理解力の問題であるはずなんだ。

 僕は小野不由美さんの『屍鬼』の面白さを理解している。
 だけど俺がスティーブン・キングを好きすぎるから、どうしてもディスってしまう。
 実は小野不由美さんの『屍鬼』について語ってるんじゃない。

 『屍鬼』をディスりながら、スティーブン・キングの『呪われた町』を語りたくてしょうがない状態なんだ。

 似たような小説があるけど、そっちは有名じゃない。
『虐殺器官』だけがアニメにもなって悔しい!
 そういう心が僕の中に起こるかもしれない。
 
 その気持ちなら、ディスり仲間として、あなたと手を取るかもしれない。
 でも今のところ、そういう状況ではないですね。
 
 以後、この質問は送らないで下さい。
 よろしくお願いします。


【まとめ】
 『虐殺器官』を読んでいないので、何も語れません。
 それに、誰もあなたの望むようなディスり方はしないと思います。