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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「『東大生を早くする計画』とは?」
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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「『東大生を早くする計画』とは?」

2016-06-21 06:00
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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/06/21
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    おはようございます。

    今日は『解決!ズバッと』はお休み。
    岡田斗司夫が、1995年から2001年に「テレビブロス」誌で連載していた『オタクの迷い道』から、セレクトしてお届けします。

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    連載第45回「『東大生を早くする計画』とは?」 

     
     僕が東大で「オタク文化論」の講義を始めたのは1年ちょっと前。
     もちろん、東大のゼミの中でも一番ヘンなゼミだった。
     「東大ではこんなヘンなゼミがある」と、マスコミからの取材が相次いだもんだ。

     ところが、今年の自由研究ゼミの紹介文を見て愕然とした。
     とにかくスゴイ。
     
     まず「ダイエット・ゼミ 553教室」
     ダイエット・ブームの現象について幅広く知り、批判的考察を加えていくゼミだそうだ。
     このゼミで痩せられるわけではないが、おもしろそうだ。
     
     次に、「役に立つ微分方程式の使い方 594教室」
     冷蔵庫でスイカを冷やすのに必要な時間はどれくらいか?といった、身近なモデルを使って、微分方程式を勉強するゼミらしい。
     
     学校の勉強の中でも、役に立たないものの代名詞として使われる微分方程式。
     これを実際に役立てるとこがいい。
     まぁ、計算している間にスイカ一個くらい冷えそうな気はするけどね。

     「核融合入門 1225教室」
     SF野郎の僕にとっては、これもなかなか、魅力的だ。
     核融合というと理論ばかりになりがちだが、「核融合の基礎から研究の最先端までを、なるべく数式を使わずにVTRなどを併用してわかりやすく解説する」そうだ。
     東海村地区の見学もOKだ。

     有名人のゼミなら、立花隆の「調べて書く、発信する 1313教室」
     日本有数の、知的水準が高い、しかもおもしろいホームページを作るゼミを自認している。

     「やる気と能力によって厳しく選別する」と明記してるのがスゴい。
     誰でもOK、学生もお客様、と考えてしまう芸人根性の僕のゼミとは、大違いだ。

     こんなすごいラインナップの中でも、一番の注目株が、月曜日、5時限目にある「百メートルを速く走るゼミ 第一グラウンド」だ。
     教授自らが1994〜1996年度にかけて開発に成功した「スプリント・トレーニングマシーン」など、新開発のトレーニング機器を用いてトレーニングする。

     なんか、夜中の通販番組に出てきそうで、いかにも怪しげなカンジ。
     教授はそれらの機器を用いて「東大生を速くする」ことにも着手することにした、と宣言している。
     「一生のうちでも最も速く走れる時期は今しかない。鈍足者も歓迎!」とやる気マンマンだ。
     
     お勉強はできるが、スポーツはイマイチというイメージの強い東大生と、「速く走る」は実に斬新な組み合わせだ。
     月曜の夕方に、駒場の東大グラウンドに行くと、速く走らされている東大生を見られることだろう。
     できればいっしょに教授自慢の開発機器も拝見したい。

     こんな素敵な自由研究ゼミに囲まれて、僕の「オタク文化論 1222教室」は、東大で一番ヘンなゼミの座を転がり落ち、いつの間にか、けっこう真面目なゼミの一つになってしまった。
     オゴれるものは久しからず、諸行無常であるな。


    以上、『オタクの迷い道』よりお届けしました。
     
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