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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「アニメの心の声は無粋だと思います」

2016-06-23 06:00
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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/06/23
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    おはよう! 岡田斗司夫です。
    メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
    かたっぱしから答えてみましょう。

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    「アニメの心の声は無粋だと思います」

     漫画やアニメの“心の声”について、どう思いますか?
     映画では完全に無いとは言えませんが、基本的には使われない演出です。
     それは見ている人に想像力を働かさせ、考えさせるようにしてるからだと思います。
     文字だけの小説ならまだわかります。
     しかし、視覚的に表現できるのに、キャラの心情や思考を心の声で説明してしまうのは、無粋だと思います。
      
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     “心の声”というのはモノローグのことだね。
     無粋というけど、アニメは表現に限界があるんだよ。

     実写なら演じるのは人間だから、俳優さんが何を考えて演技しているのか監督もわからない。
     ところがアニメの場合だと、キャラは描くものだから、100%作為的なんだ。

     アニメの場合、キャラクターの演技は100%作為的なもの。
     実写の場合、俳優さんが作為的に演技をしてても、顔の筋肉や見え方が作為的になってない部分があるんだよね。


    ■アニメの表現は有限なので心の声は必要

     実写の表現の幅や奥行きと、アニメの表現を比べると、どうしてもアニメの方が負けちゃうわけだ。

     だから、負けてる分を何かで取り返さないといけない。
     そうしないと、実写と同じ表現の豊かさは手に入らない。
     だから、アニメには“心の声”がしょっちゅう入るんだと思う。

     アニメから心の声を取っ払ってしまっても、演出で映像として見せる事はできると思う。
     ただ、それをやっても『アーロと少年』みたいになっちゃうと思う。

     ピクサーのアニメって、あんまり心の声が無いんだよ。
     それでも、『カーズ』には心の声がすごく入っている。
     
     背景にしてもキャラクターにしても、アニメの表現は有限なんだ。
     だから、心の声を入れていかないと『カーズ』も『トイ・ストーリー』も成立しないんだよね。

     「実写には、あまり心の声が入ってない」といっても、「あの俳優が演技している」「観客が読み取らなきゃいけない」という関係性があるからいいんだよ。

     アニメが実写みたいに心の声を無しにして、演技だけで表現しようとすると、逆に手足を縛っちゃう事になると思うよ。


    【まとめ】
     実写とアニメの表現を比較すると、アニメのほうが負けています。
     負けている分を補うために、“心の声”は必要です。
     
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