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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「パナマ文書が公開されたけど、金持ちってケチなの?」(後編)
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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「パナマ文書が公開されたけど、金持ちってケチなの?」(後編)

2016-06-20 06:00

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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/06/20
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    おはよう! 岡田斗司夫です。
    メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
    かたっぱしから答えてみましょう。

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    「パナマ文書が公開されたけど、金持ちってケチなの?」(後編)

     パナマ文書が公開されたおかげで、タックスヘイブンで合法的に税金から逃れてる人間や企業やワンサカ出てきました。
     日本にも数が少ないもののチラホラいて、その中にはドワンゴもありました。
     自分がバイトして稼いだ540円がパナマに行っていた事に、深い憤りと感動を覚えます。
     何故、人は自分で稼いだお金を手放したくないのでしょうか?
     金持ちってケチが多いですね。
     
    ───────────────────────────────────


    (前号からの続き)

     日本という国に生きている限り、日本という国の恩恵や助けを受けてるわけだよね。

     悪人がいたら警察が取り締まってくれるし、電車は定時に来る。
     公園もあるし、道路も整備されている。
     社会的インフラはあるし、子供は公立の学校に行ってるわけじゃん。
     
     それらはすべて、国の税金でまかなわれてるんだ。


    ■自国に納税をしないのは、自国に忠誠心を持っていないから

     「自分が金持ちになったからといって、税金を払わなくてもいいのか?」という考え方に対して、少なくともドワンゴは「いい!」と考えた。
     結局、今回のパナマ文書の見方は“その会社は「自分たちの国」をどう考えてるのか?”ということだと思う。
     つまり今回のリストに載ってた人たちは、「私たちは国家に対して忠誠心を持ってません」という宣言をしてると思うんだよね。

     でも、あんまりテレビでは言わない話かもしれないね。
     企業に厳しく税金をかけると、企業は国籍を変えちゃうわけだよね。
     「法人税がもっと安い国に、本社を移しちゃおう!」となってしまう。
     そうすると、僕らはもっと困ってしまう。
     
     まだ今なら、ドワンゴはパナマに隠し資金を移してるだけ。
     でもドワンゴがシンガポールに本社を移してしまったら、僕らが払っているお金が全部、シンガポールの政府に流れちゃうわけだ。
     シンガポールは国民サービスが充実してきて、日本は国民サービスがドンドン低くなっちゃう。
     だから本当に、道徳的アピールぐらいしか出来ないんだよなぁ。

    コメント「国連で世界的に取り組めないの?」

     唯一解決する方法は、追跡性のある通貨だと思う。
     
     つまり、現金とか口座移動でなくて、通貨をネット上のお金にしてしまう。
     「誰から払われたか」という履歴がすべて見えるような通貨にする。


    ■解決策は「追跡性のある通貨」の運用

     たとえば僕のサイフに1万円入ってるとしよう。
     そのうち5千円はドワンゴから払われて、残り5千円は朝日新聞から払われている。
     そんな履歴がある。

     そのドワンゴから払われた5千円は、ドワンゴがどこから受け取ったものか?
     そういう経路を、過去30段階ぐらいまでザーッと見えるようなもの。

     それは技術的には、もう可能なんだよね。
     そういう追跡性のある通貨ってのが運用されたら、あらゆるお金がどこから来たのか分かる。

     そうすればマネーロンダリング自体が無くなってしまうわけ。
     悪いヤツがいても、資金源を調べなくてもいい。
     ソイツの通貨が透明であって、追跡性があれば、あっという間に分かっちゃう。
     本当に、これで済むんだよね。

     たとえば、ビートたけしは、弟子から時々おこづかいをもらっている。
     浅草キッドから1万円をもらってる。
     彼は、それをちゃんと飾ってる。

     「この1万円は、浅草キッドからもらった」という価値。
     「この1万円は、バイトで稼いだもの」という価値。

     同じ1万円でも、その価値には、おそらく差が付いている。


    ■道徳的な追求ができても、日本を出て行かれると困る

     「通貨が誰を通ってきたか」によって差ができてしまう。
     なので、貨幣経済はますます形骸化してくる。
     だから評価による経済が成立する。
     これがオレの読みなんだ。

     つまり、もうそれは通貨じゃなくて株みたいなもの。
     通貨は個人が出すこともできるし、会社が出すこともできる。
     国家も出すことができる。

     “誰を通ってきた通貨か?”がすべて分かるようになるには、おそらく20年ぐらいかかるだろう。
     なので今のところ、このタックスヘイブン問題は解決しないだろうね。
     
     誰がタックスヘイブンをやってるのかは明らかになっているので、その人達を道徳的に追及することはできる。
     でも、「そんなこというなら、日本を出て行く」と言われて困るのは僕たちだからね。
     今はスッとしない、とてもイヤな状況だよね。


    【まとめ】
     タックスヘイブンを防ぐ方法は、通貨の流れが見えるようにすることです。
     自国に納税しないということは、自国に対する忠誠心がないという宣言だと思います。
     
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