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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/03/03
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今回は、ニコ生ゼミ2月18日(#218)から、ハイライトをお届けいたします。

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 サイコパスのススメ!


 人はパンのみでは生きられない。

 でも、パン無しじゃ死んじゃうみたいなもんで。

 愛情というものや、連帯というものですね。


 人間は、「どこかに所属している」という意識 無しでは死んじゃう。

 
 でも、愛情や連帯の為に死んじゃったら、損をしてしまったら、シャレにならない。

 元も子もないワケですよね。

 というわけで、サイコパスのススメです(笑)。


 落とし所としては、正義感は誰にでもあるし、悪い事ではないハズなんだけども、それを実行しない理性っていうのが必要と。


 だって、それに負けて行動しちゃったら、後で後悔するかもしれないし。

 後悔しないにしても、孤立するという道は分かっているわけですからね。


 だからと言って愛情や連帯を否定し過ぎると、次は誰も年末に可哀想な人に募金をする人がいなくなっちゃうわけですね。

 そういう善意も、愛情や連帯で保障されているわけだから。


 僕らは社会性を持った生物として作られてしまったから。

 愛情や連帯を否定し過ぎると、誰も迷子で泣いている子供を助けてくれなくなっちゃうんですね。


 愛情や連帯っていうのは、この世の中に必要なんですよ。

 だから、無くしちゃいけない。


 じゃあ、どうするのか?

 今、「理性でコントロールする」ってコメントで流れたんですけども。

 その理性のコントロールの仕方なんですけども、“サイコパス”という人々が存在します。


 およそ100人に1人ですね。

 “共感できない人”っていうのが、その最低限の定義だそうですけども。


 刑務所の受刑者の20パーセント。

 重大犯罪者に絞ると50パーセントがサイコパスだそうです。


 ただし、この辺の統計的な数値は凄く怪しい。

 何でかというと、サイコパスの定義 自体が曖昧(あいまい)だし。

 本を出している人、研究している人が、だいたい皆、自分が嫌いな人のタイプをサイコパスだと書く傾向があるからですね(笑)。


 なので、僕はサイコパスの本をかなり読みましたけども、僕が「この本は大丈夫かな?」と思って検証すると、ほぼ検証に耐えない本ばかりですね。

 唯一 検証に耐えるのが、「私はサイコパスだって事が分かったんだけども、私は家族を愛しているし、何でだろうな?」って、凄い悩み抜いた脳科学者の本があるんですけども、アレだけが信頼できる。

 ですけども、他は大体ダメなんですよね。


 で、それと逆に、大企業のCEOとか政治家、弁護士、外科医など、大胆な決断をしなければならない職業の人にサイコパス傾向が多いというふうに言われている。

 これも事実です。

 でも、もちろん これも怪しいと。


 で、話をうんと戻して、僕は、岡田斗司夫は自分でどう考えても、これはサイコパスだと思うわけですね。

 で、たぶんホリエモンも そうだと思う。

 ひろゆき は、ちょっと怪しい。

 「そうじゃないのかな?」と思うんですけどもですね。


 で、僕はサイコパスの本を読んで、元奥さんに「俺、サイコパスじゃないかな?」と思って聞いたら、元奥さんは大爆笑をして「当たり前やんか! 何をいまさら!」と言われたんでですね(笑)。


 ま、そのサイコパスの立場で言わせてもらうと、皆は“いい人”過ぎるんですよね。


 ところが、そんなサイコパスの僕ですら、電車の中で お婆ちゃんが立ってりゃ席を譲るんですよ。

 それは何でかというと、譲ったほうが気持ちがいいからですね。

 お婆ちゃんが気の毒だからでは、まったく無いんです。

 譲ったほうが気持ちがいいからなんですね。


 自分が気持ちいいから譲るのであって、だからそのお婆ちゃんから断られても、まったく平気なんですよ。

 「あ、席を譲らなくていいんだ。 ラッキー!」と思って、得をした気分で座る事ができるので。

 席を譲っても快感、断られても快感っていうですね、どっちにしても自分の快感の方にしか流れないわけです。


 で、逆に、じゃあ いつもお婆ちゃんに席を譲るのかっていうと、自分が しんどい時は絶対に譲りません。

 それは何でかっていうと、しんどくて座りたいからですね。


 こういうふうに、すべて自分の中に理由があって、道徳とか世間に理由を求めない。

 たぶん、これがサイコパスの特徴だと思います。


 おそらく皆さんの中でも、分かる人が100人に1人ぐらいいると思います(笑)。


 で、たとえばこういうサイコパスにとって、世界がどういうふうに見えているのかっていうと。

 慰安婦像問題ってあるじゃないですか。

 韓国の人が慰安婦像を世界中に建てて、それで問題になっていると。

 ああいう報道を見ると、やっぱりイライラはするんですよ。

 イライラするんですけども、自分に関係ないから、さっさと忘れる。

 それで、それに熱くなっている人を見ると、変な感じがするんですね。


 「だって、慰安婦像が世界中から撤去されようが、これ以上 増えようが、自分に関係ないじゃん」というか、「イライラするけど、関係ないじゃん」というふうに思えるからなんですね。


 たぶん「自分に直接 関係ない事で怒ったりするのはバカらしい」と思う。

 ここら辺がサイコパスの特徴だと思うんですけども。


 だから、逆に「日本は凄い!」っていう番組も、あんまり好きじゃないんですよ。

 「日本は凄い!」とか「日本のハサミは凄い!」といっても、「俺が凄いわけじゃない」と思っちゃうわけですね(笑)。


 「日本人は凄い」とか「俺たち凄いね」って言われると、下手な機嫌の取り方されてるみたいな感じがしてイライラするから、チャンネルを変えちゃうんですね。

 「これを見てるとバカになっちゃう」ってふうに思って。

 
 オリンピックも、ぜんぜん見てないです。

 見ないし、見るのは時間の損だと思っています。

 何でかっていうと、他人の応援なんかしないからですね。


 だから政治の参加もしません。

 サイコパスだからですね。

 「そういうのは、“まともな人” が やればいい」と思ってるんですよ。  


 で、自分は出来るだけ“まともな人” っていうがいっぱいいて、その“まともな人” の邪魔にならない場所で好きな事をして生きていきたいんですね。


 で、自分と同じ“まともじゃない人”と連帯したいとは思わないんですよ。

 ここは誤解しないで下さい。


 「サイコパスはサイコパスたちで連合すれば?」とか、「じゃあ、まともじゃない人 同士で集まって、語り合おうよ」とは、まったく思わない。

 なんでかっていうと、そいつ等は邪魔だからです(笑)。


 僕らは膨大な“まともな人” がいて、初めて許される存在なんでですね。

 まともな人たちが一生懸命に善良な社会を作って。

 でも、善良なのが故に、お互いが憎み合う所に巻き込まれたくないっていうですね。


 こんな考えの人。


 なので、ホリエモンのいう「“正義の戦争” が起こったら、さっさと逃げる」というのは、ものすごく分かるんです。

 けども、「お前、それを言わない方がいいぞ」と心の中で思っちゃうんですけどね(笑)。


 ・・・

 たとえばサイコパスには共感性が無いと言われてるんですけども、自分にまったく関係の無い他人が死んですごく悲しい時もあれば、自分に関係している親戚が死んでも全然 悲しくない時がある。

 これがサイコパスの本とかを読んだら「まったく共感性が無い」みたいに書かれているのが、ちょっと変なんですよね。


 たとえば僕は黒澤明が死んだときは、全然 平気だったんですよ。

 なんでかっていうと、「彼が生き続けても、僕を喜ばせる作品はもうムリだ」と思ったからですね。

 だから死んでも全然 惜しくない。

 俺の得にならないから。


 でも宮崎駿が死ぬのは、「それはいけない! 惜しい!」と思う。

 なんでかっていうと、彼にはまだ僕を喜ばせる可能性を感じてるからですね。

 ひでぇよね(笑)。


 これがサイコパスの発想法なんですね。

 すべて自分が中心で世界が回っていると。

 だから僕がラピュタとかゼルダの事を「みんな、もっと分かって!」って熱く涙ながらに語るのは、断じて宮崎さんの為でも任天堂のスタッフの為でも無いんですね。

 そうじゃなくて、ラピュタやゼルダに感動した自分が大事だから、熱く語ってるだけ。

 
 何か、ちょっとポイントが違うんですね。


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