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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/01/02
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おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、邦画の新記録を更新中、庵野秀明の実写映画『シン・ゴジラ』について語ります。


今回の記事はニコ生ゼミ12月11日分より一部抜粋しました。

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「『シン・ゴジラ』は、何を破壊したのか」


 すごいよね。
 今だに更新して東宝の映画館で上映してる。

 「アニメ監督の実写映画はダメ」という定説を見事に覆してくれたよね。

 内容はみなさんも知っているとおり「案外エヴァ」なんだよね。

 正体不明の怪物が出てき来る。
 偉い人の息子が「この状態から逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!」と思っていると、海外からツンデレの女の子がやって来て、主人公と一揉めある。
 それで事件が解決に向かう。

 実はよくよく考えると、めっちゃエヴァに似てるのが『シン・ゴジラ』。

 何よりセリフとか構図がすごくエヴァっぽいんだよね。

 僕は「エヴァの続編として」というのもあるんだけど、アニメと実写の境界線を壊したというのが大きいと思います。

 『シン・ゴジラ』が破壊したのは、富野由悠季や押井守が目指した「実写とアニメの垣根の破壊」なんだよね。

 あの二人はそれを壊したがってたんだけども、『シン・ゴジラ』は本当に壊しちゃったんだ。

 ジブリ作品がいかに儲けようと、これまでの日本アカデミー賞というのは必ず日本の実写映画に与えられたんだ。
 要するにアニメと実写には身分差があった。

 だけど、もう『シン・ゴジラ』以降は、それも変わっていきそうになっている。
 もちろん『シン・ゴジラ』も実写なんだけど、あまりにも作り方がアニメなんだ。

 アニメーターって面白い仕事で、本来は演技者なんだよ。
 
 だからアムロの絵を描く人は、本当はアムロの心情を分かった上でアムロの動きや表情を描かなきゃいけない。

 だけど、同一フレームに映っているシャアも描くわけだよね。
 なので、アムロとシャアの両方の表情を描くという事は、両方の演技をするという事なんだ。

 つまりアニメーターは演技者じゃなくて演出家の発想なんだよ。

 だからアニメというのは本質的に演技ではない。
 表現でしかないんだよね。

 『シン・ゴジラ』の何が凄いのかというと、「演技はこの世に存在しなくて、表現しかない」というアニメの思想を、実写の世界に入れちゃった事なんだ。

 だから、ここから先は実写とアニメの垣根がどんどん崩れていく。

 そういう実写の世界では当たり前だった「演劇の延長線上の映画」じゃなくて、「アニメの延長線上の映画」になってくる。

 なので、これからの映像は、CMなのか、映画なのか、ゲームなのか、アニメなのか分からないようなのが増えていくと思います。


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