A:安直になるのがイヤなので、テレビの情報番組かな
自分の中で「コイツになるから、コレになるから、これをやったらアカン!」って、自分の中で すごく意識しているヤツね。
話を組むときに、「こんなふうに安直になるのはイヤだ!」と思うから、テレビの情報番組かな。
よくあるテレビの情報番組で「今、無理やりキャラを立てて、あだ名を付けて」というの。
俺も やるんだけども、他人がやってるとイライラする(笑)。
テレビ東京の『大食い選手権』とか、今で言う『陸海空 地球征服するなんて』とか、『いきなり黄金伝説』の『よゐこの無人島0円生活』とか、そういう手の。
ああいうのは、すごいキライやねん。
たぶんそれは、宮崎駿が手塚治虫を嫌うがごとくキライやねん。
そうんなふうにしたら、面白くなる気がするよ。
でも、「そんな“面白い”は、“面白い”と違う!」って思ってしまって(笑)。
人は人なんやけども、それを無理やりキャラ付けて、役割を与えるなって思ってしまうんやろな。
たぶん、それは他人から見たら、そんなに差が無いねん。
宮崎駿が思う「そんな事をやったら、手塚治虫ですよ!」っていうのと。
ナウシカが王蟲の目の前で手を広げてバーンって跳ねられて、「その者、蒼き衣をまといて」ってやってたら、「どっちが通俗やねん!」って思うやん。
でも宮崎駿の中では「それは手塚治虫だ! やっては いけない! これが俺だ!」っていうのが あるのと同じ。
僕がやっているのは、それは魂の戦士だから、やっぱりバラエティがやってるのとは、何かちょっと違うのよ(笑)。
たぶん宮崎駿が「それをすると、手塚治虫だ!」って言うときって、微妙に媚びてる感じがイヤなんやろうね。
宮崎駿が考える「それは、手塚治虫だよ!」って言うのは、そのアイデアは読者ウケを狙って媚びているとき。
そこに、何か“自分が やりたい事”が入ってないって思う。
でも、だからといって宮崎駿は、インタビューとか読んだら、トコトン トコトン「ウケよう、ウケよう」としているから(笑)。
やっぱり、「このウケ方は良いけど、このウケ方は悪い」っていう“こだわり”が、すごい強いんやろうね。
それは僕も、ちょっと分からんではないかな。