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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「『ゼルダ』の世界を歩いてみよう! 『ブラタモリ』的なゲームの楽しみ方・後編」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「『ゼルダ』の世界を歩いてみよう! 『ブラタモリ』的なゲームの楽しみ方・後編」

2018-02-03 06:00
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    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/02/03
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    今回は、ニコ生ゼミ1月21日(#214)から、ハイライトをお届けいたします。

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     『ゼルダ』の世界を歩いてみよう! 『ブラタモリ』的なゲームの楽しみ方・後編


     僕は、1週間くらい前にゲームをクリアしたんですけども、基本的に、今は、この100年前の大戦争の遺跡というのをずっと歩いて回っているんです。

     僕もゲームをクリアするまでは、そういう事を全く考えていなかったんですよ。


     さっきも言ったように、「こんなものは、ゲームデザイナーが適当に配置したオブジェクトであって、アイテムを拾える程度のものだ」って思ってたんです。

     あとはゲームをやってる最中はモンスターに襲われるのが怖いから、いちいち周りを見たりせずに、目的地に向かって本当に一直線に走っていました。

     そうやって「町の跡地にモンスターが棲んでたらウザいな」とか、「宝箱とかを拾えたらラッキー」とか思うだけだったんです。

     ところが、ゲームをクリアしてから ゆったりと遺跡を歩いてみると、いろんなことに気が付くんですよね。

    ・・・

     たとえば民間人達が逃げ込んだハテノ砦なんですけども、砦とは名ばかりの、単なる関所なんですよね。

     高さ4,5mくらいの石造りの城壁があるだけで。

     その城壁も、崩れかけた所を、木の簡単な柵がカバーしてるようなものなんですよ。


     おそらく、100年前のガーディアンとの戦いで、石造りの城壁が崩れてしまって、今や それを復興するだけの力がないんですね。

     だから、今となっては、崩れた城壁の上から、木で簡単に作った尖った柵みたいなものを置いて、山賊を防ぐ程度の機能しか残っていない。

     今ではクロチェリー平原にはモンスター達が棲みついているんですけども、峠の門も開けっ放しになっていて、モンスターは入り放題になってるんですよ。

     つまり、人類はすでに、このクロチェリー平原という所から撤退せざるを得なくなっているんです。


     ハテノ砦の遥か後ろの山の上に、“ハテノ村”っていうのがあるんですけど、これは、「そこまで撤退しないと人間は住めなくなっている」ということなんですよ。

     そういった、“既にモンスター達のものになってしまった、人間世界でなくなってしまった土地”というのを見ていくことになるんですよね。


     ハテノ砦の城壁を見たら、この城壁をよじ登ろうとしている最中で、息絶えたガーディアンの残骸もいっぱいあるんです。

     なので、おそらくゼルダ姫の覚醒が あと数秒でも遅ければ、たぶん、このハテノ砦も崩壊していて、その後ろの世界も全て侵略されていただろうというのが分かるんですね。


     だけど、こういう事は、ゲームの中では一切説明してくれてないんですね。

     ゲームの中でも、そこら辺をウロウロしているオッサンとか、お爺さんとか、お姉さん達が、「昔、こんなことがあったらしいよ」ということを断片的に話してくれるんですけど、今 話したような出来事を直接的に教えてくれるわけじゃないんです。

     でも、ゲームをクリアして、「100年前の大戦争とはどんなものだったのか?」という情報を知った後で、ハテノ砦の崖の上から下を眺めてブラタモリ的な想像力で補完すれば、「ああ、こんなことが起きたんだ」というのがわかるわけですね。

    ・・・

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     もう一度、この地図で説明します。

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     ここを見てください。
     ここに変な地形があります。

     街道から外れたところに、楕円を描いている道があるんですね。

     オブリー平原という場所の南西に、周回しているだけの謎の街道があるんですけど。

     ここに道がなければいけない理由が全くないんですよ。
     近くに あばら家があるんだけれども、とても人が住めるような環境じゃないんですね。


     気になったので、僕は、この周りをグルグル歩いて回ってみたんですよ。
     すると、周りに変な看板があることに気が付いたんです。

     交通標識みたいな、同心円状の円の記号が描いてる看板なんですね。


     これを見つけて、「なんだろう?」って少し考えた後で、「あ、これ、弓矢の的なんじゃないかな?」って思ったんですよ。

     つまり、この楕円形の道というのは、“流鏑馬”(やぶさめ)っていう、馬に乗りながら矢を射って的に当てるための練習場なんだ、って。

     念のために、その的みたいなものを矢で射てみたら、パンと破裂したんですね。「なるほど、やっぱりこれ的だったんだ」と。

     ここは、流鏑馬の練習場だと解釈するしかないんですよ。

     「じゃあ、さっきのとても人間が住めないようなあばら家っていうのも、馬屋みたいなところなのかな」と思ってよく見ると、床が板で葺いてない土間になっているから、「ああ、これ、馬屋だ」と。

     そして、街道の分岐点のところまで歩いて戻っていったら、朽ちて掠れた道案内が残っていたんですよ。

     その道案内を読むと、「あっちに行くとハテノ村で、こっちへ行くと乗馬練習場」って書いてあったんです。

     これを見て、ようやっと「ああ、俺の仮説は当たってたわ! あれは流鏑馬の練習場で、かつてはそういう文化があったんだけども、100年前に滅びてしまったんだ!」というのが分かったんです。

    ・・・

     こういうのが、『ゼルダ』の世界には、ものすごくたくさん埋め込まれているんですね。

     遺跡とか、そこら辺にある町というのは、普通のフィールドタイプのRPGだったら、適当に配置してあるだけなんですよ。

     ところが『ゼルダ』では、少なくとも「100年前にこんなことがあって、その後、こういう理由があって、今、この形で残っている」という所まで持って行ってる。

     あらゆる遺跡や住居の跡に、今 話したレベルの発想や設定が埋め込まれているところがすごいんです。


     もう一度、さっきのハテノ砦の話に戻しますけども、ハテノ砦の上には、崖があるんですよね。

     その崖に登って見渡すと、最終防衛戦の決戦地であるクロチェリー平原が広がっていて、そこには無数のガーディアン・ロボットの残骸が転がっていて、そのさらに奥には、双子山という細い街道が間に通った2つの山がそびえている。

     これらを見ることで、「この山がガーディアンの侵攻を止めてくれたから、リンクは命を落としながらも、人々が砦に逃げ込めるまで守ることが出来たんだ」という理由が、やっとわかるんですよね。

     「この地形のおかげで、なんとかリンクが戦い続けられたんだな」ということから、「騎士とか兵隊たちは全員、王国を守るためにアッカレ峠に行ってしまっていた中で、どんなに苦しい戦いだったのか」ということまで想像できるんですよ。


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