毎回「捨てられないTシャツコーナー」っていうのを、やってるじゃないですか。
今回は『ブレードランナー』のTシャツ、と思ったんだけどね。
昔、公開当時に「ハリソン・フォードはブレードランナー」と胸に書いてあるめっちゃダサいTシャツを、俺、新宿の映画館で買ったんだよ。
でも、ものすごくペラペラで、あっという間に襟がよれてダメになったから捨てちゃった。もうそのTシャツ持ってない。
捨てられるTシャツだったわけですね。
それで今日は、さっき見せた、ブレードランナーのスピナー。
スピナーおもちゃ
これに関しての捨てられないオモチャの話をしようと思います。
スピナーは、映画『ブレードランナー』の中に出てくる空飛ぶ車です。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンもそうだけど、空飛ぶ車って、みんな好きなんだよね。
SF映画を作る時は、未来のイメージっていうと、大体「空飛ぶ車」を出すことが多い。
ただやっぱりね、現実化が難しい。
2000年代くらいにモラー社っていう現実にある会社が、スカイカーというシステムを作ろうとしてたんですよ。
これがもう完全にタービンエンジンだったかな、プロップファンでも、ジェットエンジンでも何でもいいけど、それを4つつけて、なんとか自動車だと言い張ってたんだよ。
モラー社は10年位まじめに空飛ぶ車『スカイカー』を開発していて、そのことで有名になったんだよ。
でもネットで調べたらわかるんだけど、途中からもうこのスカイカーの開発を諦めちゃうんだよね。
で、一応「空飛ぶ車を開発してる」ということで有名になった会社だったので、こういうミニカーのオモチャとかTシャツとかを売る会社になってしまった。
スカイカー https://goo.gl/doBHVi
でも、いまだに、こういうオモチャは売ってるんだよね。
ここの後ろにあるのは、フォードが開発した、ジャイロン(Gyro-n)という自動車。
実際には作らなかったんだけどね。
車輪3つで走るんだよ。
こういう、いかにも空を飛びそうな車は、1950年代のコンセプトカー・ブームの時に、すごくいっぱい出てきたんだよ。
このフォードのジャイロンも一応 試作品は作られて、タービンエンジンで走るとか、性能が上がってきたら将来空を飛ぶことも出来るとか、いろんなことを言われた。
俺、面白いなと思ったのは、これ。
ジャイロン
これは日本製のブリキのおもちゃなんだよね。
1950年代の日本というのはブリキの玩具の輸出国でもあったんだよ。
これがオリジナルのフォードのジャイロンのカラー。
だけど、「これってツートンカラーだったらいいな」って、日本独自で赤の車を作っちゃったんだよね、勝手に。
オリジナルで日本の玩具メーカーが、パトカー版も作ってしまった。
「おお!これが50年早く生まれた、ポリススピナーか。すげえ格好いいな」って思ったんだけど、俺(笑)
ジャイロンのアレンジ
もう上のこのライト!
パトカーをこんなデザインにするはずないんだけど、なかなかいい味出してるよなと思います(笑)。
コックピットも、こうやってまたいで乗るというタイプなんだよ。
こういうふうに、「未来の車はこうなる!」っていう方向性がモーターショウにあったから、昔のモーターショウは、単なる新製品発表ではなかったんだよ。
ゼネラルモーターズという自動車メーカーが、「未来の台所はこうなります」とか、フォードという自動車メーカーが、「未来の農業はこうなります」っていうのを発表していた。
そういう、すごく面白い時代が1950年代だったと、ちょっと覚えておいて下さい。
最近になって、空飛ぶ車「スカイカー」の可能性が出てきた。
たぶん、この3年くらいで、実現しそうなんだよ。
意外なことに空を飛ぶ機構は、このタービンジェットでもなく、反重力でもなく、ただ単にプロペラを6つとか7つ8つつけたドローンという形になっちゃった。
確かドバイだっけ?
そこで実用化するんじゃなかったかな。
ドバイって航空規制緩いんだって。
アメリカの航空規制では空を飛ぶ乗り物を作る場合、20分飛ぶには倍の40分ぶんのバッテリーを持ってないといけない。
1時間飛ぶ場合は、2時間のバッテリーを持ってなきゃいけないという法律があるんだってさ。
だから、ドローンタクシーってアメリカでは、今より燃料が何段階か進化しない限り、無理って言われてるんだよ。
でも、ドバイにはそういう規制がないから、ドバイで年内に無人スカイタクシーが始まるらしいよ。
そうなると、空飛ぶ車の時代っていうのは3年以内に、案外すんなり来るんじゃないかなと思ってます。
そうなってくると難しいのが、空の車線規制なんだって。
上り車線をどこに作って、下り車線をどこに作るのか。
カーナビを今、3次元化しようとしてる。
今のカーナビって平面で、たとえば高速道路に乗ってもなかなかそれを判別してくれないじゃん。
これを高低差5mくらいで作って、いわゆる空の高速道路や空の低速道路を作ろうとしています。
世界中のカーナビの会社が、ドローンによるスカイタクシーというのを前提にして考えているそうです。