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「『ジェダイの帰還』のテーマは“終わってしまう切なさ”<後編>」
そこでフランク・オズの操るヨーダが再び出てくるんですけども、再会したヨーダは、ルークが一瞬、驚いた顔をしてしまうほど衰えているんですね。
姿勢も、かなり前かがみ気味になるか、もしくは逆に、反り返り気味になって歩いているんですね。
以前は、襟がもうちょっとちゃんとしてたんですけども、ちょっと襟が立ち気味になっているところで、ヨーダの衰えを表現しています。
ですけど、それが、この先は、どんどんいなくなっていくんですよ。
こういった、ルーク・スカイウォーカーの孤独というのを頭に入れておくと、今やっているエピソード7~9のお話も、味わい深くなってくるんですよね。
これは「ジェダイが成仏した」という証拠ですね。
そして、今のヨーダも、悔いなく自分の使命を全うしたので、「次のステージに移った」みたいな形で、消えてしまい、死体が残らない。
ここからわかる通り、ジェダイにとっての良い最期っていうのは、消えること。
これは「死ぬ」んじゃなくて、「幽霊体のようになって別の次元に行く」ということなんでしょうね。
つまり、「かつてはジェダイの騎士だったダース・ベイダーが、そんな最期を迎えることが出来るかどうか?」っていうのが、物語後半の見どころになってるわけですね。
つまり、あそこで散った多くのジェダイたちは、自分の使命を全う出来なかったということなんです。
こういうふうに、『スター・ウォーズ』シリーズについて、全てのエピソードを関連性のある一繋がりの物語として見ている人って、案外、少ないんですけども。
普通のヒーロー映画みたいに「帰るべきところがある」とか、「待ってくれている仲間がいる」みたいな逃げ場所が、一切、与えられていないということが。
「ここから先も、第2の人生を楽しもうね!」っていう部分は、もうハン・ソロとレイア姫のカップルが全部 持っていっちゃっているし。
だからといって、「永遠の命を与えられて、ひたすら人間社会の傍観者のように生きていく」という生き方も、R2-D2とかC-3POみたいなドロイド達が担ってしまっている。
ルーク・スカイウォーカーには、このお話の中で、自分の身の落ち着け場所がないということが、このシーンで明らかになっているんです。
ヨーダの死というのは、 ルーク・スカイウォーカーの未来でもあるんですね。
ルーク・スカイウォーカーも、きっと「全てに納得して死んで、その瞬間に消えてしまう」という、ああいう未来が待っているんですよね。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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