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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「キンコン西野またもや炎上!お金の奴隷解放宣言の斬り方。最終回」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「キンコン西野またもや炎上!お金の奴隷解放宣言の斬り方。最終回」

2017-02-01 06:00
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    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/02/01
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    おはよう! 岡田斗司夫です。
    メルマガ読者の方から、質問をいただいています。
    かたっぱしから答えてみましょう。

    (今回も前回からの続きです)

    今回の記事はニコ生ゼミ1月22日分(#162)より一部抜粋しました。

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    「キンコン西野またもや炎上!お金の奴隷解放宣言の斬り方。最終回」

     キングコングの西野さんが炎上しているそうです。
     
     その炎の中には「無料にするのはかまわないが“お金の奴隷解放宣言”という文言は、作り手や消費者をコケにしているようで気に入らない」という意見がありました。
     
     この文言が出てきたのは、どう考えても岡田さんの影響ですよね。
     今回の件についての岡田さんの見解を、ぜひ聞きたいです。

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    こちらの質問にも対応しています。
     
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     以前より岡田さんが語っていた、一部の優秀なクリエイターのみが稼ぐことができて、それ以外は全て無償化、中間が存在しないような世の中が現実のものとなってきたのだと思います。
     炎上騒ぎの渦中には、その中間層の人たちも多くいるのだと思いますが、その人達は今後どのように生きていくべきなのでしょうか?

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     (前回の続きから)

     西野君の炎上のいちばんコアな部分は、ある声優さんが「そういうことを売れている人がするから」みたいなことを書いて、それに対して西野君が反論してるからだよね。

     その反論って、トランプ型の反論なんだよね。

     トランプのポスト・ファクト主義の戦略というのは、ポスト・ファクトの時代だからこそ、相手が言ったことを限定的に取り上げて、それに対して言質をとるような言い返しの仕方をする。

     勝つための論法をするんだよね。

     この世の中を敵と味方に分けて、「俺の言ってることがわかる奴は味方。俺の言ってることがわからない奴はバカ」と、敵を部外者の扱いにする。

     トランプは、こういう手法をよく使う。

     基本的に勝ちたい人は、こういう論法を使う。
     西野君もホリエモンも使ってる。

     僕は彼らに言いたい。
     「お前ら、勝つことよりも、愛されることを選べよ」って。
     
     もう本当に、バカじゃないの?

     「ディズニーを超えたい」なんて言うヤツが、勝つことだけを選んで、こんなに憎まれてどうするんだよ?
     
     そう思うんだけどさ(笑)

     トランプ型の反論は、メリットもあるんだよ。
     今はもう、これだけポスト・ファクトだから、オピニオンしかないわけだよね。

     去年の大統領選挙で、なぜトランプが勝ったのか?
     それはもう実に簡単。

     シンプルに言うと、アメリカの世論が“トランプ”と“アンチ・トランプ”しかなかったから。
     “トランプ”対“ヒラリー”じゃなかったんだよ。

     大統領選挙の時のアメリカは、“トランプ”対“アンチトランプ”だった。
     この状況を作ってしまったら、もうトランプの勝ちなんだよ。

     選挙でどっちが勝つのか?
     これはもう偶然の産物なんだろう。
     
     何対何で勝つのか、そこまではわからないよ。
     ただ僕は、こんな状況を作ってしまった段階で、もうトランプの勝ちだったと考えている。

     だからもう今は、この炎上は“西野ファン”対“アンチ西野”という状態が出来ちゃってるんだよね。

     こう出来ちゃった以上、アンチ西野の人が、いかに精緻な論理を組んでエレガントに反論しようが、ツイッターで「こんなの無茶ですよ!」って言おうが、イラストで説明しようが無駄なんだよな。

     ファクトが関係なくなってるんだもん。

     なので西野君に対して効果的な反撃したければ、彼の絵本より売れる絵本か、素晴らしい絵本を作るしかない。

     “素晴らしい絵本”というのは「バカでも分かる」というくらい良い絵本を作るしかないんだよな。

     そうやって西野君 以上の話題を作るしかないというのが、このポストファクト主義。
     ファクトが、ただ単に思想でしかなくなってしまった時代のあり方だと思う。

     ヒラリーの敗因は「トランプはどうなのか?」という“問いかけ”しかできなかった所だと思ってるんだ。
     だけど僕自身はトランプ型の、敵を想定して「こんなに敵は愚(おろ)かだ。さあ笑ってやれ」という論法は大嫌いなんだよね。

     なので、そういうふうにムキになって書くときの西野君も、わりと嫌いなんだよ(笑)

     反論を確固撃破して論破しちゃう手法は、負けず嫌いな人がついついやっちゃうんだ。
     だけど、あれは男が下がるから本当はやめた方がいいと思うよ。

     こういうことは本人に言った方がいいと思ってる。
     なので3月のゲストに西野君を呼んだから、たっぷり聞いてみようと思う。

     考え方として僕が出せるのは、「このように感情が沸騰している状態のポストファクト時代では、ファクトチェックというのは無意味なので、収まるまで待つのがよろしいのではないのかな?」と。

     それによってクリエイターが食える食えないの問題が、今すぐどうにかなるわけじゃない。

     それに感情的に反応して「じゃあ俺もタダにする!」とか「じゃあ俺は、西野を攻撃してちゃんとギャラをとる!」と思った方が、たぶん損すると思うからスルーですね。

     そんな常識人的な、大人の話をしてしまいました。 


    【まとめ】
    “西野ファン”対“アンチ西野”の図式が出来てるので、もう西野君の勝ちです。
    しかし敵を想定した勝つための論法は、男が下がるので、やめた方がいいと思っています。

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