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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/04/17
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おはよう! 岡田斗司夫です。

昨日のメルマガで朝日新聞『悩みのるつぼ』の相談文をお届けしました。
今日は、いよいよ回答文もお届けします

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相談 「『彼氏いない』とバカにする母」
 
 
 21歳女性です。
 彼氏がいないことを母に馬鹿にされます。

 私は一緒にいたいときに、一緒にいたい人といられれば、恋人などと呼ばれる必要はないと思っていて、「付き合って」と言われても断っています。

 付き合っても続きませんでした。
 関係に名前をつけて縛り合うことが好きではないのです。

 セックスをしたい、子供が欲しいとは思わないのでこの考えを不便に思ったことはありません。
 そもそも私が好きだと思うのは異性だけではないです。

 しかし「彼氏」がいない私を母は理解できないようで、いつも言外に責めてきます。

 もちろん私にも心からいとおしいと思う特別な人はいます。
 お互いにお互いが大切だとほほ笑み合える人が。

 親しい人も何人かいて対人関係は満たされています。
 大学で真剣に学問をしたいという願いがかない、今私は生きてきて初めて心から幸せを感じていると言っていいほどです。

 なのに、「結婚」を鋭い視点から論じた本を読んでいると、母は「どうせそんな本を読む人は彼氏がいないんでしょう」と馬鹿にしたように言います。

 自分の幸せに誇りを持っていてもそんな母の一言で悲しくなります。

 母と私は、同じ「幸せ観」を持っておらず、価値観が違うとわかっているのですが……。

 母の言葉に傷つかず、自分の幸せを大切にして生きていくためにアドバイスをください。

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【岡田斗司夫の回答】

 私の経験から言えば「距離を取れば楽になるよ」。

 当たり前の助言と思うかも知れませんが、ポイントは距離の程度と思いきりです。

 私は家を出てから長い間、両親に自分の住所も電話番号も伝えませんでした。
 隠していたんです。

 家出したわけでも失踪したわけでもありません。
 ちゃんと結婚式には親や親戚を呼んだし、仕事先も伝えていました。

 なぜそんな極端なことをしたかというと、「話すと必ずケンカ」になったから。

 母は私の生き方や交友関係にまで干渉し、私が怒鳴り、母が泣き出す。
 そういう関係に私が耐えられなかったからです。

 私は母親に死ぬほど愛されて育てられました。
 それは身にしみるほどわかっています。

 だからこそ、心配して干渉してくる母の影響圏から逃げ出すには、極端な距離の取り方が必要だったのです。

 家から出て、親にメアドも住所も電話番号も教えないとどうなるか?
 接触回数が極端に減ります。

 多くても年に1、2回。
 私の場合、年始に一方的に電話してあいさつするだけ。
 あとは冠婚葬祭で顔を合わせるだけになりました。

 もちろん、年始の電話や顔を合わせると、やはり言い合いやケンカになります。
 でも回数が減るとストレスもうんと減りました。

 年に数度しか話さないと、お互いに「この人のことはわからなくて当たり前」というあきらめも生まれてきます。

 この「あきらめ」が生まれるまで、私と母の場合は10年以上の断絶が必要でした。

 21歳のあなたには言いにくいのですが、あなたと母の関係は生涯、変わらないと思います。
 この数年の話ではないし、あなたが強くなり母親に対して許容できるようになれば済む話じゃありません。

 同様に母があなたを認め、自分と違う生き方を受け入れるとも期待しちゃダメです。

 そういう精神論で片付けず、行動と環境だけでストレスを減らす方法。
 それが「思いきり距離を取る」。
 さっさと家を出て独立しましょう。

 母と普通に話せるようになるには、まずお互いに今よりも無関心になってから。
 母があなたの現状に責任感を感じなくなってからです。

 母と和解するのは、あなたが母にとって「どうでもいい人」になってから。
 あなたにとって母が「もっと遠い人」になってからです。

 遠くなるため、海外まで逃げることも考えましょう。
 いまは互いにとって近すぎるし、強すぎる関係なんです。


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「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。

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みなさんの質問で、僕も予想外の発想ができることも多いです。
だから僕は、質疑応答が大好きです。

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岡田斗司夫
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