A:そんな恐ろしい事は言いません
『Gのレコンギスタ』は、もう一話で切りましたよ。
「シリーズで第一話がダメなものは、もう見なくていい」っていうのが、僕の考えだから。
ただ富野監督や製作関係者に言うなんて、そんな恐ろしい事はしないですよ。
別に富野さんに伝わっても構わないですけども(笑)。
ただアニメに関して言うときって、俺は作り手の事を何にも見ていないもん。
気にしてないし。
だから『アオイホノオ』も、出来るだけ島本先生は、俺の書いた事とかを読むなとか聞くなって思ってる。
それは何でかというと、作り手の事を考えると、気を使ってしまうから。
富野さんにしても、僕が一話だけを見て「これはアカンね」っていうのも、富野さんにしてみたら「一話だけを見るな」とか色々と言いたいだろうけども、 そんなもの向こうも言えないでしょ。
作り手側なんだから。
「作り手側だから言えない」というのが向こう側のプライドだとしたら、こちら側の方は「富野さんに、どう思われようが構わない」というのが、プライドというか持っているラインだから。
それでこう、やりとりをするんですね。
だから、たまにパーティーとかで会うと、ものすごい気まずい。
俺、3,4ヶ月前に安彦良和先生に会って、すごい気まずかった。
「オリジン、ダメ」って言っちゃったし。
なのに紹介しようとするヤツまで現れてさ(笑)。
ビックリしたよ。
ウワーッて思った。
安彦さん、最近はツイッターも始めてるし。
「逃げろ!」って思ったよ(笑)。
だから、それをやっていると、アニメの語り手で、明らかに業界で上手くやろうとして語る人と、言いたい事を言う人っていうふうに、ハッキリと二つに分かれてる。
で、二つに分かれてるって俺は言ったけども、俺の派閥は俺一人しかいないみたい(笑)。
だから絶対にDVDの解説の仕事とか来ないようになるわけでしょ。
こんな事をやってたら。
でもDVDの解説の仕事が欲しいかといったら、そんなのいらないでしょ。
DVDの解説の仕事が来たら、見たくない作品を見ないといけなくなるし(笑)。
もしガンダムの解説の評判が良かったからって、今度はZガンダムの解説が来たらどうするんだと。
困るでしょ(笑)。
イヤというよりは、出来ないよ。
ガンダムのDVDの解説だったら、ガンダムの一万円か二万円かするDVDを買った人が「買って良かった」と思う解説は出せるよ。
でもZガンダムだと、それは出せないもん。
「買ったの、間違えたかな?」っていうようなものになってしまうよ。
だからもうアニメの語り手では、僕のいる所は独立一派みたいなもので。
他に誰かいないのかな? と(笑)。
いや、本当に誰かいないのかな。
たぶん、ブログとかを書いてる人のほうが、僕に近いんだろうね。
もうブロガー。
もうそんな評論は出来ないなぁ。
・・・
ジブリの絵コンテ集って、中に小冊子が入ってるの。
で、その小冊子にはメッチャいい解説が入ってるの。
「何でコレを本にしないんだ!?」っていうような解説が、必ずジブリの絵コンテ集には入ってるけども。
でも、そこで解説を書いている人っていうのは、やっぱり上手い。
作品に関して1mmもケチをつけない。
視点も面白いし、文章も上手い。
オマケに、何も悪いことを書かない(笑)。
でもまぁ、ジブリの解説は他のアニメ作品の解説に比べると、大分 マシ。
ジブリって、ジブリの出している冊子とか公式の本の中でジブリ批判をさせるよね。
あの辺は、凄い。
懐が深い。
戦略的だよね。
このあいだ『耳をすませば』の絵コンテ集を買ったんだ。
凄いよ。
宮崎駿がコンテだけ切って、近藤喜文監督に「やれ!」って言って、やらせて、途中から宮崎監督が「やらせろ!」って。
それで近藤監督が「やらせはせん!」っていう(笑)。
それで大揉めに揉めてるのが、『耳をすませば』の絵コンテ集の冊子に書いてあるという。
ジブリのカミングアウト、スゲェよなぁ(笑)。