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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/09/13
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メルマガ読者の方から、質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
今回の記事はニコ生ゼミ9/3(#194)より一部抜粋しました。
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「『Re:ゼロ』の何が良いのかわかりません。最近ラノベにハマってる岡田さん、楽しみ方を教えてください!」
質問文:
僕はラノベの『Re:ゼロ』が、ナツキ・スバルくんがクソウザくて楽しめなかったのですが、この作品が非常に人気があることに驚いています。
岡田さんには楽しめたようなので、Re:ゼロをどう楽しめばいいのか、解説をお願いします。
信者に「どこが面白いの?」と聞くと、アンチと思われて、まともな回答がもらえません。
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Re:ゼロっていうのは、『Re:ゼロから始める異世界生活』というアニメのことです。
たぶん、この放送を見てる人の20%か30%くらいの人は「ああ、リゼロね」と思うんだろうけども、7割から8割くらいの人はよくわからないと思うので、ちょっと簡単に説明しますね。
Re:ゼロというのは、“異世界転生モノ”のラノベ原作のアニメ。
主人公は、いわゆる“ヘタレ属性”という、毎日ジャージ着てゲームやっているような、なんの取り柄もないようなヤツなんだ。
そいつが、ある日、突然、異世界に飛ばされちゃうわけだ。
こういうふうに異世界とかに飛ばされる時って、だいたいすごい能力とかを持ってるもんなんだけど、こいつが唯一持っている能力っていうのが「殺されてもセーブポイントまで戻れる」っていう能力だけなんだ。
最初はそれすらわからなくて、1話とか2話とか3話を見てたら、毎回毎回、死ぬ度に、異世界に飛ばされた時と全く同じ状態に戻るから、「ああ、ゼロから始めるというのは、本当にゼロに戻っちゃうのか」って思ってたんだけど。
ところが、ストーリーが進むにつれて、再開できる“セーブポイント”が新たにいくつか出てくるというのがわかるんだ。
ところが、ストーリーが進むにつれて、再開できる“セーブポイント”が新たにいくつか出てくるというのがわかるんだ。
なので、これは正確に言うと「最初はゼロから、次は1から、その次は2から始める異世界生活」と言うのが正しいんだけど。
まあ、そうやって、再開地点が段々と後ろに行くんだよね。
スバルくんは飛ばされた異世界で、ある女の子と知り合って、彼女を守らなきゃいけないようになるんだけど、その女の子というのは実は“お姫様候補”の一人だったんだ。
つまり、「その国の女王様になる候補が何人かいて、その候補の一人である女の子が、ちゃんと上に登って行けるかどうか?」っていうのが、まず、中心にあるストーリーなんだ。
そして、それと同時に、主人公のナツキ・スバルっていう男の子が、とにかくなんとかみんなを上手く動かして、助けてあげようとする。
もちろん、上手くいくはずもなく……第1話目から2回くらい殺されるんだったかな?
「殺されてゼロに戻る」を繰り返すことになる。
「屋敷に侵入者が現れて死んじゃった」→
「死んで戻って、屋敷の侵入者を止めたと思ったら、その後、魔法使いみたいなヤツが狂って殺された」→
「また戻って、それを止めたと思ったら、かわい子ちゃんメイドにいきなり追いかけられて殺された」
「死んで戻って、屋敷の侵入者を止めたと思ったら、その後、魔法使いみたいなヤツが狂って殺された」→
「また戻って、それを止めたと思ったら、かわい子ちゃんメイドにいきなり追いかけられて殺された」
みたいに、死んで戻ってを繰り返しながら、何重にも存在する危機を回避していく話なんだ。
・・・
俺が上手いと思ったのは、なんの能力もないヤツをヒーローとして描く上で、こういう「一通り全部、失敗したから大丈夫!」っていう方法を取ったところ。
こういうのは今まで見たことがなかったので、俺はそこを評価してるんだよね。
つまり、ストーリーラインとして画期的なんだ。
つまり、ストーリーラインとして画期的なんだ。
いわゆる、“アドベンチャーゲーム的”というか、「何の取り柄もない少年が、延々とダメな選択肢を全て潰して行った先で王道を見つける」っていう方法。
これは、こういうヒーローの描き方もあるんだなって思ったんだけど。
ところが、物語の後半、最終話に向かって加速していく辺り、具体的に言えば“白鯨”という空中を飛んでいるクジラみたいなヤツを退治する辺りから、このヘタレな主人公が段々と立派なヤツになってきて、そこら辺で“燃える展開”というヤツになるんだよね。
そういうのが好きな人は、その燃える展開に、ものすごく乗れるわけなんだけど。
「オール・ユー・ニード・イズ・キルやん」(コメント)
ああ、『All You Need Is Kill』か。
確かにそうだよな。
でも、俺、こんなに細かく殺される話っていうのはあんまり見たことがなくって。
もともと、アメリカに『リプレイ』っていうSF作品があるんだよ。
“死に戻り系”の作品の元祖みたいな作品だと思うんだけど。
それでも、やっぱり、少なくとも数年間は生きた後で戻るんだ。
“死に戻り系”の作品の元祖みたいな作品だと思うんだけど。
それでも、やっぱり、少なくとも数年間は生きた後で戻るんだ。
なので、これはちょっと珍しかったんだよな。
・・・
「この作品が非常に人気があることに驚いている。どう楽しめばいいのか?」か。
うーん、難しいね。
うーん、難しいね。
乗れないという気持ちもわかるんだよ。
確かに、ウザいはウザい。
上手く行かずに死ぬ展開を何度か繰り返した後は、もう、周りの人間がどんどんイヤなヤツに見えてきたりするし。
主人公のスバルも、周りの人間に対して「俺の言う通りにすればいいんだッ!」って言い続けるような感じになるので、どこを好きになればいいのか難しいんだよね。
あの、「『まどマギ』の、ほむら を主人公にしたバージョン」と考えてみてはどうでしょうか?(笑)
つまり、『Reゼロ』っていうのは、「どの選択肢を選んでも正解がないような状況の中で、いかに正しい選択肢を探していくのか?」っていう話なんだ。
ほむら も似たようなシチュエーションの中に放り込まれるわけだけど、まどマギは、あくまでも、まどか が主人公だったから、ほむら はその絶望的な状況の中で“諦めなきゃいけないキャラクター”として描かれちゃったわけだよね?
それに対して、スバルというのは“諦めないでいつまでも可能性を探すキャラ”なんだよ。
つまり、「ほむら → スバル」というふうに置き換えて見たら、わりと前向きな話だし、感動巨編に見えると思うよ。
つまり、「ほむら → スバル」というふうに置き換えて見たら、わりと前向きな話だし、感動巨編に見えると思うよ。
ただ、感動巨編というのは、あくまでも、このノリに乗れた人にとっての話であって。
乗れない人に関しては、途中から「いい加減にしろ!」とか「なんだかんだ言ってお前、ハーレムやんかい!」という感じの話になっちゃうから、そこは人を選ぶかもしれないね。
乗れない人に関しては、途中から「いい加減にしろ!」とか「なんだかんだ言ってお前、ハーレムやんかい!」という感じの話になっちゃうから、そこは人を選ぶかもしれないね。
「美少女が死にまくる話はちょっと」(コメント)
そうだよね。
そういう人も多いんだよな。
結局、「バッドエンドに通じる選択肢を全て試してから正解に辿りつく」っていうのは、「カタルシスに行く前にイヤなものを全部、見なきゃいけない」のと同じなので。
そこが苦手な人もいるのかもしれないね。
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