「すごく好きだけど、気に食わない。メロドラマに戻ってしまった『ガンダム THE Origin』」
僕は『ガンダム THE Origin』って、すごく好きなんだよ。
だけど、ちょっと気に食わない部分がある。
作った人には、すごく失礼なんだけどね。
『ガンダム』の歴史って、本来は“歴史的な必然”が語られてるわけだよね。
地球から追いやられて宇宙コロニーに住んでいる人たちがいた。
その人たちが独立を目指して、地球連邦と戦って、独立戦争が長く続いた。
両者とも疲労し切ってるところに新型兵器のガンダムが、偶然にも一人の少年の所にきちゃった。
そういう歴史的な大きな流れの中に一人の男の子が立つ所から始まるんだけどさ。
『ガンダム THE Origin』の描き方って、こういう歴史話をメロドラマに落とし込んじゃってるんだよね。
単なるザビ家の陰謀であり、それに対して起こった幼い頃のシャアの恨み心。
そこをすごくクローズアップしてるから、お話全体が矮小化されちゃってるんだよね。
「悪い人はいるけども、それは歴史の中で役割があって」という話が、「急に独裁者が現れて、ドイツの人間を扇動しました」って話にされてしまった。
「ドイツ人はみんな悪者なので、正義のアメリカ人がバンバン殺していきます!」という“下らない戦争ドラマ”から抜けた所に、現代のドラマ性があるはずなんだ。
でも安彦さんの『ガンダム THE Origin』は、そうであったはずのガンダムを、もう一回メロドラマの世界に落とし込んでしまっている。
それが僕はやっぱり好きじゃないんだよ。
でも僕が「ここが気に食わない」と言っても、しょうがないと思うんだよね。
なので、2017年からは『ガンダム講座』を開こうと思います(笑)。
『ガンダム THE Origin』を批判する岡田斗司夫が、テレビ版の『ファースト・ガンダム』を徹底的に語ります。
ファースト・ガンダムって、今 見ると作画的にしんどい所も多い。
主題歌の「もえあが~れ~♪」ってのを見ても「あ~」って思っちゃう。
安彦さんの作画は凄いんだけど、昨今の流行の作画を見ていると、安彦さんの作画の何が凄いのかよく分からない。
それは注釈が必要なんだ。
注釈で作品を生き返らせる事が出来ると思うんだ。
なので、2017年はDMMラウンジの限定企画で『シン・機動戦士ガンダム講義』というのを、一年かけてやろうと思っています(笑)。
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