「これから客層のターゲットは“パソコンを使える人”にしようかな【前編】」
「これから先、ニコ生はどうなるのか?」
ドワンゴの人と、そんな話をしてたんだよね。
たとえばゲーム実況している人達。
今のニコ生の売り上げのトップ10は、おそらくゲーム実況の人達が占めてる。
たぶん幕末志士あたりがトップで、すごく稼いでると思う。
だけど、そういう人達と僕とは根本的に戦略が違う。
僕のポジションは、そういうトップでもなければ、若手の弱小でもない。
いわゆる中堅なんだよ。
だからこの岡田斗司夫ゼミというのは、芸人でいうと「アメトーーク!」くらいのポジションだと思うんだよね。
無理をしてゴールデンに行くと息が切れるのだけども、深夜というほどでもない。
“ダウンタウン”や“さんま”みたいに大御所感もなければ、若手のフレッシュ感もない。
そんな感じが、岡田斗司夫ゼミだと思うんだ。
ドワンゴの人が考えてくれる戦略が「たとえばスマホで見ているユーザーがほとんどなので」という話なんだけど、なんか違うなと思うんだよね。
僕のニコ生を見ている人の大部分って、パソコンで見てると思うんだよ。
そう思っているから、気にせずにURLのリンクも出しちゃうんだ。
僕もスマホ持ってるんだけどね。
電車の中とかでは人並みにスマホを見てるんだけど、早く家に帰りたくてしょうがないの。
早く家に帰って、自分の部屋で椅子に座って、いつものパソコンを立ち上げて、マウスを持ってやると、すごく安心するのよ。
これがパソコン野郎の感覚だと思う。
それに対してスマホ野郎というのは、パソコンがないから、しかたなくスマホでやってるだけ。
あくまでスマホというのは、本当に「しかたなく」なんだ。
昨年の末に発表された先進国の学習データというのがあるんだ。
それによると日本の高校生・大学生はパソコンの普及率がすごく低い。
普及率だけでなくて、パソコンが使いこなせない。
今は何とか大丈夫だし、デジタルネイティブと言われている人達にとっては、パソコンよりスマホの方が使いやすい。
だから、これからタブレットにならなきゃいけない、という論調がある。
ところが現にパソコンがどれくらい使いこなせているのか、諸外国と日本とでは若者層を中心にして、すごい差が出てくるという。
これが圧倒的な「知的な仕事にどれくらいつけるのか」の差になってくる。
そういう事が、じわじわと言われ始めてるんだ。
だから僕は、もう自分の客層は“パソコンで見てる人”にターゲットを変えちゃおうかと思っている。
それが2016年の末くらいからの、ニコ生の話し方なんだよね。
僕のニコ生の番組で、映画の話や本の話をするのはどうしてか。
僕のニコ生を見てくれている人は忙しいだろうから、僕が代わりに買ったり、見たり、行ったりしてきて感想を話す。
それで、「みんなの時間とお金は、そこで節約しようよ」という言い方になってるんだよね。